深夜の告白
Double Indemnity
ポスター(1944)
監督ビリー・ワイルダー
脚本レイモンド・チャンドラー
ビリー・ワイルダー
原作ジェームズ・M・ケイン
『倍額保険(殺人保険)
『深夜の告白』(しんやのこくはく、原題: Double Indemnity)は、1944年のアメリカ合衆国の犯罪映画。監督はビリー・ワイルダー、出演はバーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレイ、エドワード・G・ロビンソンなど。パラマウント社作品。モノクロ。日本では1953年に公開された。
フィルム・ノワールの古典として現在でも高く評価される。不倫による生命保険金殺人を取り上げた倒叙型サスペンスの先駆であり、その後の多くの映画・テレビドラマに影響を与えた。[要出典]
原作であるジェームズ・M・ケインの小説『倍額保険(英語版)』(1936年)は、保険会社勤務の経験を持つケインが、1927年に実際に起きた保険金殺人事件「ルース・スナイダー事件(英語版)」[注 1]に触発されて執筆したものといわれる。[要出典]「倍額保険」の題名は、自動車など他の交通機関に比べて乗車中の危険率が低い鉄道での死亡事故が起きた場合、通常の生命保険契約の倍の保険金が支払われる、という作中での設定による。目次
1 ストーリー
2 キャスト
3 主な受賞歴
3.1 アカデミー賞
4 作品の成立事情
5 出演俳優たち
6 評価
7 シナリオの書籍化
8 カメオ出演
9 脚注
9.1 注釈
9.2 出典
10 外部リンク
ストーリー スタンウィック(左)とマクマレイ。映画中盤、ネフのアパートメント玄関でのシークエンス
1938年7月16日の深夜、車を蛇行させつつ保険会社のビルに乗り付けた男は、よろめきながら無人のオフィスにたどり着き、ディクタフォン(事務用録音機)をセットして、自らの罪の告白を始める。
同じ年の5月末、ロサンゼルスの保険会社の敏腕外交員であるウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)は、顧客の実業家ディートリクスンの自宅で、美貌の後妻フィリス(バーバラ・スタンウィック)に出逢う。フィリスに誘惑されたネフは彼女と不倫の関係に陥り、結果、倍額保険金目的のディートリクスン殺しに荷担してしまう。
ディートリクスンを欺いての倍額保険契約締結、不慮の事故で怪我を負ったディートリクスンを、敢えて列車で同窓会の会合に出席させるよう巧みに仕組んだフィリスの工作、駅頭や列車内で「ディートリクスン氏」の目撃者を作るためのネフの変装など、殺人は周到な偽装のもとに仕組まれ、実行される。
結果、ディートリクスンの死は単なる列車転落事故として処理され、保険金殺人は完全に成功したと思われたが、保険会社でのネフの同僚である敏腕調査員バートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)は、長年の経験による勘から疑問を抱き、死亡保険金支払いを差し止めさせて、フィリスの身辺調査に乗り出す。
保険金も得られないまま、手詰まりの膠着状態に追い詰められたネフとフィリスは、運命共同体という立場にありながら、相互不信に陥る。
それにつれてフィリスの恐るべき正体が徐々に明らかとなり、さらにフィリスが亡夫の娘ローラの元恋人ニノとも関係していることを知ったネフは、フィリスと手を切ることを決意する。しかし、別れ話の末にフィリスは隠し持っていた銃でネフを撃つ。肩を撃たれたネフは、2発目を撃つことができずにいたフィリスから銃を取り上げると、抱きついてきたフィリスを撃ち殺す。
全てを告白したネフの前にキーズが現れる。ネフは逃亡しようとするが、出血多量で力尽きて倒れ込むと、救急車を呼んできたキーズにつけてもらった火でタバコを吸う。 ※括弧内は日本語吹替 脚本家出身のビリー・ワイルダーによる監督第3作で、彼と作家レイモンド・チャンドラーとの共同脚本である。 ワイルダーは、1943年に北アフリカでの戦車戦を題材にしたサスペンス映画『熱砂の秘密』(フランチョット・トーン、アン・バクスター、エリッヒ・フォン・シュトロハイムらが出演)を製作してヒットさせ、次の作品の想を練っていた。
キャスト
ウォルター・ネフ: フレッド・マクマレイ - 保険外交員。
フィリス・ディートリクスン: バーバラ・スタンウィック(沢田敏子) - 実業家の後妻。元看護師。
バートン・キーズ: エドワード・G・ロビンソン(渡部猛) - 保険調査員。
ディートリクスン氏: トム・パワーズ
ローラ・ディートリクスン: ジーン・ヘザー(英語版) - ディートリクスンと既に死亡した先妻との間の娘。フィリスの継子に当たる立場だが、フィリスを憎む。
ニノ・ザケッティ: バイロン・バー(英語版) - ローラの恋人。
ジャクソン: ポーター・ホール(英語版) - ディートリクスンが死亡した事件の証人。
主な受賞歴メディアを再生する 予告編
アカデミー賞
ノミネート
アカデミー作品賞アカデミー監督賞:ビリー・ワイルダーアカデミー主演女優賞:バーバラ・スタンウィックアカデミー脚本賞:レイモンド・チャンドラー、ビリー・ワイルダーアカデミー撮影賞 (白黒部門):ジョン・サイツ(英語版)アカデミー録音賞:ローレン・ライダーアカデミー作曲賞:ミクロス・ローザ
作品の成立事情