この項目では、動物について説明しています。その他の用法については「イルカ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
イルカ
生息年代: 中新世-現在, 10?0 MaPre??OSDCPTJKPgN
イルカ
分類
イルカ(海豚、鯆)は、哺乳綱鯨偶蹄目クジラ類ハクジラ亜目に属する種の内、比較的小型の種の総称(なお、この区別は分類上においては明確なものではない)。
目次
1 分類と名称
2 生態
3 知性
4 種
4.1 系統
5 海洋資源としての利用
5.1 利用の歴史
5.2 食用
6 その他の利用
6.1 飼育展示や人への心理的効果
6.2 軍用
7 文化
7.1 季語
7.2 日本神話
7.3 ギリシア神話
7.4 イルカを題材とした作品
7.5 イルカをシンボルに用いる職業
8 脚注
9 参考文献
10 関連項目
11 外部リンク
生物分類上はイルカとクジラに差はない。むしろ、ハクジラとヒゲクジラの差の方が生態的にも形態的にも違いが顕著である。しかし世界的にも日常語レベルでは両者は別のカテゴリーとして認識され、別の名で呼ばれることが多い。 日本語では、成体の体長でおよそ4mをクジラとイルカの境界と考えることが多い。これは定義ではなく、実際に○○クジラ、○○イルカと呼ばれている種の体長から帰納した傾向に過ぎず、4m基準に当てはまらない種もある。例えば、コマッコウやゴンドウクジラのような4mに達しないがクジラと見なされる種も多い。ただしゴンドウクジラはマイルカ科であり、まれにイルカとされることがある(ゴンドウクジラ#特徴も参照)。またイッカク科のシロイルカは、和名に「イルカ」とついているが、成体は5mに達しクジラと見なされることが多い。 英語での“Dolphin”と“Whale”の呼称の区別は、日本語の「イルカ」と「クジラ」の区別とほぼ共通する。例えば小型ハクジラ類のうちゴンドウクジラについては英語では“Whale”と呼びクジラとして扱う点で日本語と共通する。ただし、日本語で「イルカ」と呼ばれる種のうちネズミイルカ科のものは、英語では“Porpoise”と呼んでいて、“Dolphin”とは区別している。 なお、近年の研究により、イルカやクジラに最も近い陸上生物はカバ類であることがわかった。 多くは海に生息するが、カワイルカ類のように淡水である川に生息する種類や、淡水と汽水域を行き来する種類もいる。 頭頂部に呼吸のための独立した噴気孔をもち、そこから肺呼吸する。呼吸の周期はおよそ40秒である。 イルカは一度も泳ぐのをやめず息継ぎもきちんとしながら常に泳ぎ続けている事から、かつてはイルカは全く眠らないのではないかと言われていた。しかし、イルカは右の脳と左の脳を交互に眠らせる事(半球睡眠 体形は紡錘状で、背に鎌形あるいは三角形の背びれを有する種類が多いが、背びれがほとんどない種類もいる。尾側の最後部に尾びれを有し、尾びれを上下に動かして泳ぐ。前足に相当する部分に胸びれがあり、後ろ足は退化してわずかに骨のカケラとして体内に残る。2006年に腹びれのあるイルカが発見されたこともある[1]。 メスとオスに分かれ、生殖行為を通して一定期間妊娠の後に出産する。生殖器は通常外見からはメスとオスの区別は困難であるが、交接時にはペニスが露出するため容易に鑑別できる。 誕生からしばらくの間は母親の母乳によって育てられる。 多くは魚類や頭足類などを捕食する肉食である。また、水分はあくまでも食料の魚類などから摂取する。水分として直接摂取するほか、脂肪を体内燃焼したときに生じる代謝水もある。海水からは摂取する割合はごく少量であり、意図的に摂取しているのではないと考えられている。海水を大量に摂取した場合、排尿が促進されて脱水症状に陥る点は人間と同じである。イルカの歯はおよそ80本あるが食べるときは丸飲みである。 単独で行動するケースも見受けられるが、複数匹で群をなして行動することが多い。 また複数の実験・観察結果を通して、噴気孔付近から出すクリック音を使って同種の個体同士でコミュニケーションする可能性が指摘されている。 全般的に好奇心旺盛で人なつっこく、船に添って泳ぐなどしてその姿を人間に見せることが多い。人間は、このような性格を興行やアニマルセラピーとして利用している。 イルカは体重に占める脳の割合(脳化指数)がヒトに次いで大きいことから、イルカの知性の潜在的可能性が古くから指摘されており、世界的にも数多くの研究者の研究対象になり、世間一般からも興味の対象とされてきた。 ただし、イルカの脳はサイズは大きいものの、グリア細胞の割合が多く、ニューロン自体の密度はそれほど高くない。ただしニューロンの密度をもって知性が劣ると言い切れるのかは定かではない。従って、脳のサイズのみから知性のレベルを判断するのは早計である。 仮にイルカがヒトに匹敵する密度のニューロンを持てば酸素要求量が増し、長時間の潜水は困難となる。また肺を肥大化させると運動能力が犠牲となるため、現在の脳に最適化されたと考えられている。イルカが人間と同様の知性を持つ、あるいは人間以上の知性をもった存在として描かれる作品は多数あるが、いずれもフィクションであり、科学的根拠は確認されていない。 肉体的な見地からイルカの脳は人間のように十分に活かされていないとする見解もある。イルカの脳は高性能だが、人のようなよく動く指も足もない。肉体的に人ほど優れていないゆえ、十分に脳が活用されるに至らなかったとする見解である[2]。脳は使う体の部位によって発達がほどこされ、使わなければ、それに関連した脳の部位も衰える。その為、人より優れたポテンシャルを秘めながらもイルカの脳は「宝の持ち腐れ」と化していると主張する研究者もいる[3]。
分類と名称
生態
知性