海底軍艦_(映画)
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海底軍艦


ATRAGON
[出典 1]

Atragon, the Flying Super-Sub[5]


監督

本多猪四郎(監督)

円谷英二(特技監督)

脚本関沢新一
原作押川春浪
製作田中友幸
出演者

高島忠夫

藤山陽子

小泉博

上原謙

藤木悠

佐原健二

田崎潤

小林哲子

天本英世

平田昭彦

音楽伊福部昭
撮影

小泉一(本編)

有川貞昌(特撮)

富岡素敬(特撮)

編集

藤井良平(本編)

皆川泰陳(特撮)[注釈 1]

石井清子(特撮)[注釈 1]

製作会社東宝[出典 2][注釈 1]
配給東宝[6][8][注釈 1]
公開 1963年12月22日[出典 3]
上映時間94分[出典 4]
製作国 日本
言語日本語
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『海底軍艦』(かいていぐんかん、英題:Atragon)は、1963年(昭和38年)12月22日に公開された、東宝制作の特撮映画[10][11]。正月興行作品[16]。カラー、東宝スコープ[出典 5]。併映はハナ肇とクレージーキャッツ主演の『香港クレージー作戦』(監督:杉江敏男[出典 6]
概要

東宝が得意とする怪獣映画と戦争映画の要素を併せ持った作品である[11]

原作は1900年に発表された押川春浪の小説『海底軍艦[出典 7]。映画での登場人物や設定は映画オリジナルのもので、「少数の人員が孤島で海底軍艦を建造する」という大まかなストーリー以外、ほぼ独自の内容となっている[出典 8]。旧日本軍と超古代文明を対比的に描きつつ、現代社会から忘れ去られた両者に対する憧憬が込められている[17]

英題は『Atragon』。好評だったらしく、実際には続編ではない『緯度0大作戦』が、海外では『Atragon II』の題名で公開されている。ドイツでは『U2000』という題名になっている。轟天号の英語名「Atragon」の由来は、「Atomic dragon」。
あらすじ

日本の土木技師が行方不明となる事件が相次いでいた。こうした事件の現場に居合わせた広告写真家旗中進と助手の西部善人は、被写体としてスカウトしようと光國海運の楠見専務の秘書、神宮司真琴を追跡し、楠見と真琴がムウ帝国の工作員23号と名乗る怪人と工作潜水艦に誘拐されかけていたところを阻止する。

後日、ムウ帝国からの脅迫フィルムが届いた。それは1万2千年前に海底に沈んだムウ大陸を支配したムウ帝国が、地熱を資源とする強大な科学力をもって今なお健在であると示し、神宮司大佐の「海底軍艦」の即時建造中止と、かつてのムウ帝国の植民地であった地上全世界の即時返還を要求していた。同じ脅迫フィルムが国連の場にも届けられていたが、即時黙殺された。その結果、世界各地の海岸地域での大陥没や、貨物船が謎の潜水艦に襲撃・撃沈されるなどの異変が相次ぎ、世界各国は総合防衛司令部を設置し、最新鋭の原子力潜水艦レッドサタン号や人工衛星による警戒網を動員する。だが、ムウ帝国の潜水艦を深海に追ったレッドサタン号は水圧に耐え切れず圧壊して爆発し、地上人の手のおよばない深海に存在するムウ帝国の科学力は恐るべきものであることが証明されてしまう。

日本の治安担当首脳は元大日本帝国海軍技術少将の楠見に「海底軍艦」の出動は国連の要請であると伝えるが、楠見は元部下である神宮司の「終戦時、神宮司はイ403潜で反乱を起こして消息を絶った」との秘密を告白する。そこへ、ムウ帝国の工作員と思われる男を捕らえたとの連絡が警視庁から入る。

捕らえられた男はムウ帝国人ではなく、神宮司の部下である天野兵曹だった。神宮司が健在であることを知り、楠見らは神宮司に会うことを決意する。神宮司は知られざる島に建てた「轟天建武隊基地」を拠点としており、海底軍艦「轟天号」の驚くべき性能の一端を示した試験航行の成功に酔う。楠見は神宮司に非道なるムウ帝国撃滅のために轟天号の出動を要請するが、大日本帝国海軍の再興をかたくなに望んでいる彼に拒絶される。真琴と旗中が痛烈な抗議を行う中、一行に紛れて基地に潜入していた海野魚人=ムウ帝国工作員により、基地は爆破される。

ムウ帝国に拉致された真琴と旗中は、ムウの大群衆の極彩色の群舞の中で、華麗なるムウ帝国皇帝より、守護竜マンダ生贄として死刑を宣告される。なおも世界を脅迫し続けるムウ帝国によって世界各地に最後通告が行われ、東京の丸の内が陥没したほか、ムウ帝国の潜水艦の怪光線で東京湾の船舶が炎上する地獄図の中、破壊された基地をドリル衝角で突破して出撃した轟天号が、空中に出現する。これ以上のムウ帝国の暴虐を阻止せんと轟天号は潜航し、逃走を図るムウ帝国の潜水艦を追って再び潜航する。

一方、旗中と真琴らは拉致された土木技師らと共に奴隷労働を強いられていた。旗中は作業現場から持ち出した特殊火薬を武器に皇帝を人質に取って脱出を図るが、そこにムウ帝国の潜水艦を追って轟天号が到着する。マンダの妨害を排除し、楠見と神宮司らは脱出者を轟天号に収容した。しかし、心をひとつにした父と娘の再会の喜びもそこそこに、轟天号はありえざるゲストであるムウ帝国の皇帝を迎える。神宮司の和平の提案を無礼と一蹴し、「自分を殺せてもムウ帝国を滅ぼすことは不可能」と冷たく言い放つ皇帝に対し、神宮司は毅然と「ムウ帝国の心臓を攻撃する」と宣告する。

ムウ帝国の動力炉に侵入した轟天号挺身隊は、小型冷線砲で警備兵を一瞬で氷漬けにし、動力炉を時限爆弾で爆破する。ムウ帝国の潜水艦で逃れた長老、工作員23号、海野魚人は脱出した轟天号を攻撃するが、艦首冷線砲で氷漬けにされたうえでの大爆発に巻き込まれ、全滅する。ムウ帝国の崩壊を目の当たりにした皇帝は、轟天号を降りてムウ帝国と運命を共にし、神宮司たちは皇帝とムウ帝国の最期を見届けるのだった。
登場兵器・メカニック
架空
地上人類
轟天号
詳細は「
轟天号#『海底軍艦』」を参照
轟天建武隊基地
大日本帝国海軍大佐の神宮司が同志と共に戦後に南方に築いていた基地で、戦後18年に渡り存続していた帝国海軍残党の本拠地でもある。轟天号を戦後の技術発展と研究、得られた資材で完成させられるほどの設備を持つ。予告編から、劇中の所属人員は通常の士官や兵士以外には防衛要員として、海軍陸戦隊の部隊がいることが確認できる。
冷線銃
轟天号乗員によって編成された挺身隊が装備する特殊銃。冷凍光線を発射することが可能で、体温の高いムウ帝国人たちを一瞬で氷漬けにしてしまうほどの威力を誇る。
レッドサタン号[21][22]
世界最先端の性能を持つ原子力潜水艦[21][22]。艦番号は715。劇中では深海へ逃走するムウ帝国潜水艦を追撃するも、深海の水圧に耐えきれず圧壊してしまう[21]

脚本第1稿では登場しない[23]

破壊シーンは、実際に水中でミニチュアを爆破している[24][8]。尾部に取り付けたチューブで内部の空気を抜くことにより、水圧で凹む船体を再現している[24]


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