洞爺丸台風
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洞爺丸台風(台風第15号・マリー/Marie)
カテゴリー1の
タイフーンSSHWS
発生期間1954年(昭和29年)9月21日 3:00?9月28日 9:00(台風でない期間:9月21日 9:00?9月23日 9:00)
寿命5日6時間
最低気圧956 hPa
最大風速
米海軍解析)75 knot
上陸地点鹿児島県大隅半島北部
死傷者数死者1,361名・行方不明者400名
被害地域 日本
プロジェクト : 気象と気候災害
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洞爺丸台風(とうやまるたいふう、昭和29年台風第15号、国際名:マリー/Marie)は、1954年(昭和29年)9月に、北海道を中心に大きな被害を出した台風である。
概要

この台風は九州地方中国地方を上陸通過し、日本海へ抜けた後に更に発達しながら北上。函館港沖では洞爺丸事故を、フェーン現象により岩内町では3,300戸を焼失させる岩内大火を引き起こすなど、北海道を中心に多数の犠牲者を出した台風である[1]

豪雨による水害をほぼ起こさなかった反面、強風による被害を大量にもたらした、いわゆる「風台風」であった。

1954年の15番目に発生した台風という意味で「台風15号」とされているが、事後解析により、この年の台風2号と台風10号は、台風の勢力に達していなかったとされて台風のリストから外されているため、実際には13番目である。

気象庁は、1958年9月に伊豆半島関東地方に甚大な被害をもたらした、昭和33年台風第22号を同年11月に「狩野川台風」と命名したことに伴い、1954年の台風15号についても遡って「洞爺丸台風」と命名した。

気象庁命名台風気象庁命名名称国際名年
洞爺丸台風昭和29年台風第15号Marie1954年
狩野川台風昭和33年台風第22号Ida1958年
宮古島台風昭和34年台風第14号Sarah1959年
伊勢湾台風昭和34年台風第15号Vera
第2室戸台風昭和36年台風第18号Nancy1961年
第2宮古島台風昭和41年台風第18号Cora1966年
第3宮古島台風昭和43年台風第16号Della1968年
沖永良部台風昭和52年台風第9号Babe1977年
令和元年房総半島台風令和元年台風第15号Faxai2019年
令和元年東日本台風令和元年台風第19号Hagibis

経過洞爺丸台風の進路図

台風15号は、9月18日カロリン諸島付近で熱帯低気圧として発生し、21日には台風となったが、すぐに勢力が衰えた。

ところが、23日には台風に復活、23日9時には中心気圧992ミリバール(mb、現在のヘクトパスカルに同じ)、24日9時990ミリバール、25日9時には975ミリバールと次第に発達しながら台湾の南東海上で転向、急激に加速しながら北東に進み、9月26日未明に鹿児島県大隅半島上陸、このときの勢力は中心気圧965ミリバール、最大風速40メートルであった。

時速75キロから80キロで九州を斜走。上陸後以降に勢力を増し、朝には中国地方から日本海に出てさらに時速110キロという異例の速さに加速しながら北東から北北東に進んだ。風速20m以上の暴風圏は26日段階で九州から北海道まで日本全土に広がった[2]

9月26日9時には964ミリバール、15時には960ミリバール、北海道西岸に達した21時には956ミリバールとなっている。その後、北海道からオホーツク海を進み、9月28日9時にカムチャツカ半島付近で温帯低気圧に変わったが、通常の場合、海水温が低下した9月末の日本海で台風が発達することはほとんど考えられないため、実際には、台風が九州に上陸する9月26日3時頃から温帯低気圧に性質を変えていた(いわゆる「爆弾低気圧」と呼ばれる状態になっていた)と見られる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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