満濃池
満濃池(まんのういけ)は、香川県仲多度郡まんのう町にある日本最大の灌漑用のため池である。国の名勝に指定されている。
空海が改修したことでも知られ、周囲約20km、貯水量1,540万tである。また満濃太郎とも呼ばれる。
歴史
701年-704年頃(大宝年間) 讃岐国の国守 道守朝臣が創築[1]。
818年(弘仁9年) 洪水による堤防決壊[2]。
821年(弘仁12年) 朝廷の築池使 路真人浜継が派遣され復旧に着手するも工事は難航[2]。
821年(弘仁12年) 空海が築池別当として派遣され[3]、約3ヵ月後改修完了[4]。その後も決壊、復旧を繰り返す。
1184年(元暦元年) この年の決壊後、寛永8年の改修まで復旧されず、池跡には民家、田畑が作られ、「池内村」となる[5]。
1628年(寛永5年) 讃岐国領主 生駒高俊の命により普請奉行 西嶋八兵衛、改修着手[2]。
1631年(寛永8年) 改修完了[6]。
1854年(嘉永7年) 地震により破堤[2]。
1870年(明治3年) 復旧工事完了[7]。
1905年(明治38年)第一次嵩上げ工事に着手、堤防を三尺嵩上げ[8]。
1906年(明治39年)1月 第一次嵩上げ工事完成[9]。
1927年(昭和2年)10月 第二次嵩上げ工事に着手、堤防を五尺嵩上げ[10]。
1930年(昭和5年)12月 第二次嵩上げ工事完成[11]。
1941年(昭和16年)4月 第三次嵩上げ工事に着手、堤防を6m嵩上げ[12]。
1959年(昭和34年) 第三次嵩上げ工事及び天川導水路完成[13]。
1988年(昭和63年) 手づくり郷土賞(ふるさとに恵みを与える川)受賞。
1996年(平成8年)日本の音風景100選に選定される。- 環境庁選定
2000年(平成12年) 『満濃池樋門』が国の登録有形文化財(建造物)に登録される[14]。
2005年 ダム湖百選に選定される - 財団法人ダム水源地環境整備センター選定
2010年 ため池百選に選定される[15] - 農林水産省選定
2016年(平成28年)11月5-6日 まんのう町合併10周年を記念し、釣り大会が開催された[16][17]。
2016年(平成28年)11月8日 国際かんがい排水委員会(ICID)は、タイ王国チェンマイで開催された第67回ICID国際執行理事会において、かんがい施設遺産として登録することを決定した[18]
2019年(令和元年)10月16日 国の名勝に指定[19][20]。
データ堤体下(ほたる見公園)満濃池の空中写真。2009年5月9日撮影。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成満濃池パノラマ写真
現在のデータ
形式:土堰堤 拱型[21](アーチ型)[22]
堤高:32.0m[23]
堤長:155.8m[23]
周囲:19.7km
貯水量:15,400,000m3[23]
満水面積:138.5ha[23]
池敷面積:142.1ha
灌漑面積:3,239ha
水源:金倉川、土器川(天川導水路)
備考:樋門は登録有形文化財
弘仁12年復旧時のデータ
堤高:22m[24]
周囲:2里25町(約10.58km)
面積:81町歩(約81ha)
貯水量:5,000,000m3以上[24]
水源:金倉川
寛永8年復旧時のデータ
堤高:12間半
堤長:45間[25]
周囲:4501間[25]
水掛り高:35,814石(那珂郡,鵜足郡,多度郡)[25]