消し(けし)は囲碁用語の一つで、打ち込みと並んで相手の地を削減する代表的な手法である。
打ち込みが相手の模様を深く荒らして地を削減するのに対して、消しは相手の模様に浅く臨んで地の盛り上がりを制限する。一般に4線を主体とした模様には打ち込みが、3線を主体とした模様には消しが有効である。
消しでは深入りは禁物で、攻めの対象にならないように形を作る軽いサバキが求められる。 この図で、白が他の点に打ち、黒にaあたりに打たれると上辺の模様が大きく盛り上がり、侵入は難しくなる。かといって黒模様深く打ち込むのは危険が伴う。そこで白1に肩ツキし、以下白5などまでと軽く逃げれば、この一団はそう厳しい攻めを受けない。これにより、上辺にできそうだった黒陣を大きく削減することができる。 下辺の黒模様を消すため、白1あたりに臨むのが適切。消しのラインとしては、敵模様の両端の石(黒▲)を結ぶライン上あたりが多くの場合適当とされる。下辺に深く打ち込むのはシノギが難しい。またある程度囲わせても、aやbなどからヨセる手が残っているので、そう大きくならないという判断である。
消しの実例
参考図書
韓国棋院編『打ち込みと消しの基本 (棋苑囲碁ブックス)』2006年
『早わかり模様小事典―打込みと消しのテクニック』日本棋院 1982年
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