湯浅芳子賞(ゆあさよしこしょう)は、かつて存在した文学賞。翻訳劇を対象とした、日本では珍しい賞だった。 チェーホフ四大戯曲の名訳で知られるロシア文学者湯浅芳子の功績を記念して設けられた賞で、外国戯曲の上演と翻訳・脚色で優れた成果を上げた団体や個人に贈られる。公益信託湯浅芳子記念翻訳劇助成基金主催。湯浅の遺産をもとに、受賞者に毎年300万円程度を助成する。賞金は2004年第11回までは各100万円だったが、2005年第12回からは各50万円に減額した。最終的に基金残高減のため、2008年第15回で幕を閉じたが、翌2009年から小田島雄志・翻訳戯曲賞に引き継がれた。 回(年)部門受賞者(作品)授賞式
概要
受賞一覧
第1回(1994年)戯曲上演TPT(シアタープロジェクト東京)(「テレーズ・ラカン
翻訳・脚色吉田美枝(本名・垣ヶ原美枝)(「テレーズ・ラカン」「背信」「スラブ・ボーイズ」の翻訳)
三田地里穂(「小さな勝利」「ヴァニティーズ」の翻訳)
第2回(1995年)戯曲上演加藤健一事務所(「パパ、アイ・ラブ・ユー!」「イッツ・ショー・タイム!」「審判」「ブラック・コメディ」)不明
翻訳・脚色松岡和子(「間違いの喜劇」「ロミオとジュリエット」「夏の夜の夢」「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の翻訳)
八木柊一郎(俳優座公演「カラマーゾフの兄弟」の脚色)
話劇人社中国現代戯曲集編集委員会(『中国現代戯曲集・第一集』の編集・翻訳)
第3回(1996年)戯曲上演ひょうご舞台芸術(栗山民也演出「GHETTO/ゲットー」)不明
翻訳・脚色小田島恒志(「What a Sexy Dinner!」「GHETTO/ゲットー」「FUNNY MONEY」の翻訳)
ラヴ・レターズ (戯曲)>青井陽治(「ジェフリー」「ジェミニ」「ソフィストリー(詭弁)」「ラブ・レターズ」「セイムタイム・ネクストイヤー」の翻訳)
特別賞劇団仲間(「森は生きている」(1953年湯浅初訳)の1600回上演達成)
第4回(1997年)戯曲上演シェイクスピア・シアター(「アテネのタイモン」「間違いの喜劇」「マクベス」)3月17日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色丹野郁弓(「幸せの背くらべ」「エニシング・ゴーズ」の翻訳)
勝田安彦(「I DO! I DO!――結婚物語」「ラヴ」「フル・サークル」の翻訳)
第5回(1998年)戯曲上演シアターX(「王女イヴォナ」ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ作、関口時正訳、ヤン・ペシェク演出)3月16日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色毛利三彌(イプセンの現代劇11本を個人全訳した『イプセン戯曲選集』)
小沢僥謳(劇団プロジェクトOIE公演「ヴェロニカの部屋」「リサの瞳の中に」の翻訳)
第6回(1999年)戯曲上演佐藤正隆事務所(「死と乙女」アリエル・ドーフマン作、芦沢みどり訳、高瀬久男演出)3月19日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色高田和文(「ミランドリーナ・宿の女主人」「天使たちがくれた夢は……?」の翻訳)
松本修(「プラトーノフ」の脚色)
第7回(2000年)戯曲上演グローブ座カンパニー(「子供のためのシェイクスピア」シリーズ)3月17日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色岩淵達治(「ブレヒト戯曲全集」全8巻の個人全訳)
菱沼彬晁(沈虹光作「長江 乗合い船」「幸せの日々」、過士行作「棋人」の翻訳)
第8回(2001年)上演劇団昴(「肉体の清算」「罪と罰」「怒りの葡萄」)3月22日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色鴇澤麻由子(「青春・最終章 僕たちの決算」「ザ・ウィアー(堰)」の翻訳)
常田景子(「パウダー・ケグ」「パーフェクト・デイズ」「ツー・ポイント・ファイブ・ミニット・ライド」の翻訳)
第9回(2002年)上演文学座アトリエの会(「ペンテコスト」)3月20日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色吉原豊司(「ハイ・ライフ」「サラ」などの翻訳)
堀江新二(「結婚」の翻訳と、モスクワ・エトセトラ劇場来日公演「人物たち」の翻訳、文芸協力)
第10回(2003年)上演地人会(「丘の上のイエッペ」「歌え、悲しみの深き淵より」)3月20日 於ロイヤルパークホテル
翻訳・脚色小宮山智津子(「ピッチフォーク・ディズニー」「ささやく声」「宇宙でいちばん速い時計」「ヒカリ・カガヤク」の翻訳)
佐和田敬司(「オナー」「ストールン」「嘆きの七段階」の翻訳)
第11回(2004年)上演東京演劇集団風(「肝っ玉おっ母とその子供たち」「冬」「出口なし」など)3月30日 於東京・表参道のアイビーホール青学会館
翻訳・脚色山形治江(シアターコクーン公演「エレクトラ」の翻訳)
第12回(2005年)上演演劇集団 円(「Life×3」「ビューティ・クイーン・オブ・リーナン」)3月23日 於アイビーホール青学会館