渡島小島(おしまこじま)は、北海道松前郡松前町に属する無人島。松前小島(まつまえこじま)とも呼ばれる。松前町の沖約24km付近に位置している[1]。面積は1.54km2。周囲約4km[1]。小島の名は渡島大島に対してのもの。島の南端は北緯41度20分58秒であり、離島も含めた広義の北海道最南端である。住所は全域に亘って松前郡松前町小島。 島の頂上には旧火口だったとみられる窪みがあり、島のほとんどが安山岩で形成されている[1]。島の周囲は海食崖になっている[2]。 ケイマフリやウミウ、ウミネコ等の海鳥の繁殖地であり、カエデ科のイタヤカエデ類が優占する林や冷温帯性の草原が発達している[2]。このことから、「松前小島」の名称で天然記念物(天然保護区域)に指定されている[1]。 近海で操業する漁船が多いため、漁船の避難所・休憩所として小島漁港が設置されている(第4種漁港)。2017年現在、管理委託された人員が年間50日間ほど滞在するために、松前さくら漁業協同組合が所有する管理小屋と発電機小屋、倉庫とトイレの4つの建造物がおかれている[3]。その他に、無人管理される第1管区海上保安本部の松前小島灯台がある[3]。 古くから知られた島で夏季には島に渡って漁をする人も多くいた[1]。江戸時代の記録では1673年(延宝元年)に松前藩主所有の船が島の沖で遭難したという[1]。 文化年間の『村鑑下組帳』によると松前町の商人が「大嶋場所」や「小嶋場所」を開設し、魚油、フキ、トド肉などを生産していた[1]。また、幕末の『再航蝦夷日誌』では1846年(文化3年)には、島に船澗が1か所と番屋があり、夏季にはトド漁が行われていたほか、海藻、ナマコ、アワビなどの漁が行われていたと記されている[1]。 昭和20年代から40年代までは石川県輪島市から海女が訪れて、昆布、アワビ、ウニなどの漁を行っていた[1]。 2017年11月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮人民軍第854部隊に所属する木造の漁船が当時無人だった渡島小島に侵入。10人の搭乗員が10日間ほどの間に島内の施錠してあった海上保安庁の灯台施設や漁協の管理小屋、発電施設に入り、テレビ、バイク、冷蔵庫など金目の家電製品と1か月分の食糧の全て、燃料を入れていたタンクや衣類等などの多数を窃取し、ボイラーや太陽発電装置などを破壊した[4][3][5]。被害額は1000万円に達する[6]。 11月28日、パトロール中の警察のヘリコプターが渡島小島の湾内に不審船が停泊しているのを発見。11月29日、現場に向かった海上保安庁の巡視船が、北海道南部の松前町の沖で木造船を発見。
地理
自然「松前矢越道立自然公園」も参照
設備
歴史
島と漁場
北朝鮮籍漁船による掠奪と破壊行為
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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