この項目では、著作権侵害コンテンツ全般について説明しています。その中でも特に音楽媒体については「海賊盤」をご覧ください。
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海賊版(かいぞくばん、英語: pirated edition, pirated version)とは、法律上の知的財産権を侵害し権利者に無断で、権利を有しない者により販売、配信されるコンテンツのこと。
物品の移動を伴わず、映画や漫画などの内容をインターネットを通じて流す場合は「海賊版サイト」と呼ばれる[1]。
なお、文化庁ではインターネット上の海賊版による著作権侵害対策情報ポータルサイト内に相談窓口を開設し、主にインターネット上の海賊版による著作権侵害に関する相談を受け付けている。 海賊版とは、著作権(一般には複製権)などの権利を無視して製造・流通される違法、非合法な製品やコンテンツ。すなわち、著作権者の許諾を得ずに無断で制作・製造され不当に販売されることから、海賊版の製作(個人・法人・組織・集団などの形態は問わない)や販売者(一般的には「販売店」や「取扱店」など)に全利益が分配されてしまう。 その結果、著作権使用料が著作権者に支払われず、アーティストの印税もそれを受け取るべき演奏者や歌手に支払われることがない。また、CDやレコードなどの製品化(商品化)する権利を有するレーベル会社などの利益も直接、間接的に損なう結果となる。また、マイクロソフト製品など、社会インフラの運用に広く使われているコンピューターソフトウェアの違法コピーが横行すると、著作権者に不利益を与えるだけでなく、更新プログラムの提供や運用技術者の育成が困難になることで、インフラを維持できなくなり、市民生活に多大な不利益をもたらすことにもつながる。 広告収入目当てや愉快犯による海賊版コンテンツの無料配信も、著作権者などは本来売られる利益を失う[1](逸失利益)。 こうした被害を防ぐ目的で、ライセンス認証などの違法コピー防止技術が開発されているほか刑事告発や民事訴訟による損害賠償請求が行なわれている。 こうした非合法商品が発売される背景として単に非合法製作者の営利目的の他、当該地域において合法的にコンテンツが販売されていないことや合法コンテンツが粗雑な内容であるなど合法ビジネス上の失敗もある。 レコードやCDの海賊版はその性質から分類すると、いわゆる「ブートレグ」と「パイレート盤」「カウンターフィット盤」の3種類に分けることができる。 この分類は主に音楽にされるが、ビデオやコンピューターソフトなど音楽でなくても分類できる。 またレコード主流の時代における「プライヴェート盤」の多く(注:元来は「海賊盤」の意味は無く、他者の権利下の音源を不当利益取得目的で製品化する場合にあてはまる)や、CD化してからの「コレクターズCD」(注:限定盤のような収集目的が前提で製作された正式盤などにも広い意味ではこれに該当するものがある、とする見解もある)と呼ばれるもののほとんど大部分は「海賊盤」だが、それ以外も含めこれら3種類の「海賊盤」のいずれかに属することが多い。 かつて、イタリアなどのヨーロッパの数か国では「ハーフオフィシャル」という形態の作品も多数製作され、本来は海賊版と同等とも言うべきライヴ音源やスタジオ未発表音源などが日本の一部CD、レコード販売店でも通常の輸入盤の販売価格に近い金額で売られていた。現在は「ハーフオフィシャル」はほとんど存在しない。 かつて日本では著作隣接権の保護期間が20年だったため、CDが普及した1980年代半ばから1990年前半にかけて、海外ミュージシャンの日本独自の編集盤CDが直接ミュージシャン側と契約締結をしない複数のレコード会社から合法的に多量に出回った。中には正式CDがリリースされていたにもかかわらず、「別ミックス盤」などと銘打って既発売の正式レコード盤からCD化されたものもあった。ポール・マッカートニーは、表向きは音質などに対する批判であったが、海賊盤である「カウンターフィット盤」の取り締まりはもちろん、合法的な独自編集盤にさえも言及したと思われる正式コメントを1987年に出し、日本政府に要請した。当時から、レンタル用のレコード、CD、ビデオについての論議があったが、そういったことも含めて、現在は著作権も世界並みの基準に変えられてきている。 日本のアーティストに関しては、東南アジアなどで製造された海賊盤が発行され続けてきている。 人気の出たものについては、さらにその海賊盤を基にした海賊盤が作られることがある。
概説
レコード・CD詳細は「海賊盤」を参照
「ブートレグ」とはアーティストの未発表音源やライブ音源(「個人の内密な録音」か「権利者側の正式録音物の無断流用」かは問わない)などを権利者側の未承諾のまま違法にプレス(製作)した物。古い放送用音源や、日本では放送されなかった海外でのテレビ番組やラジオ音源の無断製品化も含む。
「パイレート盤」とは、正規に発表されたアルバムの内容をそのまま、あるいは主に曲単位で独自に編集するなどの形で、コピー(製作)した物。ベストアルバムのような形で、台湾などで単曲全集という名称で作られている(単曲全集の存在が確認されているアーティストとしてはYMO、ピチカートファイブ、aiko、丹下桜など)。ジャケット写真はほとんどの単曲全集において単にシングルジャケットを並べてあるだけというのが特徴である。
「カウンターフィット盤」とは、正規盤の内容、装丁をそのままコピーして正規盤に似せて製造した複製品。廃盤で正規盤が入手困難になったものの複製品などがある(日本では、レコード、CDの他、正式発売されたビデオテープや写真集に対する海賊版などは、この範疇がほとんど)。