『源九郎旅日記 葵の暴れん坊』(げんくろうたびにっき あおいのあばれんぼう)は、1982年5月8日から1983年2月26日まで、テレビ朝日系列で土曜日20時台に放送されたテレビ朝日・東映制作の時代劇である。全41話。 徳川第12代将軍・徳川家慶の弟である松平源九郎(西郷輝彦)は、家祥(のちの第13代将軍・徳川家定)が成人するまでの間、将軍職御控(おひかえ)の地位にあったことから、周囲より「御控え様」と呼ばれていた[1]。人品いやしからず、文武両道に秀でており、諸大名より一目置かれる存在であった。平松源三郎と名前を偽り、身分を隠して諸国を旅しながら、悪者を成敗してまわる勧善懲悪の物語。その人柄に惚れ込んだ備前岡山藩藩主・池田斉政(北村和夫)が娘の弥々姫(池上季実子)の婿にと望むが、当の姫は拒否。しかし、源九郎の諸国見聞の旅にお付きの宮尾(春川ますみ)とともに同行[1]、次第に姫も源九郎への恋心を抱くようになる。この源九郎と弥々姫・宮尾とのやりとりも見どころの1つであった。
概要
決めセリフは、
「江戸は麻布の材木町、御控屋敷の松平源九郎」
(三つ葉葵が描かれている小柄を投げつけ)「そいつは俺のほんの名札代わりよ」
「なぁら仕方がねぇ、てめぇら一人残らず、叩ぁーっ斬る!」(回によって文言が多少変わる。)
立ちまわりの際は、基本的に二刀流だが、回によって(特に後半期)はそうでない場合もあった。
キャスト
松平源九郎(平松源三郎):西郷輝彦
主人公。将軍の実弟という尊貴な身分の生まれながら、若い頃は暇を持て余し市井で喧嘩三昧の暮らしをしていたが、その経験を活かし庶民の心情に通じた懐の深い人物へと成長した。「平松源三郎」は若い頃から使っていた偽名。悪に対しては容赦しないが、事情があって悪に加担させられた者には情けをかける事もある。身分を隠したお忍びの旅でもあり、旅中に起きた出来事は穏便に済ませるなど政治的な判断もできる人物である。最終回に江戸に戻ったが次期将軍候補の一人である自分を貶めようという陰謀が発生、見事解決するも自分が江戸に居るのは騒動の要因になると判断、たった一人でいずこかへ旅立っていった。
弥々姫:池上季実子
本作のヒロイン。気位の高さから中々素直になれずにいるが源九郎のことを慕っている。普段は源九郎と同様身分を隠して旅をしているが、旅人の入出国を厳しく管理している薩摩藩に入る際には藩主島津斉興の正室が池田家出身であるのを利用してあえて身分を明かし、源九郎一行の薩摩入りを助けた事もある。最終回、父斉政の許しが出なかったため一人旅に出る源九郎を涙ながらに見送った。
宮尾:春川ますみ
弥々姫お付きの侍女で旅の一行のメンバー。弥々姫のお目付け役的存在で、何かと口うるさい。
又八:桜木健一
旅の一行のメンバーで鉄心とは常に二人一組で行動する。短気で騒がしくそそっかしいが気のいい男という、ステレオタイプな江戸っ子。本作のコメディーリリーフ的存在。源九郎の事を「旦那」と呼ぶ。最終回、鉄心と二人で商売を始めろと源九郎に命じられ、一人旅に出た源九郎に置いていかれた。
鉄心:龍虎
旅の一行のメンバーで又八とは常に二人一組で行動する。いわゆる破戒坊主であるが又八同様気のいい男。通称は「和尚」。源九郎の事を「旦那」と呼ぶ。最終回、又八と二人で商売を始めろと源九郎に命じられ、一人旅に出た源九郎に置いていかれた。
お夕:森マリア
源九郎に仕える密偵で、妹分のお秀と共に源九郎一行とは付かず離れずで行動する。諜報活動はもちろん剣技にも長じ、クライマックスの殺陣シーンでは源九郎と共に悪の本拠に斬り込む。
お秀(お夕配下のくノ一):清水石あけみ
主題歌にはアレンジの異なる2つのヴァージョンが存在する。 話放送日サブタイトル脚本監督 ゲスト
サブタイトル・主なゲスト
第1話1982年
5月8日「燃えろ! 天下の風雲児」池上金男
櫻井康裕
村瀬主膳:御木本伸介
木村弥兵衛:中村錦司
金井左近:五味龍太郎
佐々孫太夫:永田光男
茶坊主:大城泰
雅姫:鈴木景子
第2話5月15日「命を的の母ごころ」櫻井康裕お冴:中村玉緒