浜堤平野(ひんていへいや、beach ridge plain、strand plain)は、海成堆積低地
、海岸平野の一種であり、海浜の背後に発達した浜堤と、その間に発達した堤間湿地とがみられる海岸沿いの低地である。堤列低地[1]、砂堤列平野[2]ともよばれる。波浪の影響が卓越する海岸において発達する地形である[3]。海岸が弓なりに内陸に入り込んでいる地形の場所(湾入
部)において、河川によって河口まで運搬された砕屑物や海岸の侵食によって生じた砕屑物が、波浪の影響によって海岸へと運搬され、陸側から海側へと海浜堆積物が堆積することで形成される[3]。浜堤(ひんてい)は、海浜の背後に形成させた微高地
である。平面形は海岸線に平行で帯状を示す[1]。堤間湿地
(ていかんしっち)は、新旧の浜堤と浜堤の間にある細長い低湿地である[1]。日本の主な浜堤平野は以下のものが挙げられる[3]。
日本の主な浜堤平野低地名称所在地備考
サロベツ原野北海道豊富町、幌延町海岸沿いの部分
霧多布湿原北海道浜中町
石狩平野北海道石狩市海岸沿いの部分
勇払平野北海道苫小牧市、厚真町
函館平野北海道函館市、北斗市
石巻平野
東金市、大網白里市、白子町、茂原市、長生村、一宮町
富津岬千葉県富津市
越後平野新潟県村上市、胎内市、新発田市、聖籠町、新潟市海岸沿いの部分
鼓ヶ浦、豊津浦海岸三重県鈴鹿市、津市
宮崎平野宮崎県宮崎市
肝属平野鹿児島県大崎町、東串良町
脚注[脚注の使い方]^ a b c 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第2巻 低地. 古今書院. p. 430
^ 海津正倫. 沖積低地の古環境学. 古今書院
^ a b c 田村 享 (2018). “日本列島の波浪卓越海岸”. 第四紀研究 57: 197-210.