水道道路
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水道道路(すいどうどうろ、または「水道道」(すいどうみち・すいどうどう))は、主に上水道に供される原水または浄水の輸送管を埋設した土地の上に設けられた道路である。
経緯

明治以降の生活様式の近代化、および都市への人口集中に伴い、上水道への需要が高まる反面、水源となる森林の減少に伴う地下水の不足や、下水河川への排出等による水源の汚染などが顕在化し、良質な水源の確保が喫緊の課題となった。そこで、1887年(明治20年)の横浜市水道を皮切りに各地で近代水道が整備されるようになる。

今でこそシールド工法など建築技術の発展に伴い地下深くへのトンネル施工も可能になったが、水道黎明期は開削工法によって地中浅くへ水路を設置または水道管を埋設した。施工は、水源地や、浄水場や配水拠点など水道設備の間を結ぶ水道管を敷設または埋設する用地が予め確保されてから実施され、施工後は水道保全のため立ち入りを規制していた。

その後、都市部への人口増加に伴い小河川や水路などが道路用地として利用されたのと同様、水道用地の上も強度を確保した上で道路として利用されるようになり、水道管の上に道路が敷設される例が各地で見られるようになった。
特徴

ひたすら真っ直ぐ延びる東京都道428号荒玉水道道路(2006年5月26日撮影)東京都道428号荒玉水道道路には水道管保護のため大型車の通行を規制する旨の標示を水道局が行っている(2006年5月26日撮影)

水道設備の間を極力最短距離で結ぶよう設計されているため、周囲の道路や地形にかかわらず一直線に延びていることが多く、込み入った都市部の道路にあっては特徴的である。

しかし、比較的道幅が狭い場合も多く、自転車以外の車両通行止めまたは一方通行となっている場合がある。

また、歴史的経緯により地下の比較的浅いところに水道管が敷設されている場合が多いため、自動車が通行できたとしても水道管保護のために重量の大きな車両の通行を禁止している場合もあり、その場合は万一にも進入されての水道管破断等の事故が起こらないよう、標識のほか標示ガードレールなどが多重に設置されている様子も見られる。

いっぽう、歩行者自転車にとってはむしろ利用しやすい道幅であり、また自動車排気ガスや幅寄せなどの脅威を回避できる特徴を受け、河川敷などを利用したサイクリングコースと同様に都市部の自転車愛好家などに好まれている。
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埼玉県

水道道路
[1](埼玉県新座市
埼玉県新座市南西部から北東部までを貫く市道。朝霞市にある朝霞浄水場と東京都東村山市にある東村山浄水場間を結ぶ水道管が同道路下に埋設されていることから、「水道道路」と呼ばれるようになった。同市新堀・西堀地区で野火止用水と併走。
東京都

井の頭通り
境浄水場から和田堀給水所への上水道本管の敷地を利用して作られている。

東京都道428号荒玉水道道路東京都杉並区世田谷区
から妙法寺に至る間は荒玉水道の専用道路として作られたもの[2](画像参照)。

東京都道431号角筈和泉町線(東京都渋谷区)
玉川上水新水路[3]の跡につくられている。

東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線(通称「多摩湖自転車歩行者道」。東京都東村山市小平市西東京市
自転車歩行者専用道路のうち「狭山・境緑道」は、村山貯水池から境浄水場へ導水する水道施設である[4]

横浜水道道路(町田市)

神奈川県相模原市南区双葉付近の横浜水道道路(2011年5月3日撮影)

横浜水道道路(神奈川県相模原市大和市横浜市東京都町田市
近代水道発祥の地である横浜市では、1887年(明治20年)津久井郡三井村(現在の相模原市)の相模川より水を引くべく横浜市西区の野毛山から水道敷設物資を運ぶために敷設した軌道跡地、並びに完成した導水路沿いに「水道道路(または水道道)」にまつわる地形および地名が多く残っている。

ふるさと尾根道緑道(横浜市旭区)横浜水道道路の北側に並行する遊歩道。相模原市の沼本ダムから鶴ヶ峰浄水場への水路上に整備された。

横浜市道85号(水道道)(横浜市神奈川区港北区鶴見区
横浜市道鶴見三ツ沢線の別名。鶴見配水池の横を通る。

横須賀水道道(神奈川県愛川町厚木海老名綾瀬藤沢鎌倉逗子横須賀市
横須賀市の管理する半原系統水道は、1912年(明治45年)?1921年大正10年)に海軍により敷設され、中津川の半原水源地から横須賀の逸見浄水場までの総延長53kmにわたる[5]。この水道道が急に曲がるのは10か所のみであるといわれる[6]相模川を渡る水道橋など、しばしば通行不能箇所や悪路が存在する。
愛知県

水道みち緑道(
名古屋市千種区、および守山区

尾張サイクリングロード愛知県大治町より一宮市まで)

愛知県道288号豊田安城自転車道線

尾張広域緑道(愛知県春日井市より犬山市まで)

佐布里(そうり)パークロード

京都府

京都府道754号木津横田線木津川市。旧京奈国道。地下に奈良県奈良市営水道管が走る)


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