深夜叢書
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この項目では、フランスの出版社について説明しています。日本の深夜叢書社については「日本の出版社一覧」を、同社の創設者については「齋藤愼爾」をご覧ください。

深夜叢書
正式名称深夜叢書
Les Editions de Minuit
種類株式会社
設立日1941年1955年に法人登記)
代表者イレーヌ・ランドン (Irene Lindon)
本社所在地 フランスパリ6区
7 rue Bernard Palissy, 75006 Paris
資本金334,000 ?
売上高3,040,300 ? (2018年)[1]
従業員数6?9人
主要出版物『海の沈黙』などの地下出版物(第二次世界大戦中)、ヌーヴォー・ロマン
定期刊行物『クリティック(フランス語版)』
『フィロゾフィー』
得意ジャンル文学哲学
関係する人物ヴェルコール
サミュエル・ベケット
アラン・ロブ=グリエ
ジョルジュ・バタイユ
外部リンク ⇒http://www.leseditionsdeminuit.fr/
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深夜叢書(しんやそうしょ、Les Editions de Minuit、またはミニュイ社[2])は、ナチス・ドイツ占領下のフランス1941年、当時挿絵画家であったジャン・ブリュレル(ヴェルコール)と作家のピエール・ド・レスキュール(フランス語版)が創設した地下出版社。第1巻のヴェルコール著『海の沈黙』のほか、ルイ・アラゴンの『グレバン蝋人形館』、フランソワ・モーリアックの『黒い手帖』、エルザ・トリオレの『アヴィニヨンの恋人』、ポール・エリュアールらが22人のレジスタンス詩人の作品を編纂した『詩人たちの名誉(フランス語版)』、レジスタンス文学のアンソロジー『祖国は日夜つくられる(フランス語版)』などを刊行した。戦後は、サミュエル・ベケットの三部作以降のすべての作品、およびアラン・ロブ=グリエをはじめとするヌーヴォー・ロマンの一連の作品の刊行によって知られることになった。また、1950年からジョルジュ・バタイユが創刊した『クリティック(フランス語版)』誌を刊行するほか、ジル・ドゥルーズらのフランス現代哲学モニック・ウィティッグらの新しい傾向の作家を多数紹介している。
設立までの経緯

第二次世界大戦中のヴィシー政権下ではナチス・ドイツによって反独的な書物やユダヤ人による出版は禁止され、厳しい検閲が行われていた。また、あらゆる物資が不足し、インクなども配給制であった。ドイツ軍は配給を制限することで、さらに言論思想の自由を抑圧したのである[3][4][5]。さらに、1940年9月28日には出版社労働組合と占領当局との間で検閲協定が締結された[6]。この結果、ナチスの呼びかけに応じて対独協力路線を歩む作家もあり、たとえば、1909年2月にアンドレ・ジッド、ジャン・シュランベルジェ(フランス語版)、ジャック・コポーら6人の作家によって創刊された『新フランス評論』は、党派性を排除し、外国文学を積極的に紹介したことで戦間期には国際的な影響力をもつ文学雑誌として知られていたが、ナチスによる言論統制を受けながらも刊行を続けるために、1940年から43年までファシズム政党であるフランス人民党ピエール・ドリュ=ラ=ロシェルが編集長を務め、主に対独協力作家の作品が掲載された(このため、戦後1953年まで休刊)[7][8]。だが、対独協力・反ユダヤ主義に転向した、最も責任の重い新聞は、『オ・ピロリ(フランス語版)(さらし台)』紙、『ジュ・スイ・パルトゥー(フランス語版) (監視)』紙、『ラ・ジェルブ(フランス語版)(花束)』誌であった[9]。当時挿絵画家であったヴェルコールは、占領下において作家やジャーナリストが直面したジレンマを、「表立って公然と物が言えなかったため、公的な表現の企てはナチスへの奉仕に直結した。すべて彼らの都合のよいように解釈され、それに異議を唱えることはできなかったのだ。したがって、私たちに残された唯一の義務、唯一の信条は、ただ沈黙を守ることであった」と表現する。すなわち、ナチスの検閲を経て出版された作品は、この事実によって必然的に対独協力の性格を帯びてしまう以上、良心的な作家は「沈黙」を余儀なくされたのである[10]1943年に地下出版された『詩人たちの名誉』の表紙


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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