永沢君
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この項目では、『ちびまる子ちゃん』から派生したスピンオフ作品について説明しています。『ちびまる子ちゃん』における登場人物の永沢君については「ちびまる子ちゃんの登場人物#レギュラー(クラスメート)」をご覧ください。

『永沢君』(ながさわくん)は、さくらももこ作の漫画。小学館の『ビッグコミックスピリッツ』及び『ビッグコミックスピリッツ21』に連載された。連載期間は1993年1月から1995年5月まで。全18話からなり、1995年5月には全1巻の単行本が小学館から発売された。

その後、『ビッグコミックスピリッツ』1996年2・3合併号から1997年8号にかけて、『4コマ!!永沢君』[1]と小説『永沢君の詳細』が連載された。この2作品は10年以上も単行本化がなされないまま推移したが[2]2013年5月に関連作品などをまとめた『てんこ盛り!!永沢君』に収録される形で小学館によって単行本化された。

2019年2月には、集英社から単行本の新装版と、『てんこ盛り!!永沢君』の増補版となる『永沢君、推し!!』が発売された。
内容

ちびまる子ちゃん』の登場キャラクターのひとり永沢を主人公におき、彼とその周りの人達の中学校生活を描いている。舞台は「清水市立桜中学校」。時間軸は、『ちびまる子ちゃん』本編から6年後(永沢たちが中学校3年生の時期)。『ちびまる子ちゃん』同様、進級させない設定で連載された(最終回と、小説「永沢君の詳細」は除く)。中学生男子の行動を視点にした作品であり、青年誌ならではのブラックユーモア下ネタともとれるギャグが多く、『ちびまる子ちゃん』とは異なる作風で楽しめる内容になっている。第1話の初めは、『ちびまる子ちゃん』の第1話と似たような始まり方になっている。『ちびまる子ちゃん』で用いられた、ナレーションが登場人物にツッコミを入れる手法は受け継がれていない[3]

『4コマ!!永沢君』では、本編では描かれなかったエピソードが補完されたほか、初めて名前が明かされた登場人物もいる。小説『永沢君の詳細』では、永沢家の過去(『ちびまる子ちゃん』以前)のエピソードが綴られた。
主な登場人物

本作は名字または下の名前のみの設定が多く、『ちびまる子ちゃん』でも登場する人物のフルネームについては、同作における設定も併用している。他の同級生が成長に伴う頭身の引き上げが行われているのに対し、永沢・藤木・小杉の3名は、低めの頭身のままで描かれていることが多い。本作の登場人物は、オリジナルキャラクターの割合が大半を占めており、作者[4]やアニメ『ちびまる子ちゃん』の設定資料[5]で実在人物と明言されているキャラクターの出番は、回想シーンを含めても数えるほどしかない。
『ちびまる子ちゃん』で既出の登場人物
永沢 君男(ながさわ きみお)
この漫画の主人公。作中では「永沢君」「永沢」と呼ばれる場合が多い。母親からは「おにいちゃん」と呼ばれている。特徴的なタマネギ頭に、サイズの小さな
学生帽を着用している。体重は43kg。6月6日生まれ[6]。父親、弟の太郎も同様にタマネギ頭である。かなりの毒舌家で、結構嫌味な性格。しかしゲヘ相手にエロ本を借りた義理を果たすなど最低限の良識は持ち合わせている。おだてられて赤面したり、ラジオのハガキ投稿での不手際などによる傷心から自室で涙を流すなどの情緒的な面を垣間見せることもある。名前の由来は、父親の秀夫が直感的に「永沢君、男!!」と発言したのが発端[7]。赤ん坊の頃の第一声は「いやだ」で、この頃から憎たらしい雰囲気を放っており、幼年期に両親から十分な愛情を注がれず、弟に「太郎」の名がつけられる一因にもなった。お笑いが好きで、ラジオのギャグ投稿コーナーにハガキを出したことも。ペンネームは「キンタマネギ男(お)」。「キジフ・ゲルーシ」と言うハガキ職人に憧れている(正体は藤木)。投稿したハガキが宛先間違いで戻ってきたところを母親に読まれてしまい、その内容とペンネームで泣かれた事がある。藤木・小杉とは友人ではあるが二人を見下しており、ことあるごとに貶めている。小学3年生の頃に自分の家が火事になり、火がトラウマになっていたが、よその家が火事になろうが冷静でいられることに気付き克服している。城ヶ崎姫子に好かれているが気付いておらず、むしろ姫子のことは好きではないらしい[8]。修学旅行以来、同じお笑い好きな野口のことが気になっている。最終話(第18話)で志望校に落ちてしまい、今まで自分があざ笑っていた連中(倉田、川口、ゲヘ、カツヤン)ばかりと一緒になる第二志望の高校に行くことになる。仲の良かった藤木や小杉とは違う高校に行くことになり、卒業式で藤木・小杉から「学校が変わっても友達だ」との励ましを受けるが、彼らの内心を察して嫌味で返答する。永沢本人も受験の失敗を悔しがるのみで、藤木・小杉と離れた寂しさは感じていなかった。バレンタインには、「H・J」なる人物(城ヶ崎姫子)からチョコを靴箱に入れられたが、永沢は「H・J」を、ヒデじいだと思ってしまった。本作での詰襟姿が、未来の永沢としてアニメ『ちびまる子ちゃん』に逆輸入されたこともある[9]。ラジオのハガキ投稿に関わる話は、2022年の舞台「ちびまる子ちゃん THE STAGE(まるステ)」にも使われている(ただし、ペンネームの「キンタマネギ男」は別の名前に差し替えられた)。
藤木 茂(ふじき しげる)
永沢とは小学3年生の頃から仲良し。基本的にいい奴な反面、いざという時は卑怯な性格。本人は「卑怯者はスパイになれる」と言って開き直っている。英語で3点[10]をとるなど学業は不得意な反面、ユーモアセンスに富んでいてかなり永沢も憧れるほどのハガキ職人でもある。ペンネームは本名をもじった「キジフ・ゲルーシ」。当初永沢は正体が藤木であることを知らなかったが、それを知った時は「たかが藤木君のギャグで笑った自分が憎い」と強いショックを受けていた。小学生時代から笹山かず子[11]が好きだったが、修学旅行以来一緒の班だった堀こずえが気になっている。また、バレンタインデーには「K・H」と名乗る人物からチョコレートを貰っているが永沢君からは平岡くさよだと言われた。最終話では小杉(と城ヶ崎)とは同じ高校に行くことになるが、永沢は落ちたため卒業後は離れることになる。内心では永沢に愛想を尽かしていた節があり、小杉に永沢の長所を挙げることが出来ず[12]、永沢と高校が離れた時には安堵の表情を浮かべていた。本編・4コマを通して最低でも二度小杉を裏切っておきながら内心で高校でも小杉との縁が続くことを嘆くふてぶてしい面がある。本作での詰襟姿が、未来の藤木としてアニメ『ちびまる子ちゃん』に逆輸入されたこともある[13]。ハガキ職人「キジフ・ゲルーシ」として活躍している設定は、舞台「まるステ」にも使われている。
小杉 太(こすぎ ふとし)
永沢・藤木と同じクラス。小学生時代と同様の肥満体型で、体重は永沢の倍の86kg。大らかで性格は良いが、永沢曰く愚鈍。永沢とは小学3年生のときから同じクラスにいた[14]ことになっているが、仲良くなったのは中学の頃からである。永沢・藤木とは友人だが永沢の思いやりのなさに辟易している。一度もてたいためにやせようとしたことがあるが結局はやせていない。修学旅行中に永沢から精神的な攻撃を受け続けたこともあり、永沢と高校が離れた際には藤木と同様に安堵の笑顔を浮かべていた。4コマ版では、藤木の卑怯さに愛想を尽かして仲違いしたこともある(その後、いつの間にか仲直りしている)。食いしん坊で厚かましいという『ちびまる子ちゃん』において特徴的な性格設定は、本作では描写されていない。また、初登場時は眉毛が太かった。
花輪 和彦(はなわ かずひこ)
お金持ちの家の息子。英語のテストでは100点を取っており、成績優秀。相変わらずヒデじいが送り迎えをしている。堀こずえに好意を持っている。
西城 秀治(さいじょう ひでじ)
第12話に登場。愛称「ヒデじい」。放課後に花輪のゲタ箱の中のチョコレートの山を持って帰ってくれと頼まれる。ラストで永沢のゲタ箱にチョコレートを入れた相手だと彼に勘違いされる(本当は城ヶ崎姫子)。
冬田 美鈴(ふゆた みすず)
城ヶ崎曰く、その容姿の悪さが永沢とお似合いで羨ましいとのこと。本作では1コマ(第10話)しか登場していない。
永沢 太郎
第1話・第13話、4コマ版、「永沢君の詳細」に登場。永沢の弟。作中では「太郎」または「たろう」表記となっている。家が火事のときはまだ赤ん坊だったが、本作では成長して口が達者になっている。年齢は推定で5才または6才(「ちびまる子ちゃん」時代から6年前後が経過しているため)兄と同じくタマネギ頭が特徴的で、兄よりは純真な性格らしい。
永沢 ヨシ子
永沢の母。名前は『てんこ盛り!!永沢君』にて判明。第1話から登場。口うるさい所があるが、息子の成長を感じて「さびしいもんだねぇ」と涙を流す感傷的な一面も見せる。永沢の幼少期には、夫婦喧嘩で半年間家出する、霊感商法の被害に遭う、文通相手の外国人との密会など、波乱含みの人生を歩んでいる。
永沢 秀夫
永沢の父。名前は『てんこ盛り!!永沢君』にて判明したが、『ちびまる子ちゃん』とは名前の設定が異なる[15]。出番は「永沢君の詳細」がほとんどで、漫画では第1話しか登場していない。タマネギ頭。永沢の幼少期には、妻の家出の原因を作ったほか、行きつけのバーのママと不倫もしていた。妻のことは結婚当初は家政婦的な目で見ていたが、永沢出産後の数々の騒動を経て、原因については互いに隠したままではあるものの妻と和解、改めて夫婦として歩むことを誓った。
ビートたけし
実在の芸人。『ちびまる子ちゃん』時代は無名だったが、本作では漫才ブームの中、名を上げている。直接は登場しないが、漫才コンビ「ツービート」として相方のビートきよし[16]と共に作中のテレビ番組に出演している。永沢や藤木は、彼のファンになっている。同じ時間軸である漫画版『ひとりずもう』でも、ももこ(まる子)や彼女の両親がファンになっている。
回想シーンのみ

第8話の火事の記憶の回想シーン(2コマ)のみに登場した人物。
さくら ももこ
『ちびまる子ちゃん』の主人公こと「まる子」だが、本作では回想シーンと、野口の台詞の中でしか登場していない。家が火事になった永沢を励ました。第2話に、中学校3年生時代の彼女に似た二つ結びの
[17]女子が登場するが、別人である。
穂波 たまえ(ほなみ たまえ)
愛称「たまちゃん」。まる子とは仲良し。家が火事になった永沢を励ました。
浜崎 憲孝(はまざき のりたか)
愛称「はまじ」。家が火事になった永沢を励ました。
『永沢君、推し!!』のみ
山根 強(やまね つよし)
『永沢君』本編には登場しないが、『4コマちびまる子ちゃん』の一部が『永沢君、推し!!』に収録されており、その中で数コマ登場している
[18]
本作で初出の登場人物

以下の2人は後に『ちびまる子ちゃん』にも小学生キャラとして移入された。


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