渋谷スクランブル交差点
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この項目では、渋谷駅前のスクランブル交差点について説明しています。同駅前に所在する超高層ビルについては「渋谷スクランブルスクエア」をご覧ください。
地図西側、渋谷109(左)とQFRONT(2018年)渋谷スクランブルスクエアSHIBUYA SKYより(2019年)南東側(2018年)北東側(2022年)

渋谷スクランブル交差点(しぶやスクランブルこうさてん、: Shibuya Crossing)は、東京都渋谷区東日本旅客鉄道(JR東日本)渋谷駅の北西側にあるスクランブル交差点。正式名称は渋谷駅前交差点で[1]、「渋谷駅前のスクランブル交差点」などの表記もある[2]

東京都内屈指の繁華街であり流行の発信地でもある渋谷で最も人が多く行き交う場所で[1][3][4]、日本の都市風景を象徴する存在として「世界で最も有名な交差点」ともいわれている[5][1][6]。また、1回の歩行青信号で1000人以上が行き交うため「世界で最も混雑している交差点」ともいわれる[7]。日本における流行の発信地であるとともに、外国人観光客に人気のスポットでもある。
立地

宮益坂から道玄坂に至る東西の通りと、渋谷駅西口駅前から渋谷公園通りに至る南北の通りが交わる位置にあり、さらに北西方向に渋谷センター街が伸びた五叉路となっており、計10本の車線が交差し、5本の横断歩道が引かれている[8]。周囲を含め渋谷区に所在しており、北西側が宇田川町、北東側が神南一丁目、南側が道玄坂二丁目となる。歩行者にとってここは、渋谷駅ハチ公改札を出てすぐのハチ公前広場と、道玄坂、センター街、公園通りなど各方面の繁華スポットを連絡する交通の要所であり[4]、渋谷で最も混み合う地点になっている[3][4]。唯一斜め方向の横断歩道がある南東角(ハチ公前広場)から北西角(QFRONT前)までの距離は約36メートルあり[9]、世界有数の巨大交差点である[10]1973年にスクランブル化された[11]

交差点南東の広場には忠犬ハチ公像があり、ハチ公前広場は渋谷のシンボルであるとともに、広場とJR渋谷駅ハチ公改札前は待ち合わせ場所の定番ともなっている[12]。また2006年に通称「青ガエル」と呼ばれる、東急電鉄旧5000系鉄道車両が設置され、外国人観光客の急増に対応するため2013年から外国人向け観光案内所が設けられていた。なお、この車両は2020年8月3日に、ハチ公の生誕地である秋田県大館市へと移設された[13][14][15][16]

交差点から南へ向かうと、渋谷駅西口と駅前バスターミナルがあり、そこに面して、これも待ち合わせ場所とされる事の多いモヤイ像が置かれている[16]

交差点の南西角は、複合ビルの渋谷駅前ビルが建ち、2018年時点でコスメブランドのロクシタン直営店やファミリーレストランガストなどが入居している[17]

交差点から西へ向かうとすぐに渋谷109を正面に見る三差路(道玄坂下交差点)となり、左が道玄坂、右が文化村通りとなる。

交差点の北西角は、ハチ公前広場から最も目につきやすい位置にある[18]。その絶好の立地[19]に建つ地上8階建ての商業施設QFRONTは、正面全体のガラス壁面に「Q'S EYE」と呼ばれる大型デジタルサイネージを埋め込み、両側面の壁は「Q'S wall」と呼ばれる大型広告ボードになっている[20]。建物内には、書店・ソフトレンタル店の TSUTAYAやコーヒーショップのスターバックスなどが入居している[21]。QFRONTの左脇がセンター街入口、さらにその向かいに大盛堂書店がある。

交差点から北へ向かうと、渋谷西武公園通りファイヤー通り方面へと出る。

交差点の北東角にある薬・化粧品のディスカウントストア三千里薬品は1962年からここに店を構える老舗である[22]。左隣で甘栗を販売する天津甘栗も同年の開業であり、かつては三千里薬品で一定額以上の買い物をするとその甘栗の引換券を貰えた[23]。三千里薬品の上の商業施設 MAGNET by SHIBUYA109 は、この交差点をほぼ真上から間近に見下ろせる絶好の撮影スポットとされる[8]

交差点から東へ向かうと、JR線のガードをくぐり宮益坂へと向かう。

交差点の真下には渋谷地下街(しぶちか)が広がり[24]、その真下の地下駅(渋谷駅)で東急田園都市線東京メトロ半蔵門線が東西に接続している[25]
交通量

この交差点は「世界一混み合う交差点」と呼ばれることもあり[9][8]、深夜・早朝を問わず人通りが絶えることはほとんど無い[4]。逆に自動車交通渋滞ラッシュ時であろうと滅多に起きない[8]

交差点を渡る歩行者の具体的な数は、2016年の渋谷センター街のウェブサイトによると1回の青信号(2分間隔[16])で多いときに3,000人[9]、2014年の渋谷再開発協会の流動計測調査を基に算定すると平日26万人・休日39万人[9]、あるいは多い時で1日50万人[1]、2012年の SOTO 屋外メディア総合調査によると1週間に150万人[18]、など諸説ある。
屋外広告北西側の夜景(2016年)渋谷スクランブル交差点にある屋外用デジタルサイネージ4面。左から「DHCチャンネル」「Q'S EYE」「グリコビジョン」「109フォーラムビジョン」。

この交差点は膨大な通行人数もさることながら、ニュース番組[26]天気予報で頻繁にテレビ中継されることもあり[9]、設置する広告の露出効果は極めて高く[9]、日本における屋外広告の代表的スポットになっている[27][28]。交差点の周囲には屋外広告が林立し、映像を流し続ける何枚もの大型屋外ビジョン(デジタルサイネージ)からは音楽や宣伝コピーが鳴り響き[29]、映画監督のソフィア・コッポラはその光景を「まるで『ブレードランナー』のようだ」と表現した[16]

2019年時点で6面の大型屋外ビジョンが[17]交差点を取り囲むように配置され[1]、信号待ちをする通行人へ向けて日夜コマーシャル映像ミュージックビデオを流し続けている[19]。ハチ公前広場から見て左から、大外ビル屋上の「シブハチヒットビジョン」、渋谷駅前ビル屋上の「渋谷駅前ビジョン」、大盛堂書店の「DHC Channel」、QFRONTのガラス壁面内に埋め込まれた「Q'S EYE」、三千里薬品の「グリコビジョン」、MAGNET by SHIBUYA109 壁面の「109フォーラムビジョン」がある[17]

例えば「シブハチヒットビジョン」は、1日あたり4.25時間の露出を1週間分として、出稿料は約300万円となっている(2014年時点)[30]。また東急東横店の北側壁面の巨大広告は2週間の買い切りで1400万円(2016年時点)と破格の高さだが、広告代理店の東急エージェンシーによると「ずっと空きがない」という[9]
誘引力と迷惑問題・法的規制
訪日観光客交差点の早送り動画(2019年)

この交差点は、東京名所の一つ“Shibuya Crossing”として海外の多くの観光ガイドで紹介され[31][10]、訪日観光客にとって有名観光スポットになっている[32]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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