江戸川乱歩賞
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江戸川乱歩賞
受賞対象広い意味の長編
推理小説
会場帝国ホテル
日本
主催江戸川乱歩賞選考委員会(第1回-第6回)
日本探偵作家クラブ(第7回-第8回)
日本推理作家協会(第9回-現在)
報酬正賞:江戸川乱歩
賞金:500万円
初回1955年
最新回第69回(2023年)
最新受賞者三上幸四郎『蒼天の鳥たち』
公式サイト ⇒http://shousetsu-gendai.kodansha.co.jp/special/edogawa.html

江戸川乱歩賞(えどがわらんぽしょう、通称:乱歩賞、英称:Edogawa Ranpo Award)は、1954年江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会(旧:日本探偵作家クラブ)により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞
概要

第3回以降は、長編小説を公募し、優秀作品に与えられることになった。現在では推理作家への登竜門として知られている。

正賞として江戸川乱歩像が、副賞として1000万円が贈呈される。また、受賞作は講談社から出版される。1992年の第38回からはフジテレビが後援に加わり、受賞作が同局にて単発ドラマ化、あるいは、映画化されるようになった。

正賞として与えられる像は、第48回までは「シャーロック・ホームズ像」であったが、第49回からは「江戸川乱歩像」に変更された[1]

受賞作は講談社文庫に収録されるが、近年では絶版入手不能となるものも増えてきたため、1989年9月より講談社文庫から江戸川乱歩賞全集が刊行され、受賞作および全選評を収録することとなった。2006年9月時点で18巻までが刊行されている。しかし刊行当初には全受賞作を収録する予定であったが、一部受賞作については著者の了解が得られなかったとして収録されていない作品もある。

2004年4月には、乱歩賞作家が執筆した中篇を集めた単行本『乱歩賞作家 赤の謎』が刊行された。その後、1か月ごとに『白の謎』『黒の謎』『青の謎』の計4冊が刊行された。

受賞者は第2作発表の場も含め、講談社の強いバックアップによって育成されていくという慣行がある。そのため、新人賞としてものちのち活躍していく作家の率が非常に高い。岡嶋二人は受賞後、編集者に「直木賞を受けて消えた作家はいても、乱歩賞を受けて消えた作家はいない」(消えた、の定義にもよるが、実際はゼロではない)と言われたという。

第68回より、江戸川乱歩ゆかりの豊島区とパートナーシップを結び、贈呈式を一般公開する[2]。併せて賞金を500万円に減額することが発表された。

贈呈式の一般公開に踏み切った経緯は、非公開は明確な理由が無く慣例だったことや、「社会派ミステリに限定」「大人向け」「プロフィールで判断される」などの噂が広まったことで、応募のハードルが高いと思われている賞をオープンにしたいという理由である[2]
受賞作一覧
第1回から第10回

回(年度)応募総数賞受賞作著者初刊文庫化
第1回(1955年度)受賞探偵小説辞典
中島河太郎
第2回(1956年度)受賞ハヤカワ・ポケット・ミステリ
の出版早川書房
第3回(1957年度)96編受賞猫は知っていた仁木悦子1957年12月[注 1]1975年1月
候補背徳の街[注 2]飛鳥高1958年10月
お天狗様の歌[注 3]土屋隆夫1958年6月[注 4]1975年8月[注 5]
第4回(1958年度)107編受賞濡れた心多岐川恭1958年11月1977年3月
候補哀傷日記志保田泰子
黒百合はなぜ咲いた朝吹賢司
天に代りて不義を討つ佐世保太郎
第5回(1959年度)113編受賞危険な関係新章文子1959年10月1978年9月
候補招かざる客[注 6]笹沢佐保1960年3月1971年8月[注 7]
罠をさがせ松尾糸子
当選させたのは誰だ大雅寛生
第6回(1960年度)受賞作なし
候補すれ違った死五十嵐静子[注 8]
北大東島宇治千介
醜聞黒川俊介[注 9]
白い廃園膳哲之助
ハイムダールの誘惑藤井礼子[注 10]


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