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の黒く見える部分については「月の海」を、その他の用法については「海 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

「海洋」はこの項目へ転送されています。中国の人工衛星については「海洋 (人工衛星)」をご覧ください。
夕日に照らされるカリブ海

海(うみ[注 1]: the sea または the ocean[注 2])は、地球[注 3]陸地以外の部分で、海水に満たされたところ[1]

大小さまざまな広がり方があり、特に大きな広がり(だけ)は海洋(the ocean)とも言い、主な海洋としては太平洋大西洋インド洋などがある。一方、地中海黒海も紛れもなく海であり、海峡で大西洋と繋がっており海水は行き来している。サンゴ礁に囲まれた石垣島の海氷山の浮かぶグリーンランドの海人工衛星から見た地中海
概要

海は地球の表面の約71.1%を占め、面積は約3億6282万km2で、陸地(約1億4724万km2)の約2.46倍である[2]。平均的な深さは3729m。海水の総量は約13億4993万立方キロメートルにのぼる[3]。ほとんどの海面大気に露出しているが、極地の一部では海水は海氷棚氷)の下にある。

海は微生物から大型の魚類クジラ海獣まで膨大な種類・数の生物が棲息する。水循環漁業により、人類を含めた陸上の生き物を支える役割も果たしている。

天体の表面を覆う液体の層のことを「海」と呼ぶこともある。以下では主に、地球の海について述べる。
呼び方・分類
日本語での うみ / みずうみ という分類法
沖縄の海

海水は、ナトリウムイオン塩化物イオン)を主成分とするミネラルなどが、おおむね濃度3%台でに溶け込んでいる[4]ヒト味覚では海水は「塩辛い」「しょっぱい」と感じられ、古来、海水を塩田などで濃縮して塩を得てきた。

このような塩の味がする水で満たされた区域を、日本では「“うみ”(海)」(: sea)と呼び、塩味のしない真水(淡水)で満たされた区域は、面積が広くとも海と区別して“みずうみ”(<「みず・うみ」、)と呼ぶことは古くから行われてきた。[注 4]

よって、日本海 (Japan Sea)、地中海 (Mediterranean Sea)、瀬戸内海 (Seto Inland Sea)といった各海域は、海と呼ばれている。

大きな塩湖も、古くから「海」と命名されている場合がある(例:カスピ海死海)。探検測量による世界地理の把握や地理学が進んだ近代以降、外海とつながっていない場合は“海”には含めず、広大な塩湖であっても“湖”に分類するようになった、ということである。
広さでの分類

英語での sea / oceanという分類法や、日本語での 海 / 洋 という分類法がある。特定のocean(洋)を指す名称としては太平洋(Pacific Ocean)、インド洋(Indian Ocean)などがある。特に広大な洋(海)は「大洋」(: ocean)と呼んでいる。
陸地との関係での分類法

「外海」/「内海」という分類法がある。外海とは周囲を陸地などに囲まれていない海(あるいは陸地から遠く離れた海)のことである。陸地に囲まれた海域のほうを内海と呼ぶ。外洋 / 近海という分類法もあり、海のなかでも陸地に近いあたり(領域)をおおまかに近海と分類する。

陸地に大きく入り込んだ海[1]、陸と陸に挟まれ海が狭くなった部分[1]海峡と呼ぶ。[注 5]
水深による分類

水深による分類法として 浅海 / 深海 がある。一般に太陽光がほとんど届かない深度200m以上を深海と呼ぶ。
海水の動き

海は全てが互いに繋がっている。ただし、大洋間であっても水の交流は海水の性質が均一になるほど激しくはない。このため海面の高さや、塩分濃度、海水温などは海域による差がある。狭い海峡でしか外海とつながっていない閉鎖性海域は、特に水の入れ代わりが乏しい。

海水はその表面にが立っていることが多く、これは主にの作用である。温度は主として太陽によって温められ、低気圧を発生させる原因ともなる。また、海水は大きな流れをなしており、これを海流という。海水面の高さは毎日二回(年に数回、一日一回の日がある)、上下に変化する。こうした潮の満ち干を潮汐という。潮汐は天体運動を原因として起きるものであり、主に太陽引力が大きな部分を占める。月のほうが地球に近いため、大きな潮汐力を及ぼす。潮汐における海面の差が最も大きいのはカナダ東岸のファンディ湾(13.6m)である[5]
水深と海底地形

海の水深は平均3,800mである。地上と同じように海底にも高低差はあり、海中の山脈である海嶺や、台地である海台、大洋底に広がる広大な平原である海盆深海平原、海底でもさらに低い谷となっている海溝など、様々な地形が存在する。海底にも火山は存在し、それらの海底火山の中でも特に高いものはしばしば海上に顔を出して火山島となる。地球上の海底で最も深いのは太平洋にあるマリアナ海溝チャレンジャー海淵(10,911m)である。また、大陸周辺に広がる浅い海(深さ約130mまで[注 6])を大陸棚と呼ぶ。
海の色

海の色は一般に青色と見られる。太陽からの可視光線のうち長波長(赤に近いもの)は表層2-3cmで海水によって吸収されるが、短波長(青に近いもの)は深くまで進み、水深50mでも1/5程度が届く。この青色光が水中で散乱され、水上に届いて青く見える[7]。これに不純物が混ざると色調に変化が起こる。植物プランクトンが豊富な高緯度から極海にかけて海はやや緑色を帯びる。沿岸では砂泥の微粒子が河川水などから供給されたり、波や暴風雨で海底から巻き上げられたりするため、プランクトンと相まって黄緑から黄色・褐色・赤などに見える事もある。氷河に侵食された岩の粉末が流れ込むフィヨルドなどでは、乳白色になる場合もある[7]。日本近海では植物プランクトンの増殖が主に春に盛んになる。これは「水の華」と呼ばれ、地域によっては「春とわり」「潮ぐされ」「草水」「厄水」「貝寄せ水」「三月にごり」などとも言い、沿岸漁業に影響を与える[7]
海と気候

海は、太陽エネルギーを原動力とした水循環により、地球の気候にも大きな影響を及ぼしている。

海の影響を特に受ける気候は海洋性気候と呼ばれる。海洋の影響といっても様々であり、海から蒸発する水蒸気によって湿度は一般的に高いものの、それが降水量に比例するとは必ずしも言えない。海流のうち暖流が流れる地域や一般的な海域においては海からの水分や風が雨をもたらし降水量が多くなる傾向がある。寒流が流れる海岸部においては、上層の空気は暖かいのに対し、下層の空気は寒流によって冷やされるため、上昇気流が発生しない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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