温室効果ガス
[Wikipedia|▼Menu]
温室効果ガスの比率(2011)[1]と放出源及び吸収源(2000年代)[2]

温室効果ガス(おんしつこうかガス、: greenhouse gas、GHG)とは、大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体のことである[3]水蒸気二酸化炭素メタン一酸化二窒素フロンなどが温室効果ガスに該当する[3][4][5]。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされている。
概要

京都議定書における排出量削減対象となっていて、環境省において年間排出量などが把握されている物質としては、二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O、=一酸化二窒素)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) の6種類がある。

IPCC第4次評価報告書では、人為的に排出されている温室効果ガスの中では、二酸化炭素の影響量が最も大きいと見積もられている(地球温暖化の原因を参照)。二酸化炭素は、石炭石油の消費、セメントの生産などにより大量に大気中に放出されているといわれる[6]。これに対する懐疑論も一部見られるが、多くは科学的論拠によって反論されている。また気候変動が世界各地で顕在化していることなどから、温暖化の主要因として相関性の高さが問われ、さらに悪化傾向が懸念されている。2015年、環境省などが温室効果ガス観測技術衛星いぶき」の観測データから、2016年中にも推定経年平均濃度が温暖化の危険水準である400ppmを超えてしまうと報告した[7]

水蒸気も温室効果を有し、温室効果への寄与度も最も多い[8]。蒸発と降雨を通じて、熱を宇宙空間へ向かって輸送する働きも同時に有する。人為的な水蒸気発生量だけでは、有為な気候変動は発生しないが、全体的には上記のような物質が気候変動の引き金となり、水蒸気はその温暖化効果を増幅するとされる(地球温暖化の原因#影響要因としくみを参照)。この水蒸気の働きの一部だけを捉えて温暖化に対する懐疑論を主張する者も一部いる(地球温暖化に対する懐疑論#水蒸気を参照)。
地球温暖化係数詳細は「en:Global warming potential」を参照

地球温暖化係数(ちきゅうおんだんかけいすう、: global warming potential[注釈 1]、GWP)とは二酸化炭素を基準に、各種気体が大気中に放出された際の濃度あたりの温室効果の100年間の強さを比較して表したものである[9]。2016年10月15日、キガリで採択された、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(モントリオール議定書2016年改正)で、「百年地球温暖化係数」として再定義された[10]

地球温暖化対策の推進に関する法律施行令による地球温暖化係数[9]気体名地球温暖化係数(参考)施行令改正[11]前の値
二酸化炭素11
メタン2521
一酸化二窒素(亜酸化窒素)298310
トリフルオロメタン(HFC-23)14,80011,700
ジフルオロメタン(HFC-32)675650
フルオロメタン(HFC-41)92150
1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)3,5002,800


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:33 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef