永井路子
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1961年ごろ
臼井吉見『15年目のエンマ帖』中央公論社)
誕生 (1925-03-31) 1925年3月31日
日本東京府東京市本郷区
死没 (2023-01-27) 2023年1月27日(97歳没)
日本東京都中央区
職業小説家
言語日本語
国籍 日本
最終学歴東京女子大学国語専攻部
ジャンル歴史小説、評論
代表作『炎環』(1964年)
『北条政子』(1969年)
『氷輪』(1981年)
『雲と風と』(1988年)
『岩倉具視』(2008年)
主な受賞歴直木三十五賞(1964年)
女流文学賞(1982年)
菊池寛賞(1984年)
吉川英治文学賞(1988年)
毎日芸術賞(2009年)
パートナー黒板伸夫(夫)
ウィキポータル 文学
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古河文学館の別館として利用されている永井路子旧宅
茨城県古河市

永井 路子(ながい みちこ、1925年大正14年〉3月31日 - 2023年令和5年〉1月27日)は、日本歴史小説家。本名は黒板擴子(くろいた ひろこ)。茨城県古河市名誉市民[1]
来歴・人物

東京府東京市本郷区に生まれる。実父は来島清徳、実母は声楽家の永井智子。実父は生後数年で死去している[2]

母が一人娘だったため、母の実家を継ぐ目的で[2]、血縁的には大叔父に当たる永井八郎治の長女として入籍。3歳で茨城県古河町(現:古河市)に転居して[1]、当地で育つ。茨城県立古河高等女学校(現:茨城県立古河第二高等学校)卒業。1944年、東京女子大学国語専攻部を卒業[1]。戦後は東京大学で経済史を学んだ[3]

1949年、歴史学者の黒板勝美の甥で同じく歴史学者となる黒板伸夫と結婚し、東京・中野に転居[1]。同1949年小学館入社[1]、『女学生の友』や『マドモアゼル』等の編集に従事。編集に関わりながら、歴史小説を書く[1]。1958年、筆名・永井路子を使いはじめる[1]

編集者としても有能であり、「白いトックリのセーターに黒のタイト姿で、夜遅くまで仕事をする彼女は若い男性社員の憧れの的であった」と大村彦次郎は述べている。担当した作家には松本清張らがいる[4]。『近代説話』の同人となり、歴史に対する独特の視点で同誌に発表した作品は有名であった。近代説話の発起人だった司馬遼太郎は、この雑誌をやめたいと漏らしていたが、永井が直木賞を取るまでは雑誌発刊を続けようと考えたほどである[4]

1961年、『マドモアゼル』の副編集長で退社して文筆に専念[1]。1962年、鎌倉市に転居[1]。1964年、『炎環』(光風社、1964年10月)で直木賞を受賞する[3]1984年には、中世を題材にした作品で歴史小説に新風をもたらしたとして、菊池寛賞を受賞。

戦前から戦後の移り変わりを体験し、歪められた歴史を多くの資料と説得力のある文章で覆し、評価を得る。これまで考えられてきた歴史人物像、歴史事件等を見直し、男性の影に隠れ見落とされがちな女性にも焦点を当てた作品が多い。また、執筆の際、みずから歴史人物の系図を作成し、本に掲載しているものもある。評論では砕けた文章を用い、親しみやすいものにしている。

1995年、戦後50年を期して、歴史小説の断筆を宣言[1]。1998年、寄贈した蔵書を中核資料とした「古河文学館」開館[1]。2000年、東京・品川に転居[1]。2003年、古河文学館にて「永井路子展」開催、あわせて永井路子旧宅を修復、一般公開開始[1]

作品は、NHK大河ドラマの『草燃える』『毛利元就』に原作として使用された。

2023年1月27日、老衰のため東京都中央区の病院で死去[5][6]。97歳没。
受賞歴

1952年
サンデー毎日懸賞小説入選「三条院記」[1]

1961年 「青苔記」で第45回直木賞候補

1964年 『炎環』で第52回直木賞

1982年 『氷輪』で第21回女流文学賞

1984年 第32回菊池寛賞、第33回神奈川文化賞

1988年 『雲と風と』ほかで第22回吉川英治文学賞

1997年 NHK放送文化賞、茨城県特別功績章

1998年 鎌倉市の名誉市民[1][7]

2003年 古河市の名誉市民[1]

2006年 第7回和島誠一賞(文化財保存全国協議会)[8]

2009年 『岩倉具視』で毎日芸術賞

2016年 第27回大衆文学研究賞・大衆文学部門を、黒板伸夫・永井路子編『黒板勝美の思い出と私たちの歴史探究』(吉川弘文館)が受賞

著書
単著

炎環』光風社 1964年 のち文春文庫大河ドラマ草燃える』の原作)

『長崎犯科帳』講談社 1965年 のち文庫、文春文庫

『絵巻』読売新聞社 1966年 のち新潮文庫、角川文庫(大河ドラマ『草燃える』の原作)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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