『泥棒かささぎ』
1817年初版楽譜
ジャンルオペラ・セミセリア
作曲者ジョアキーノ・ロッシーニ
作曲年1817年
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル クラシック音楽
『泥棒かささぎ』(どろぼうかささぎ、伊: La gazza ladra)は、ロッシーニが1817年にミラノ・スカラ座向けに彼としては3ヶ月という異例の期間を設けて作曲したオペラ・セミセリア。台本は、T.B.ドービニー
及びルイ・シャルル・ケーニエ合作の悲劇「La Pie voleuse」を基にジョヴァンニ・ゲラルティーニが執筆した。演奏時間は約3時間半(序曲9分、第1幕1時間40分、第2幕1時間40分)ロッシーニは、当時まだ創設40年ほどしか経っていないミラノスカラ座のために1812年に「試金石
」を、1814年には「イタリアのトルコ人」を作曲していた。まだ創設からの歴史が浅いスカラ座で「試金石」でオペラ作曲家としての初成功を収めたことや、続く「イタリアのトルコ人」が「アルジェのイタリア女」の二番煎じとして誤解されていたことや、ドイツやウィーンでの音楽の動向に敏感なミラノの聴衆を意識して、オペラ・ブッファやナポリのサン・カルロ劇場向けに書いていたオペラ・セリアとはまた別の形の題材を選んだ。作曲は1817年3月ごろ着手し、同年5月頃に完成された。初演は1817年5月31日、ミラノ・スカラ座で行われ、2008年3月7日には東京文化会館で藤原歌劇団公演により日本初演された[1]。 音楽・音声外部リンク
作品の特徴
序曲のみ試聴する
Rossini, Sinfonia da La gazza ladra
Rossini:Ouverture 'La Gazza Ladra' - Boian Videnoff指揮Mannheimer Philharmonikerによる演奏。Mannheimer Philharmoniker公式YouTube。
G.Rossini - La Gazza Ladra, Overture - Leonardo Catalanotto指揮Orchestra Del Teatro Massimo Belliniによる演奏。当該指揮者自身の公式YouTube。
本作品は19世紀初頭にフランスで流行していた「救出オペラ」の流れを受け、以下の特徴を持っている。
当時の社会情勢を反映して、農民や庶民たちと、彼らに不当な圧力をかける権力者(この作品では代官)との対決があり、前者に属するヒロインが自分と同じ階級の恋人や愛人がいるにもかかわらず、権力者から横恋慕され悲劇が始まる。
権力者に囚われたヒロインが冤罪に陥れられ、それを嘆くヒロインを描く法廷の場や牢獄の場を書き入れる。
そのような絶体絶命のピンチに陥ったヒロインが、最後は二つの階級を超越した立場の領主や国王などの絶対的な権力者によって救われハッピーエンドとなる。
という物語が繰り広げられる。しかし、初演時はナポレオン戦争に世間が振り回された後ということもあり、その疲れからか、真犯人をカササギに設定することによって、一服の清涼感を聴衆に与えることにもなっているとされている。
劇中の音楽はロッシーニのオペラとしては珍しくすべて書き下ろしで構成され、有名な序曲も、ロッシーニの他の作品と異なり、オペラ本体の音楽から採用されている。
例えば
主部第1主題(アレグロ・ホ短調・4分の3拍子)…第2幕第1場のニネッタとピッポの二重唱
主部クレッシェンド主題(アレグロ・ト長調・4分の3拍子)…第2幕第1場の代官のアリア(アレグロ・ハ長調4分の3拍子)
がその一例として挙げられよう。そして、冒頭の小太鼓のドラムロールは死刑台へと向かうニネッタを暗示したものとなっている。 2幕4場からなる。
構成
第1幕
第1場…ファブリッツィオ家の中庭
第2場…ファブリッツィオ家の一階の部屋
第2幕
第1場…ニネッタのいる牢獄と面会所
第2場…ファブリッツィオ家の一階の部屋
第3場…法廷
第4場…村の広場
編成
登場人物
ニネッタ・ヴィッラベッラ(ヴィングラディート家の女中でジャンネットの恋人)…ソプラノ
ジャンネット・ヴィングラディート(ニネッタの恋人)…テノール
ルチーア・ヴィングラディート(ジャンネットの母)…メゾソプラノ
ファブリッツィオ・ヴィングラディート(ジャンネットの父)…バス
フェルナンド・ヴィッラベッラ(ニネッタの父で逃亡兵)…バス
ピッポ(ヴィングラディート家の召使いの青年)…メゾソプラノ
代官…バス
イザッコ(行商人)…テノール
アントーニオ…テノール
ジョルジョ…バス
エルネスト…バス
裁判官…バス
管弦楽
フルート 2(ピッコロ持ち替え)
オーボエ 2
クラリネット 2
ファゴット 2
ホルン 4
トランペット 2