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混信(こんしん)とは、無線による放送や無線通信において、同一周波数あるいは隣接周波数の他局の電波が混じり正常な受信(視聴や聴取)が困難になることを指す。
日本では、総務省令電波法施行規則第2条第1項第64号に「混信」を「他の無線局の正常な業務の運行を妨害する電波の発射、輻射又は誘導」と定義している。
そして地上基幹放送および移動受信用地上基幹放送については、一定以上の電界強度を保証するため、総務省令基幹放送局の開設の根本的基準に基幹放送局ごとに放送区域を設定するものとしている。 放送区域内では他局と混信することなく、安定して聴取できることになっている。しかし同一周波数や隣接する周波数に他局が強力な電波を発している場合、ラジオ局のお膝元でも混信を起こすことがある。 北朝鮮の海州市から発信されていた統一革命党の声放送→朝鮮中央放送[注釈 1]と日本国内の民放の混信がよく知られる。当初1135kHzで放送していたこの放送は70年代に段階的に1000kWまで増力し、これに伴い隣接周波数で放送していた文化放送(1130kHz)や近畿放送(1140kHz)と激しい混信を引き起こした。1978年に1053kHzに周波数変更を行うと、今度は同一周波数で放送していたCBCラジオ(当時は中部日本放送)と混信するようになり、一時期愛知県尾張北部(一宮市や犬山市など)や岐阜市とその周辺の受信状況を改善するために、各務原市に639kHzで放送する中継局を新設したほどである。またソ連から1251kHzで放送されていたモスクワ放送は、その1000kWという出力から同一周波数の極東放送や隣接する1242kHzで放送していたニッポン放送と混信し、極東放送に至っては中波での放送を断念し極短波放送のエフエム沖縄に転換したほどである。 敢えて放送区域外のラジオ放送、特に小出力局を聴取しようとする場合は混信との闘いになる。例えば夜間の東京では、中波1098kHzを信越放送とラジオ福島郡山局が使っていて、番組表を見比べたり、地元ニュースやローカルCMの違いで識別するしかない。さらに距離的にもあまり離れていない和歌山放送と岐阜放送は共に県域放送であるが、親局同士が同一周波数1431kHzで放送(中継局では山陰放送が複数[注釈 2]、ラジオ福島・長崎放送が1局[注釈 3]ずつ使用)している事例もあり、これらの地元では他県局の聞き取りは不可能であり、遠方での受信も区別は困難である(指向性のあるアンテナを使っても、日本列島のほぼ中程にあるこの2局は方位的に切り分けできない場合が多い。)。 なお、ユーラシア大陸に近い山陰地方(鳥取県・島根県・山口県)や九州北西部(福岡県・佐賀県北部・長崎県・熊本県・鹿児島県)、台湾に近い沖縄県、瀬戸内海沿岸部では混信は発生しやすく、特に夜間、地元のラジオ放送でも聴きづらくなることが多い。 対策として周波数の変更や中継局の設置の他には、FM中継(サイマル放送)がある。
ラジオ放送の混信
日本での状況
中波放送