海峡
監督森谷司郎
脚本井手俊郎・森谷司郎
原作岩川隆
製作田中友幸
森岡道夫
『海峡』(かいきょう)は、1982年10月16日公開の日本映画である。 『日本沈没』、『八甲田山』、『動乱』の森谷司郎監督が、青函連絡船洞爺丸事故から約30年にわたり青函トンネルの工事に執念を燃やす国鉄技師らの物語を描いた映画である。 東宝創立50周年記念作品であり、高倉健、吉永小百合、森繁久彌、三浦友和などそれに相応しい豪華な出演陣を揃え、全国的な新人オーディションを行い、約6000人の中から中川勝彦、約12000人の中から青木峡子
解説
映画のラストでは作業員達がトンネル貫通に湧くシーンが描かれたが、実際の先進導坑貫通は本作公開の翌年1983年、本坑全貫通は1985年である。 地質学を修めた鉄道員、阿久津剛は青函トンネルを実現するために、地質調査のため龍飛にやって来た。そんな折、岸壁から身を投げようとしていた女・多恵を救い、行きつけの居酒屋の経営者に預けた。再び生きる気持ちを取り戻した多恵は、阿久津に淡い思慕の情を向け始める。国鉄の人事によって阿久津が明石へ転勤になり、当時の国鉄総裁の方針などで、なかなか計画の進まない時も訪れる。 だが、総裁交代により、計画も俄に進み始め、阿久津も龍飛に戻ってきた。そして、調査坑を掘るトンネル屋たちも集まってくる。寒い所は嫌だと渋る、老齢だが腕利きのトンネル屋・源助も「10万年前に、マンモスが歩いて渡った道をもう一度作る」と説得され、参加を決断する。しかし、工員の死亡事故、度重なる出水などで作業は困難を極め、月に5メートルしか進まない状況で、源助ともぶつかる日々。そうこうしながら、調査坑である斜坑の底に到達してしばらくする頃に、国鉄のトンネル計画は、正式に認可され、本坑の工事にも多くの民間企業が参加して、なお工事は進む。 ねぶた祭に若者がうかれている頃、阿久津に父の危篤の知らせが届く。帰郷の準備をしていた阿久津のもとに、かつて無い大量の出水の知らせ。先進導坑が、ポンプの排水力限度を超えて、みるみる水で埋まっていく。阿久津は、ある決断をする。
あらすじ
スタッフ
監督:森谷司郎
製作:田中友幸、森岡道夫
原作:岩川隆(文藝春秋刊)
脚本:井手俊郎、森谷司郎
撮影・特殊撮影:木村大作
美術:村木与四郎
録音:紅谷愃一
照明:望月英樹
音楽:南こうせつ
編曲:佐藤準
編集:池田美千子
監督助手:岡田文亮
撮影助手:山田健一
照明助手:二見弘行
録音助手:棚網昭夫
特殊機械:田中豊夫
美術助手:酒井賢
大道具:山本政司
装飾小道具:田代昭男
衣裳:川崎健二
編集助手:船沢昌介
結髪:中尾さかえ
メーキャップ:上田幸夫
記録:梶山弘子
スチール:石月美徳
製作助手:林茂里穂
宣伝プロデューサー:白井泰二
題字:西井林亭
製作担当者:橋本利明
音響効果:東宝効果集団
現像:東洋現像所
協力:日本鉄道建設公団、鹿島・熊谷・鉄建青函ずい道工事共同企業体、飛島・三井青函ずい道工事共同企業体、三菱金属株式会社、三菱鉱業セメント株式会社
後援:青森県、青森市、青森商工会議所、北海道、函館市、函館商工会議所、青函トンネル建設期成会
写真提供:Newton、PANAVISION
出演者
阿久津剛:高倉健
牧村多恵:吉永小百合
成瀬仙太:三浦友和
佳代子:大谷直子
おれん:伊佐山ひろ子
峡子:青木峡子
横溝平作:桑山正一
金丸五郎:小林稔侍
野崎:東野英心
石谷音太郎:山谷初男
札幌工事局長:北村和夫
正田和平:生井健夫
浜口圭介:加藤和夫
青函建設局員:小林昭二
塚本:奥村公延
下宿の老人:大久保正信
北大助教授:滝田裕介
高井義一:富川K夫
江藤滝蔵:新田昌玄
下宿の老婆:辻伊万里
塚本の妻:絵沢萠子
長崎国鉄総裁(声):永井智雄(ノンクレジット)
十河国鉄総裁:藤田進
石田国鉄総裁:河村弘二
:沢田浩二
鉄建公団総裁:山本武
村の男たち:青木卓
:寺島達夫
:石見栄英
:蔵一彦
:赤城太郎
青函建設局員:和崎俊哉
:大谷進
海上保安庁技官:大山豊
村の男たち:竹本和正
北島栄:中田博久
中山照男:河合信芳
古川亘:阿藤海
阿久津修:中川勝彦
:明石勤
岡田:佐久田修
:浜村砂里
水野:橋爪淳
:野崎秀吾
加東良勝:江角英
:山田勇介
村の男たち:小野泰次郎
:木村大
:布施侑宏
袋内沢現場主任:井上博一(ノンクレジット)