中国の県については「清流県」を、月刊雑誌『清流』については「清流出版」をご覧ください。
四万十川は日本三大清流の一つ。
清流(せいりゅう)とは、清らかな水の流れ[1]を意味する日本語である。英語では対訳語と言えるような単語こそ無いが、"clear river" および "clear stream[2]" が言葉の概念として近い[注 1]。
※比喩的表現については「転義」節を参照のこと。 清流の定義は曖昧で漠然としたものとの指摘がある[3]。 国土交通省が公表している全国一級河川の水質現況では、毎年上位のランキングが公表されており[4]、これで第1位となった河川(複数の河川が同順位であることが多い)を「清流日本一」等と表現する場合がある[5][6]。環境省が公表している公共用水域の水質測定結果でも、同様に上位の河川が公表されており[7]、これで1位となった河川(こちらも複数の河川が同順位であることが多いが、国土交通省の結果とは異なる場合がある)を「清流日本一」等と表現する場合がある[8]。環境省が1985年(昭和60年)に選定した「名水百選」や2008年(平成20年)に選定した「平成の名水百選」に選ばれたことをもって「清流」と表現する場合もある。 1983年(昭和58年)9月12日にNHKがドキュメンタリー番組『NHK特集 土佐・四万十川?清流と魚と人と?』[9][10]で四万十川を「日本最後の清流」と紹介し、四万十川が日本を代表する清流という認識が広まった。もっとも、国土交通省の「全国一級河川の水質現況」が示すとおり、四万十川は水質が特段に良いわけではなく、例えば2009年度(平成21年度)においては全国の一級河川中の第122位[4]でしかない。それにもかかわらず四万十川が清流として多くの人を惹きつけるのは、生態系が豊かであることや、河道や川岸が比較的自然に近い状態で残され、里山の原風景が残っていること、川と関わる伝統的な生活文化が残っているなど、複数の魅力があるためである[11]。四万十川が清流を保ってきた理由の一つとして、先のテレビ番組では、本流に大規模なダムが建設されていないことも挙げている。他の河川でも「ダムの無い清流」などと表現されている例があり[12]、「規模の大きいダムの無いことが清流を保つための重要条件である」という考え方のあることが分かる。 現代日本では、四万十川(高知県)[18]・長良川(岐阜県)[18]・柿田川(静岡県)[18]の3河川を、名数3で束ねて「日本三大清流」と呼んでいる。遅くとも昭和時代の終盤には盛んに謳われ始めていた名数評価である。ただし、いつ誰が評価して広まったのかについて確かな資料を見出すことは難しい。 古来、漢字文化圏では、良い家柄やその出身者を清らかな水の流れに譬えて「清流」という[1]。 また、古来、漢字文化圏では、清廉潔白な人を清らかな水の流れに譬えて「清流」という[1]。 そしてまた、科挙が行われていた時代の中国では、学術の科目に合格した進士を、清らかな水の流れに譬えて「清流」と呼んだ[19]。 あるいはまた、後漢代から唐代にかけての中国では、反宦官派の士大夫が自称し、他称されもした[20]。腐りきった宦官派は「濁流」で、反宦官派の立場をとる清節な官僚である自分達は「清流」であるとの主張による[20]。詳しくは「党錮」「清談」を参照のこと。
定義
清らかな水の流れ
日本の清流
世界の清流
日本三大清流
転義
脚注[脚注の使い方]
注釈^ "river
出典^ a b c 小学館『デジタル大辞泉』、三省堂『大辞林』第3版、小学館『精選版 日本国語大辞典』. “清流
^ “清流