河童のクゥと夏休み
Summer Days with Coo
監督原恵一
脚本原恵一
原作木暮正夫
出演者冨澤風斗
横川貴大
田中直樹(ココリコ)
西田尚美
松元環季
安原義人
植松夏希
『河童のクゥと夏休み』(かっぱのクゥとなつやすみ、英題:Summer Days with Coo)は、2007年の日本のアニメーション映画。文部科学省特別選定作品及び日本PTA全国協議会特別推薦作品に選ばれた。 現代社会に蘇った河童の子供「クゥ」と、少年・康一との友情、そしてそれを取り巻く人間模様を描く。環境問題、いじめ、マスコミの報道過熱など日本の社会問題を風刺しながら、大量消費社会へ不変性を以って対抗する家族の物語でもある。 変わるものと変わらないものの対比という構図は、小津安二郎の『東京物語』と共通している。 原作は木暮正夫の児童文学『かっぱ大さわぎ』『かっぱびっくり旅』[2]。製作発表時の仮題は『河童のくれた贈り物』だった(絵コンテでのタイトルは『河童おおさわぎ』となっている)。 アニメーション制作は『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』等で知られるシンエイ動画が手がけているが、本作は同社の現社名変更後初めての劇場オリジナル作品となる。これまではTVアニメの劇場版が中心だった。 監督は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』などを監督した、原恵一。『戦国大合戦』以来5年ぶりとなる原監督の新作として注目され、第11回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞のほか、第81回キネマ旬報ベストテン[3]にも選出された。 原はこの原作を20年もの間、アニメ化したいと願っていたという。1980年代後半、漫画原作のアニメ化が隆盛となり、「このままでは漫画作品しかアニメ化出来なくなるのではないか」という危惧を抱いた。そこで児童文学作品を読み漁り、出会ったのが本作の原作の一つである『かっぱびっくり旅』であった。原はアニメ化の許可を得るために木暮の許へ訪れた際、内容を大幅に脚色したいという旨を伝えた。木暮は「クゥが再び世に出るのなら、どんな形でも」と、アニメ化を承諾した[4]。原作は「ヒガシタチバナ市」という設定で、群馬県の架空の都市となっているが、本作の舞台は東京都東久留米市に設定された。これは、原が木暮邸を訪れた際に市内を流れる黒目川の橋などを気に入り、舞台として導入したためである。 完成の10年程前に、エニックス(当時)が募集するアニメ企画に応募し、佳作までに至っているが、それ以降の進展はなかった[5]。
概要