汝陰郡（じょいん-ぐん）は、中国にかつて存在した郡。三国時代から唐代にかけて、現在の安徽省北部と河南省南部にまたがる地域に設置された。 238年（景初2年）、三国の魏により沛国の蕭・相・竹邑・符離・?・?・竜亢・山桑・?・虹の10県を分離して、汝陰郡が立てられた[1]。汝陰郡は豫州に属した。後に廃止された。
概要
東魏のとき、汝陰郡は北揚州に属し、汝陰・宋・許昌の3県を管轄した[3]。
583年（開皇3年）、隋が郡制を廃すると、汝陰郡は廃止されて、潁州に編入された。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、潁州は汝陰郡と改称された。汝陰郡は汝陰・潁陽・清丘・潁上・下蔡の5県を管轄した[4]。
621年（武徳4年）、唐が王世充を平定すると、汝陰郡は信州と改められた。623年（武徳6年）、信州は潁州と改められた。742年（天宝元年）、潁州は汝陰郡と改称された。758年（乾元元年）、汝陰郡は潁州と改称され、汝陰郡の呼称は姿を消した[5]。 南北朝時代の南朝においては、汝陰郡の本土が北朝の統治下にあったため、幾度か僑郡の汝陰郡が置かれた。 南朝宋のとき、南汝陰郡は南豫州に属し、汝陰・慎・宋・陽夏・安陽の5県を管轄した[6]。南朝斉のとき、南汝陰郡は豫州に属し、慎・汝陰・宋・安陽・和城・南頓・陽夏・宋丘・樊・鄭・東宋・南陳左・辺水の13県を管轄した[7]。 南朝宋のとき、汝陰郡は豫州に属し、汝陰・宋・安城・楼煩の4県を管轄した[6]。南朝斉のとき、西汝陰郡と改められた。西汝陰郡は楼煩・汝陰・宋・陳・平豫・固始・新蔡・汝南・安城の9県を管轄した[7]。 南朝梁のとき、合州に汝陰郡が立てられた。東魏がその地を奪った。この汝陰郡は汝陰・天水の2県を管轄した[3]。 南朝梁のとき、定州 魏（咸熙2年、紀元264年）
僑置汝陰郡
南汝陰郡
西汝陰郡
合州の汝陰郡
南定州の汝陰郡
脚注^ 『三国志』魏書明帝紀
^ 『晋書』地理志上
^ a b c 『魏書』地形志二中
^ 『隋書』地理志中
^ 『旧唐書』地理志一
^ a b 『宋書』州郡志二
^ a b 『南斉書』州郡志上
表
話
編
歴
三国の行政区分
野王郡