浄土真宗本願寺派
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浄土真宗本願寺派西本願寺
愛称本派、お西
法人番号7130005000372
法的地位宗教法人
目的この宗門は、親鸞聖人を宗祖と仰ぎ、門主を中心として、宗制を遵守する個人並びに本山その他寺院及び団体を包括し、浄土真宗の教義をひろめ、法要儀式を行い、僧侶、寺族、門徒、信徒その他の者を教化育成し、自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献することを目的とする。
本部京都府京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町本願寺内
門主大谷 光淳
ウェブサイトwww.hongwanji.or.jp
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浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがんじは)とは、浄土真宗宗派の1つで、宗教法人法による宗教法人包括宗教法人)である[1]。宗祖親鸞の墓所である大谷廟堂を発祥とする「本願寺」(西本願寺)本山とする。本派(ほんぱ)、お西(おにし)の通称がある。

2014年12月31日現在の被包括宗教団体数は10,329[2]。 浄土真宗本願寺派の信者数は、約796万人[3]浄土真宗の各宗派中最多である。また、仏教系の宗教法人の中でも最多である。宗教法人全体でも、神社本庁[4] についで2番目に多い(2014年12月31日現在)。
組織

明治時代の初期に、西欧の三権分立をまね、立法(宗会)・行政(宗務所)による施策決定システムを持っている。

現在でも、 ⇒浄土真宗本願寺派宗法 に基づいて、宗務の執行機関である合議制機関「総局」(総長及び総務で構成する。)、立法及び議決機関「宗会」、教義に関する門主の諮問機関「勧学寮」、法規上の訴え、懲戒、係争又は紛争、秩序保持並びに財産の管理及び経理の運営に関する審判と監査機関である「監正局」と国家類似の権力分立の形式を採用している。

なお、2012年4月1日から、浄土真宗本願寺派宗法、宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規、宗教法人「本願寺」寺法、本山典令という浄土真宗本願寺派の宗務法規の変更が実施された。
門主・本願寺住職

本願寺の住職であり宗派としての本願寺派トップである門主宗主)は、親鸞の女系曾孫で大谷廟堂を「本願寺」として寺格化した第3代宗主・覚如の子孫である大谷家が歴代務め、絶大な権力を保持していた。しかし、本願寺派の第22世鏡如(大谷光瑞)シルクロード探検隊を送ったり、海外布教や、学生の教育に力を尽くしたが、それらの大きな費用負担が宗門及び本願寺の財政を危機に陥れたため、鏡如は門主引退に追い込まれた。

本願寺派は再び危機を招かぬように、龍谷門主大谷家の権限を制限することを決定した。大谷家は宗務の権力中枢から、象徴へとその地位を変えた。

浄土真宗本願寺派宗制とともに、宗門の最高規則である ⇒浄土真宗本願寺派宗法浄土真宗本願寺派宗法変更では、門主は本願寺住職をもって充て、「門主は、宗意安心の正否を裁断する」、「法灯を伝承して、この宗門を統一し、宗務を統裁する」)、宗教法人としての規則である ⇒宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規変更では「この宗門の規程たる宗制及び宗法に基き、法灯を伝承して、この宗門を統一し、宗務を統裁する」、本願寺住職としては「法灯を伝承して、この寺院を統一する」( ⇒宗教法人「本願寺」寺法宗教法人「本願寺」寺法変更)と定められている。
伝灯相承

本願寺住職にして門主の伝灯相承の順序は、 ⇒本山典令及び本願寺寺法で、世襲であって、宗祖の系統たる大谷宗家の家系に属する者が、次の順序で伝灯相承される。

住職の相承は、その遷化又は辞任に因って行う。この場合において、新門があるときは、直ちに相承を行う。 1 住職嫡出の長男子2 住職の嫡出の長男子の長男子3 前号以外の住職の嫡出の長男子の子孫4 前各号以外の住職の子孫5 住職の兄弟及びその子孫6 住職の最近親の系統に属する者
門主代務・本願寺住職代務

「門主が遷化その他の事由に因って欠けた場合において、すみやかに門主となるべき本願寺住職の相承を行うことができないとき、又は未成年者であるとき、若しくは相当の期間その職務を行うことができないときは、門主代務を置くものとする。門主代務は、「本願寺の住職代務をもって充てる」とされている。

本願寺住職に事故があるときなどには、本願寺新門は、本願寺住職代務となる(寺法第15条第1項)。
新門・本願寺嗣法

本願寺住職たる門主の「長男子」、長男子がいないときは「長男子の長男子」で、得度式を受けた者は本願寺嗣法と呼ばれる。本願寺嗣法は、本願寺住職を補佐する。

宗法では、「本願寺嗣法は、新門に就任する」と定め、「新門は、門主を補佐する」と定めている。
裏方・本願寺坊守

宗門の裏方は、本願寺坊守が当る。本願寺住職の配偶者を本願寺坊守という。
本願寺衆徒

本願寺には、住職の認許を得て、衆徒を置くことができる。本願寺衆徒は、住職の2親等以内の血族で、得度式を受け、僧籍にある者でなければならない。

現在の門主が新門であった時、配偶者(裏方。婚姻当時新裏方)が僧籍にあったことから、その取扱について検討した結果、宗会の議決を経て、本願寺寺法の施行細則として「本願寺の衆徒に関する特例法」により、「寺法第16条の3の規定にかかわらず、住職の認許を得て、本願寺の衆徒に相当する待遇を受けることができる」こととされた。
住職伝承委員会

本願寺住職の長男子及び長男子の長男子がいないときに、住職の嫡出の長男子、住職の嫡出の長男子の長男子以外の住職の嫡出の長男子の子孫、次子及び長男子の次子等、長男子及び長男子の子孫以外の住職の子孫、住職の兄弟及びその子孫、住職の最近親の系統に属する者のいずれに伝灯相承させるかを決定するのは、住職伝承委員会である。

住職伝承委員会は、次の者で組織される。1 住職又は住職代務2 住職であった者(前住)3 坊守4 住職であった者の配偶者又はその生存配偶者5 嫡出の長男子、嫡出の長男子の長男子(未成年者を除く)6 嫡出の長男子、嫡出の長男子の長男子の配偶者7 住職及び嫡出の長男子、嫡出の長男子の長男子の血族1親等の尊属8 住職及び住職であった者の2親等以内の血族で、年齢25年以上の僧侶9 本願寺執行長、本願寺評議会議長10 宗門の総長、宗会議長、勧学寮頭及び監正局長

住職伝承委員会は、本願寺執行長の申達によって、住職又は住職代務が招集する。ただし、住職及び住職代務がともにないとき、又は事故があるときは、本願寺執行長が招集する。
総局

「宗意安心に関する事項及び別に定める事項を除き、宗務を執行する権限は、総局に属する」「総局は、合議制とし、総長及び3人の総務で組織する」「総長は、宗規の定めるところによって、代表役員となり、総務は、代表役員以外の責任役員となる」「総局は、宗務の執行について、宗会に対し責任を負う」と定めている。
総長

総長は、総局を代表し、その事務を総理する。総長は、宗務を必要な各部門に分け、総務に分掌させ、又自ら所管することができる。但し、必要により、部門を所管しない総務を置くことができる。

宗教法人「浄土真宗本願寺派」の代表役員であるのは、総長である。もっとも、代表役員の宗教法人の事務に関する権限は、「宗教上の機能に対するいかなる支配権その他の権限をも含むものではない」とされている(宗教法人法第18条)。

真宗十派の中で本願寺派のみ「宗務総長」ではなく、「総長」と称する。

総長は、宗会議員総選挙の後に初めて、宗会の招集があったとき(宗会の解散による宗会議員総選挙後の最初の宗会では、必ず信任を問い、それが否決されたとき。)、又は宗会で不信任の決議案が可決し、若しくは信任の決議案を否決した場合において、2日以内に、門主の認許を得て総長が宗会を解散しないときは、退任しなければならない。

総長は、浄土真宗本願寺派教師のうちから門主の指名する2人又は3人の総長候補者について、宗会が選挙を行い、その当選人を門主が任命する。

学校法人龍谷大学寄附行為第6条により、学校法人龍谷大学の理事長は総長の充て職でもある。
総務

総務は、総長を補佐し、所管の事務について、総長に対し責任を負う。

総務は、浄土真宗本願寺派教師のうちから、総長の申達によって、門主が任命する。総務は総長が退任し、又は欠けたときは、退任しなければならない。
副総務

副総務は、総長の申達によって、門主が任命する。副総務は総長が退任し、又は欠けたときは、退任しなければならない。副総務は、総局会議の構成員ではない。
本願寺内局
本願寺執行長

宗教法人「本願寺」も、代表役員は本願寺住職ではなく、「本願寺執行長」(しゅぎょうちょう)である。本願寺執行長は、浄土真宗本願寺派教師のうちから本願寺住職の指名する2人又は3人の本願寺執行長候補者について、本願寺評議会が選挙を行い、その当選人を本願寺住職が任命する。
本願寺副執行長

本願寺の本願寺副執行長(ふくしゅぎょうちょう)は、浄土真宗本願寺派教師のうちから本願寺住職の認証を得て、本願寺執行長が任命する。

本願寺執行長が退任し、本願寺執行長が欠けたときは、本願寺副執行長は退任しなければならない。
本願寺執行

本願寺の本願寺執行(しゅぎょう)は、寺務職員のうちから執行長が任命する。本願寺執行長が退任し、本願寺執行長が欠けたときは、本願寺執行は退任しなければならない。
本願寺評議会
宗派名の制定

「浄土真宗本願寺派」という宗名が正式に定められたのは1877年明治10年)である。


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