(?)-没食子酸エピガロカテキン
IUPAC名
[(2R,3R)-5,7-dihydroxy-2-(3,4,5-trihydroxyphenyl)chroman-3-yl] 3,4,5-trihydroxybenzoate
優先IUPAC名
没食子酸エピガロカテキン(もっしょくしさんエピガロカテキン、Epigallocatechin gallate、EGCG)はエピガロカテキンと没食子酸のエステルであり、カテキンの一種である。エピガロカテキン3-ガラートとしても知られる。
EGCGは、植物の中で特に茶に最も豊富に含まれているカテキンである。強い抗酸化活性を示す。緑茶に含まれており、紅茶ではEGCGがテアルビジンに変換されているため含まれていない[要出典]。EGCGは多くのサプリメントに用いられている。
目次
1 性質
2 有効性
2.1 基礎研究
3 副作用
3.1 薬物相互作用
4 安全性
5 外用
6 スペクトルデータ
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
性質[ソースを編集]
高温環境では、エピメリ化が起こる可能性が高いが、30秒間沸騰する水に曝されていてもEGCGの全量の12.4%しか減少せず、短い時間での減少は統計的に有意ではなかった。実際に、沸騰水以上の温度の特殊な条件でも、量の減少はわずかにしか増大しなかった[1]。
有効性[ソースを編集]
8件のランダム化比較試験 (RCT) のメタアナリシスから、300mgのEGCGのみでエネルギー代謝の効率を高める可能性がある[2]。緑茶の飲用による減量効果は、これに含まれる1日あたり100-460mgのEGCGと関連しているが、またカフェインの量がこの効果の重要な要因であった[3]。17件のRCTから、107-856mgのEDCGで低密度リポタンパク質コレステロール (LDL-C) を低下させた[4]。
基礎研究[ソースを編集]
EGCGは複数の基礎研究において試験管内の乳がん細胞の増殖を妨害している[5]。
緑茶中のEGCGが、ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 感染の治療において有益であるとの研究がある。EGCGは、実験室においてAIDS関連の認知症と関連しているプラークを減少させ、gp120(英語版)の働きを阻害した[6][7][8]。しかし、ヒトでの臨床試験では実証されておらず、緑茶がHIV感染を治療あるいは予防することを示してはいない。しかし、副作用と関係がない限りは、ウイルス量(英語版)の制御を助ける可能性がある。これらの研究で使用されているEGCGの濃度は、実際に飲まれる緑茶では到達することが出来ない。EGCGとHIVに関するさらなる研究が進行中である[9]。
米ジョージア医科大学での基礎研究によると、EGCGはシェーグレン症候群を含むある種の自己免疫疾患に対して予防効果があるのではないかとされている[10][11]。