消防車
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、消防に使う実際の車両について説明しています。

日本における消防車については「日本の消防車」をご覧ください。

韓国の男性アイドルグループについては「ソバンチャ」をご覧ください。

ニューヨーク市の消防車ロンドン消防隊の車両

消防車(しょうぼうしゃ、: fire engine)とは、火災災害などが発生した際に火災鎮圧や延焼防止のための装備を備えた車両である。
概説

消防車は
火災や他の災害に迅速に対応するために緊急車両に分類されており、サイレンを鳴らし警光灯を点灯させれば道路を特例的な方法で走行することが各国で認められている。


消防車に赤色を採用している地域は日本、イギリス、フランス、スイス、オーストリアなど多いが、ドイツは赤または紫色を採用し、アメリカでは各消防局ごとに色が異なり、地域によっては白色などの場合もある。


ポンプ車は水を扱うので、日本の寒冷地、北欧ロシアアラスカなどではバルブを覆うシャッターの設置など凍結防止策が施されている。


消防車を運用しているのは消防だけではなく、軍隊空港等のほか、企業や工場も保有し、社内の自衛消防組織 (自衛消防隊)[1]が運用しており、珍しい事例として 一般の個人も自家用車として[2][3][4]保有している。
 民間企業が保有する消防車(高所放水車)
狭義、広義


英語のfire engineはあくまで消火を行うための車両だけを指し、救急車は全く含まない。


日本で一般的に「消防車」と呼ばれるのは主に火災を鎮圧したり延焼を防止するような車両を限定して指して使われる。そのため、「消防車」と呼ばれるのは主にポンプ車やはしご車を指し、救急車は含まない。一般の用語の「消防車」は救急車とはかなり明確に区別されている。

日本の消防行政側や消防署側が使う行政用語の「消防車両」や「消防自動車」は、ともかく消防署が保有して業務に使っている車両を全部ひっくるめて指すための表現なので、結果としてポンプ車やはしご車だけでなく、指揮車両や消防署に配置されている救急車まで含んでいる。そのため、一般の用語と消防行政用語が指す範囲に明らかなズレがある[注釈 1]

歴史.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。 (2015年8月)
詳細は「消防装置(英語版)」を参照ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州ザーレムの消防博物館収蔵の17世紀の消火活動の絵。手動式消防ポンプが使用されている。

消防車に搭載される消防ポンプの歴史は、紀元前245年アレクサンドリアクテシビオスの発明したポンプに見ることができる[5]。クテシビオス以前にも放水具と呼ばれるものは存在したが、機構は非常に単純であり、今日の消防ポンプとのつながりを見出すのは困難であった[6]。同様のポンプをクテシビオスの弟子といわれるヘロンも発明している。クテシビオスの消防ポンプは単動式ピストン・ポンプ(英語版)であり、1回ピストンをストロークするごとにシリンダー内にバケツなどで水を補水しなければならないため、放水の連続性は担保されておらず、放水性能もオペレーターの腕力に完全に依存する構造であった[7]。クテシビオスの消防ポンプは4世紀ローマ帝国の衰退と暗黒時代の到来により、研究や改良を行う技術者が現れなくなり[7]17世紀まではもっぱらバケツ・リレー(英語版)による消火活動と併用される形に過ぎなかった。なおクテシビオスの消防ポンプは、18世紀中頃には江戸時代の日本にも竜吐水として伝搬しているが、放水性能の低さから火消し達の消火活動はもっぱら破壊消火に限定される形となっていた。

1616年、ニュルンベルクで改良された消防ポンプ[8]は、単動式ピストン・ポンプのシリンダーを予め大きな水槽の中に沈めておくか隣接させる形を取ることで、ストロークの度にシリンダー内に補水を行う必要がなくなり、放水の連続性が大きく向上した。ニュルンベルクの消防ポンプは当初は単気筒であったが、後に回転ビーム(梁)(英語版)を介して2気筒を交互に動かす構造となり、連続して放水し続けられるようになった[7]1666年のロンドン大火の際に使用されたとされる手押し式消防ポンプ車

16世紀になると蒸気機関を用いて、12メートル以上の高さまで放水するポンプが発明されたことが文献に記されており「fire engine」と呼ばれていた。ただし、この放水ポンプが携帯可能であったのかは、定かではない。1654年、マサチューセッツ州リンの技師であるジョセフ・ジェンクスが、手動式消防ポンプを手押し車に載せて人力や馬車で運搬するアイデアを実行したとされており、リンの街は「消防車発祥の地」とも呼ばれるようになったという。

1721年1725年にイギリス、ロンドンでリチャード・ニューシャム(英語版)が手動消防ポンプ搭載の消防車に関する特許を出願し、すぐにイギリスにおける消防車のシェアを支配した。ニューシャムの消防車は1731年にはニューヨーク市でも採用された。ニューシャムの消防ポンプ車は、並列2気筒のシリンダーに隣接して170ガロンの容量の水槽が取り付けられた基本構造であることはニュルンベルクの消防ポンプと大差が無いが、並列2気筒による放水圧力の安定化(脈動の平滑化)のために、水槽と放水パイプの上に空気室(プレナム・チャンバー(英語版))が設けられており、人力駆動でも高い放水圧力を持っていたことが革新的な点であった[7]。アメリカに導入されたニューシャムの消防ポンプ車は、アメリカ人技術者により様々な改良が加えられていった。だが、ニューシャムの消防ポンプ車の時点でも、放水装置自体は消防ポンプの本体に取り付けられた回転式のグースネック (配管)(英語版)に依存しており、放水と取水の自由度は大きく制限されたままであった[7]1776年頃のアメリカの消防活動を描いているとされる絵画。消防ポンプへの水の供給はバケツリレーで行っているが、放水自体はホースを介して行われている様子が描かれている。

ニューシャムの消防ポンプ車に先んじる1672年、オランダで皮製の放水ホースが発明されたが、皮の縫い目からの水漏れが酷く、消防ポンプの水圧には耐えられなかったためにその普及は限定的なものでしかなかった。1792年、ボストンのW.C.ハンフマンは、皮製のホースを消防ポンプ車の取水ホースとして利用するアイデアを実行に移したが、なお耐久性の問題が残されていた。この状況が大きく改善されるのは、1808年(1811年とも)にフィラデルフィアのアブラハム・L・ペノックとジェームズ・セラーにより銅製のリベットを用いて縫い目が補強された革製ホースが発明されたことであった。1822年、ペノックは取水・放水の双方に自製のホースを用いた消防ポンプ車をプロビデンスに納入したが[7]、最初の発明以来1818年に米国特許を取得するまでの間に13000フィートもの革製ホースを自製、あるいはサードパーティーに委託製造させていたため、「発明者が何年も商業利用した後に改めて特許申請しても無効である」という判例(ペノック&セラーズ対話(英語版))を生む切っ掛けともなってしまった。1730年代から1790年代に掛けてアメリカで様々な形態に改良された人力消防ポンプ車の絵画。

ニューシャムの消防ポンプ車はアメリカに導入された後、米国の技術者により様々な改良が検討されたが、その過程の中で本質的には回転ビームによる上下運動により動力が加えられていた消防ポンプに、何らかの構造で回転運動による動力伝達を試みる改良が施された。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:40 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef