「海技教育機構」とは異なります。
海事教育機関(かいじきょういくきかん)は、国家資格である海技士を有した海技従事者を養成するための機関。法律上第一種養成施設、第二種養成施設に分類できる。学校により第一種養成施設でも卒業時の免許や免状の級や免除の割合が大きく異なる。
近年では、これら養成施設を出た人材でも海運企業へ就職しない者も多々いるため、企業が独自に船員を養成することができる、新三級海技士(新たな三級海技士という資格が出来たわけではない)が設置された。日本郵船では2006年度、この制度に則り3名を海上社員
として一般大学から雇用している。本項は、海技従事者の特に養成施設ごとでの分類を行った。 第一種養成施設は乗船履歴を有しない者を対象とした養成機関である。 大学における海事教育機関はいくつかに分類すると以下のとおりである。 高等商船学校から発展した。修業年数は4年(乗船実習科含まず)。乗船実習科(課程6か月)へ進んだ場合、修了は9月。乗船実習科修了と同時に、三級海技士(航海又は機関)の筆記試験が免除され、特例として1年間の乗船履歴が口述試験の受験要件として認定される。航海実習は航海訓練所練習船にて行う。 修業年数は4年(専攻科含まず)。専攻科(課程1年)へ進んだ場合、卒業は3月。卒業後に専攻科へ進学することにより、三級海技士(航海又は機関)の筆記試験並びに乗船履歴が(条件を満たした場合)免除される。 下記大学では、航海実習は各大学所有の練習船、専攻科進学後は東京海洋大学海洋科学部所有練習船の海鷹丸で行う。 水産大学校については学校保有練習船耕洋丸・天鷹丸にて行う。 鹿児島大学水産学部では、学部卒業後に同大学大学院水産研究科へ進学することで、三級海技士(航海)の乗船履歴が(条件を満たした場合)免除される。大学院での航海実習は大学保有練習船かごしま丸にて行う。 東海大学海洋学部は私立大学の海事教育機関である。修業年数は4年(乗船実習課程は除く)。所定の課程を修了した者は、筆記試験並びに乗船履歴を免除する。航海実習は大学保有練習船望星丸にて行う。 海上保安大学校は、国土交通省海上保安庁管轄下の教育機関である。卒業後は、三級海技士(航海又は内燃機関限定機関)の筆記試験並びに乗船履歴を免除される。航海実習は巡視船こじまにて行う。詳細は「海上保安大学校」を参照 海上保安学校は、国土交通省海上保安庁管轄下の教育機関である。卒業後は、五級海技士(航海又は機関)の筆記試験並びに乗船履歴が免除される。航海実習は巡視船みうらにて行う。 高等専門学校は、全国に5つある商船学科を有する高専である。中卒の者を対象とし、商船学科の修業年数は5年半で卒業は9月。卒業後は、三級海技士(航海又は機関)の筆記試験並びに乗船履歴が免除される。遠洋航海実習は航海訓練所の練習船にて行う。
目次
1 第一種養成施設
1.1 大学・大学校
1.1.1 旧商船大学系
1.1.2 水産系大学
1.1.3 東海大学
1.1.4 海上保安大学校
1.2 海上保安学校
1.3 高等専門学校
1.4 海上技術短期大学校
1.5 海上技術学校
1.6 水産高等学校・海洋高等学校
1.7 登録小型船舶教習所
2 第二種養成施設
2.1 海技大学校
2.2 その他の機関
2.3 小型船舶教習所
3 それ以外の機関
3.1 通信関連
4 関連項目
第一種養成施設
大学・大学校
旧商船大学系
神戸大学海事科学部(旧神戸商船大学)
東京海洋大学海洋工学部
水産系大学
北海道大学水産学部
東京海洋大学海洋科学部
広島大学生物生産学部
長崎大学水産学部
鹿児島大学水産学部
水産大学校
東海大学
海上保安大学校
海上保安学校
高等専門学校
富山高等専門学校(旧: 富山商船高等専門学校、2009年10月1日に富山工業高等専門学校と統合) - 富山県射水市
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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