混合診療
[Wikipedia|▼Menu]

混合診療(こんごうしんりょう、Mixed billing[1])とは、国際的に明確な定義はない[2]が、厚生労働省は日本国内での「一連の医療行為について、保険診療と保険外診療の併用を認めること」としている[3]日本医師会によれば『保険診療と保険診療外の診療行為自体の混在ではなく、日本の国民皆保険体制の公的医療保険制度の主幹システムである「医療の現物給付」の中での「費用の混在」(一部負担金を含む保険給付と保険外の患者負担との混合)を指す』とされる[4]

なお、がんなど、命を脅かされ他の治療手法では見込みがない疾患に対し、患者本人の要望と自己責任において未承認薬を使用する場合は、コンパッショネート使用制度(Compassionate Use、人道的救済使用、緊急避難的限定使用、CU制度)といった例外措置制度があり、これは欧州連合圏では普及している[5][6][7]。「ドラッグ・ラグ」も参照OECD各国の一人あたり保健支出(米ドル、PPP調整)。青は公費、赤は私費
各国の制度

イギリス、カナダ、日本では疾病に対する一連の医療行為において混合診療を禁止する療養担当規則があるが、それ以外の国では法律規定はない[8]。ただし、日本の混合診療解禁論で懸念されている危険医療実施や医師の儲け主義については、コンパッショネート使用制度、医薬分業、データ共有・公開、医師間相互チェック・第三者チェックなど医療・医薬品制度や規制によって実質的に抑制されている[8]

カナダの医療では、公的保険保険のカバー範囲は州政府の指定する「必須医療」に限られ「非必須医療」部分については保険対象とならず、後者を混合提供には規制はない[9]。カナダ全10州のうち8州において、保険医は「必須医療」部分については公示価格以上を患者に請求を行うことはできないが、「非必須医療」部分の提供においては規制なし[9]

イギリスの医療では混合診療の禁止規定(同一疾患に対して公私併用受給禁止)があるが、NHS医療では治癒困難でありかつNHS医療提供区画とは別の区画にて診療する場合に限り混合治療を認めている[10][11]。またCU制度が制定されている[6]

フランスの医療ではポジティブリスト方式が取られており、保険対象外であるが行ってよい医療範囲が明確に示されている[12]。加えてCU制度(Temporary Authorization for Use)があり、フランス医薬品庁の許可を受ければ未承認薬が使用可能[12][6]

オーストラリアの医療は社会保険ではなく税方式となっているが、オプショナルなサービス提供(混合診療)を認めている[13]。またCU制度が存在する[6]

スイスの医療は強制保険ではあるが、医師は強制保険でカバーされない医療も実施することができる[14]。その際患者には告知義務があり、患者は疑わしければ保険者に審査を求めることができる[14]。またCU制度が存在しスイス医薬品庁に申請する。許可申請数は年間2000件ほど[6]

デンマークの医療にはCU制度が存在し、医薬品庁は毎年約9,000件のCU申請を受けている[6]

スペインの医療にはCU制度が存在する[6]

韓国の医療ではNPO法人Korea Orphan Drug Centerの医院においてCU医療が行われている[6]

日本の制度.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:61 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef