海のトリトン
[Wikipedia|▼Menu]

海のトリトン
ジャンル
ファンタジー漫画
漫画:青いトリトン
作者手塚治虫
出版社産業経済新聞社
掲載誌サンケイ新聞
発表期間1969年9月1日 - 1971年12月31日
アニメ
原作手塚治虫
監督富野喜幸
キャラクターデザイン羽根章悦
音楽鈴木宏昌
アニメーション制作朝日フィルム(制作協力)
製作朝日放送
アニメーション・スタッフルーム
放送局TBS系列
放送期間1972年4月1日 - 9月30日
話数全27話
映画:「海のトリトン 劇場版」
原作手塚治虫
監督舛田利雄
制作オフィス・アカデミー
封切日1979年7月4日
上映時間139分
テンプレート - ノート

『海のトリトン』(うみのトリトン)は、手塚治虫漫画。および同作を原作としたテレビアニメ
概要

『サンケイ新聞』(現・『産経新聞』)に1969年9月1日から1971年12月31日まで新聞漫画『青いトリトン』として連載、1972年4月から9月末まで放送されたテレビアニメのタイトルは『海のトリトン』。アニメが放送終了した1972年末に初めて単行本化されたときに原作も『海のトリトン』と改題された[1]。「トリトン」の名はギリシャ神話から引用こそしているものの、内容そのものはギリシャ神話とは何ら関連を持たない独創的なものになっている。

1969年2月末日まで『鉄腕アトム』(後に『アトム今昔物語』に改題)を連載した『サンケイ新聞』編集部の要請により、半年の間を置いて手塚治虫が連載した新聞連載漫画である。当時はスポ根劇画が人気を博しており、『サンケイ新聞』側の希望で特訓などの要素が取り入れられた[2]。当初、海棲人類トリトン族の赤ん坊「トリトン」を拾ってしまった漁村の少年「矢崎和也」を主人公とし、抗争に巻き込まれた第三者の冒険と根性のストーリーになるはずだったが、作者自身が純然たる冒険活劇とした方が作品として面白くなる事に気づき[3]、物語中途で和也を失踪させ、主人公をトリトンに交代させた。

アニメ版のストーリーに比べて、トリトンが陸の人間として成長し、知識と武術を習得して海に出るまでを丹念に描き、水中でも息が出来るだけのようなトリトンが海の怪物にも等しいポセイドン族と互角に戦える理由を説明している。ポセイドン族との抗争の他、トリトン族と人間との好意的とは言いがたい接触がストーリーのもう一本の柱になっている。
登場人物

アニメ版の声優陣は青二プロダクション東京俳優生活協同組合から起用された。
トリトン族
トリトン
声 -
塩谷翼本作の主人公。トリトン族の生き残りで13歳の少年。赤ん坊の時に猪の首岬の洞窟に置き去りにされ、和也(アニメでは漁師の一平)に拾われて育てられる。ルカーの話によって自らの出生を知り、村にポセイドンの被害が及ぶことを恐れ、村を捨て自ら海へと旅立つ。アニメでは髪が緑色で、性格も最初の頃は子供っぽさが残っていた。一方原作では髪も瞳も黒く、ナイフ投げの名人。アニメ版と比べると最初から精神的に大人であり肉体も大人へと成長した。第32章では最後の決着をつけるべく大型ミサイルの中へポセイドンを閉じ込め宇宙へ放って追放し、自らも運命を共にした。サンデーコミックス版ではポセイドンの要塞に特攻した。パイロットフィルムでは超能力でポセイドン族に立ち向かう。TVアニメ版ではポセイドンを倒すも、トリトン族とポセイドン族の残酷な真実を知る事になる。
ピピ
声 - 広川あけみトリトン族の生き残りで人魚少女。上半身には着衣はない。アニメでは第4話から登場しており、北の海でアザラシのプロテウスに育てられる。髪はオレンジ色の短髪。慎重なトリトンとは対照的に、勝気で好奇心旺盛。その性格が災いして敵の罠に落ちることもしばしば。初期はかなり生意気な牲格でトリトンを嫌っていたが、中盤からトリトンとの友情が高まり、素直な牲格になった。第24話では伏兵・ガダルによって囚われたトリトンを助けるためにガダルの注意を惹きつけたり、第26話ではアルコールランプでマイペスを偶然にも倒したりとトリトンに劣らぬ所も見せつけている。原作では長い黒髪をしており当初「ピピ子」として登場。アニメ版とは大幅に異なり、性格は明るく素直だが幼少時はおませさんで、始めからトリトンの恋人であると主張しており、途中で大人の女性へと肉体が成長した際にトリトンもそれを認めた。第22章ではポセイドンの妃に選ばれ「ピンキー」の偽名でポセイドン一族を渦潮に誘い込み逃げようとしたが、囚われの身となる。結婚させられる直前に塔から脱出し、第32章でトリトンと結婚。7人の子供を生むが、最終章ではトリトンの死により未亡人となる。しかし夫の後を継いだブルーを始めとする子供達の成長を見て生きる気力を取り戻す。パイロットフィルムではポニーテールの髪型。
トリトンの父
声 - 野田圭一ポセイドンの攻撃で妻と共に命を落とすが、息子のトリトンだけは無事脱出させる。法螺貝にトリトンに向けたメッセージを遺す。
トリトンの母
声 - 沢田敏子トリトンをルカーに託し、自身は夫と運命を共にする。なお、アニメではトリトン族の女性は成人になると人間の姿になる。
トリトンの子供たち
トリトンとピピ子の間に生まれた7つ子の子供たちで、虹の色にちなんで(上から順に)ブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、レッド、バイオレット、ダークブルーと名付けられた。性別はブルーとレッドのみ男で、ほかの5人は女。7人とも性格は全然違う。トリトンの死後、ブルーはトリトンの名を継ぎ、「ブルートリトン」と名乗った。原作のみに登場。
海の仲間
プロテウス
声 -
滝口順平ピピの養父に当たるアザラシ。ミノータスによって氷付けにされ、死亡。
ルカー
声 - 北浜晴子黄金の(アニメでは白)イルカ。トリトンの乳母的な存在。甥にイル・カル・フィンがいる。放送版のアニメのみ額に黄色いV字マークがある。TV版の監督を担当した富野由悠季は、ルカー役の北浜が醸し出す母性を感じさせる芝居が、女性受けしたと指摘している[4]
イル
声 - 大竹宏イルカ三兄弟の長男。アニメでは第2話から登場。メガネをかけている。原作ではしっかり者。
カル
声 - 肝付兼太イルカ三兄弟の次男。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:121 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef