この項目では、群馬・長野県境の火山について説明しています。その他の用法については「浅間山 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
浅間山
北方上空から望む浅間山
中央部の火口の外側にカルデラ、手前に溶岩流出跡(鬼押出し)
標高2,568[注釈 1] m
所在地 日本
群馬県吾妻郡嬬恋村
長野県北佐久郡軽井沢町・御代田町
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯36度24分23秒 東経138度31分23秒 / 北緯36.40639度 東経138.52306度 / 36.40639; 138.52306
浅間山(あさまやま)は、長野県北佐久郡軽井沢町及び御代田町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある安山岩質の標高2,568メートルの成層火山。山体は円錐形でカルデラも形成されており、活発な活火山として知られる。 数十万年前から周辺では火山活動が活発であり、浅間山は烏帽子岳などの3つの火山体とあわせて、浅間連峰もしくは浅間烏帽子火山群と総称される。これまでに噴火と山体崩壊を繰り返し、現在の姿となった。大規模な山体崩壊と崩壊土砂が流出した痕跡は、遠く離れた群馬県前橋市の台地上などに厚い堆積物として残っている。現在噴火活動をしているのは、前掛火山である。山頂火口からは噴煙が上がり、その周りには複合のカルデラがあり、内側の外輪山の西側に前掛山がある。北側のカルデラは山頂部から「鬼押出岩」へと流れ出た溶岩流により崩壊している。外側の外輪山には、黒斑山、牙山、剣ヶ峰などがある。気象庁は「100年活動度または1万年活動度が特に高い活火山」として、ランクAの活火山に指定している[2]。 1949年(昭和24年)9月7日に山域は、上信越高原国立公園に指定された[3]。2007年、日本の地質百選に選定された。日本百名山[4]及び花の百名山[注釈 2]に選定されている。 噴火口の位置と溶岩の性質から、3つに分類されている[6]。
概要
火山活動浅間火山の火山体地形図
浅間山の活動史
黒斑期(約13-約2.6万年前)
玄武岩質安山岩及びから安山岩質の溶岩。現在の黒斑山は東に開いた馬蹄形カルデラ
仏岩期(約2.6-約1.3万年前)
浅間山を南から見ると山体右側に膨らみを確認する事ができる。これが仏岩火山である。黒斑山の山体崩壊後に活動を開始し、最盛期の山体の高度は海抜2,000mを越えた。粘性に富む紫蘇輝石・角閃石デイサイト質及び、流紋岩質[9]の厚い溶岩流が繰り返し流出し、緩傾斜の火山体を形成した。軽井沢に隣接する離山は、仏岩期の最初期にあたる約2.6万年前の噴火によって形成された溶岩ドームである。また、白糸の滝は湖成層上に堆積した仏岩期の軽石層から湧水している。群馬県前橋市の岩神稲荷神社にある「岩神の飛石」は、約2万4千年前の崩落で発生した泥流で到達したものと推定されている[10]。約1.6万年前に北関東ローム層の板鼻黄色軽石層 (YP)や、小諸第一火砕流、カラフル火山灰、浅間草津テフラなどを噴出する浅間火山の中では最大級の噴火(合計噴出量4.38 DRE km3)が発生した[8]。万座鹿沢口周辺に見られるベージュ色の崖はこの時の噴出物である。この噴火によってカルデラが形成されたと考えられている。また、この時の噴火の噴出物の総量は10.95km3で火山爆発指数:VEIは6である。これはピナツボ山の1991年の噴火の噴出物の総量(10km3)を上回る大規模なものだった。
前掛期(約1.3万年前-現在)
安山岩質の複成火山で、仏岩火山の活動終了後、黒斑山と仏岩火山の中間地点である浅間前掛火山(狭義の浅間火山)で噴火が始まった。13層の降下軽石層が確認され、大規模噴火の間隔は700 - 800年と考えられている[11]。大きな噴火としては4世紀、1108年、1783年のものが知られ、溶岩流、火砕流の噴出を伴っている。1108年の噴火(噴出物の総量1.55DRE=3.875km3)は1783年(噴出物の総量0.73km3)の噴火の5倍程度の規模で山頂に小規模なカルデラ状地形を形成した。現在は比較的平穏な活動をしているが活動が衰えてきたという兆候は認められない[12]。史書などでは以下の年に噴火している(太字は被害記録があるもの)。
685年、1108年、1281?年、1427年?、1527-1528年、1532年、1582年?、1596年、1598年、1604年、1605年、1609年、1644-1645年、1647-1649年、1651-1652年、1653または1655-1659年、1669年、1704年、1706年、1708-1711年、1717-1718年、1720-1723年、1728-1729年、1732-1733年、1754年、1776-1777年、1783年(天明の大噴火・鬼押出し)、1803年、1815年、1869年、1875年、1879年、1889年[13]、1894年、1899年、1900年、1901年、1902年、1904年、1907年、1908年?、1909年、1910年、1911-1914年、1916年、1917年、1919年、1920年、1921年、1922年、1927年、1928年、1929年、1930年、1931年、1932年、1934年、1935年、1936年、1937年、1938年、1939年、1940年、1941年、1942年、1944年、1945年、1946年、1947年、1951年、1952年、1953年、1954年、1955年、1958年、1959年、1961年、1965年、1972年、1973年、1982年、1983年、1990年、2004年、2008年、2009年、2015年、2019年
記録に残る主な噴火