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水飴(みずあめ)は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料。ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどの混合物で、主成分は酵素糖化水あめや麦芽水あめでは麦芽糖である。
製造水飴
古くは、玄米を発芽させ、玄米中の糖化酵素を利用して製造されていた。時代が下ると、発芽玄米より効率の良い麦芽が糖化酵素の供給源として利用されるようになり(麦芽水飴)、現在では、デンプンにシュウ酸を加え、加水分解した酸糖化水あめ、でん粉を酵素により加水分解した酵素糖化水あめも製造されている。シュウ酸は有毒なうえ酸味があるので、炭酸カルシウムを加えて水に不溶なシュウ酸カルシウムとしたのち、濾過して取り除く[1]。酵素糖化水あめはブドウ糖が多く甘みが強い[2]。還元水飴というものもあるが、これは水飴を加工した糖アルコールを主成分とする甘味料であり、水飴ではない[3]。酸糖化法や酵素糖化で製造された水飴は無色透明でほぼ水分と糖質しか含まないが、麦芽水飴は原料に由来するミネラル分がわずかに含まれ風味を有し、蜂蜜に似た琥珀色をしている。この色が飴色の由来である。発祥については、酒作りのためにデンプンを糖化したもの(練酒や白酒 (日本酒)から採れた甘糀をろ過したもの、もしくはみりんのエタノール分を煮詰めて飛ばして製法していた)を、有史以前より製造していたと見られており、日本では京都が発祥とする説もあるがこれはほとんどが徴税によって集積された京都の貴族周辺に消費されており、ほぼみりん・酒産地で生産されていた。 飴としてそのまま食べるほか、調理材料として広範に利用される。砂糖が日本に伝来する前には主要な甘味料として利用されていたが、今でも和菓子では甘味料のひとつとして使われている。砂糖の結晶化を阻害する性質があるため、糖分濃度の高い食品に添加することで、滑らかな口当たりを保つ事が出来る。また、和菓子のつや出しや、保湿目的で使われることもある。照り焼きのてり出しにも使われる。昭和40年代頃まで盛んに行われていた街頭紙芝居には水飴が付き物で、子供たちが水飴を割り箸で攪拌して遊びながら、おやつとして食べていた。南部煎餅に水飴を挟んだものは「飴せん」として知られている。 もち米を原料とした麦芽水飴を乾燥して粉末にした漢方薬の膠飴(こうい)は、滋養強壮作用・健胃作用などがあるとされている。麦芽糖が腸内細菌に作用すると推測されるからであり[4]、黄耆建中湯などに用いられている。
利用
関連項目
冷やし飴
あんず飴
粟飴
みすず飴
ねり飴
飴細工
シロップ
脚注^ 村田徳治『新訂・廃棄物のやさしい化学 第3巻 廃酸・廃アルカリ・汚泥の巻』日報出版、2004年、117頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-89086-235-1。