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やノートページでの議論にご協力ください。この項目では、水素を燃料とする内燃機関車について説明しています。水素を利用する燃料電池を使用した電気自動車については「燃料電池自動車」をご覧ください。
水素自動車の燃料補給水素ステーション
水素自動車(すいそじどうしゃ)とは、水素をエネルギーとする自動車のことである。走行時に温室効果ガスを排出しないゼロエミッション車の1つ。
既存のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを改良した水素燃料エンジンで水素を直接燃焼させ運動エネルギーを得る内燃機関車
水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する燃料電池を搭載し、モーターで走行する自動車(水素燃料電池車)
上記の2つに大別できるが、後者は燃料電池自動車として別枠で扱うことが一般的で、本記事では前者について述べる。
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素や、大気汚染の原因となる窒素酸化物を出さない自動車として、近年世界では電気自動車の普及が盛んだが、これらを排出しない自動車の一つとして水素自動車もあげられる。水素自動車は既存の内燃機関の技術を使えるメリットがあり、水素の取り扱いに関しても、すでに市販されている水素燃料電池車と共有できることから、近年普及が望まれている。また、電気自動車が普及し始めている現在、環境にやさしく内燃機関独特の走行感も味わえる自動車として、電気自動車とは違ったマーケットを形成できるとも言われている。
開発史「水素燃料エンジン」も参照1807年に製造されたcharette of de Rivaz. A:シリンダー, B:点火栓, C:ピストン, D:水素を充填した風船, E:ワンウェイクラッチ, F:給排気弁, G:給排気弁を作動するための取っ手
水素を内燃機関の燃料として使用するという発想は、内燃機関の黎明期から既に存在して、実際に水素自動車も製造された。
世界初の内燃機関で走行する自動車は、1807年にフランソワ・イザック・ドゥ・リヴァ(Francois Isaac de Rivaz)によって製造されたデリバズエンジン(De Rivaz engine)で水素を燃料として使用した。ジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールによって1863年に製造されたイポモビル(Hippomobile)も、同様に水素を燃料として使用した。
日本国内では1970年代から、武蔵工業大学(現在の東京都市大学)教授の古濱庄一が、レシプロエンジンを改造した水素エンジンを搭載した車両「MUSASHIシリーズ」の研究を行っていた[1][2]。
1990年代から、マツダとBMWが、既存のエンジンを改良する形で水素燃料エンジンの開発を進めている。
2006年、水素エネルギー開発研究所が、水素と水を燃料とするエンジン(HAWエンジン)を開発し、世界35カ国で特許を取得した。
2009年、広島市にマツダ・RX-8水素エンジン搭載車が納入された。マツダはフォードと提携している。
主要メーカー
東京都市大学日野リエッセ水素バス武蔵9号
1970年、武蔵工業大学(現:東京都市大学)が日本で初めて水素燃料エンジンの運転を成功させ、1974年に同大学は水素エンジンを搭載した日本初の水素自動車の試作とデモ走行を実施、成功させた。10台の水素自動車を次々に開発、試作しており、開発した車両の中には、日産・サニークーペを改造した「武蔵2号[3]」、スズキ・セルボ(E-SS20)を改造した「武蔵3号」、日産・フェアレディZ(Z32)を改造した「武蔵8号[3]」、トラック(日野・レンジャー)を改造した「武蔵7号」「武蔵9号」などがある。
このうち日産自動車の乗用車をベースとした「武蔵2号」「武蔵8号」の2台は、2020年1月20日から同年3月20日まで開催された日本自動車博物館の特別企画展「未来を拓く水素燃料の世界 水素自動車開発の歴史」で車両が展示された[3]。
1997年12月に行われた地球温暖化防止に関する京都国際会議(COP3)に「武蔵10号」が出展された。これは日産・アベニールをベースとした実用車で、燃料は液体水素を使用しており、100リットルのタンクを搭載している。4サイクルエンジン、ターボ過給、着火及び燃料噴射方式は火花点火、電子制御低圧吸気管間欠噴射方式である。最高時速150km、走行距離は300km。同大学は国家プロジェクトである「次世代低公害車開発促進プロジェクト」に参加し、フル電子制御エンジンの研究開発を行っている。
また同大学は2009年4月3日、日野自動車の協力により水素燃料を活用した水素燃料エンジンバスの開発に成功したと発表した。大気汚染原因物質である窒素酸化物や二酸化炭素をほとんど排出しない環境対応バスとして普及拡大が期待される。日本自動車研究所の技術審査に合格し、水素燃料バスとして日本で初めて公道走行を可能にした。窒素酸化物排出量は従来のディーゼルエンジンに比べて約90分の1程度にまで抑えられ、CO2を排出しない[4]。製造はトラック・バスなどの市販車を低公害車へ改造を行う自動車メーカーフラットフィールドが担当した[5]。
水素燃料エンジンバスの仕様概要
ベース車両: 日野・リエッセ
エンジン型式: 直列4気筒予混合火花点火式水素エンジン(J05D、排気量:4,728cc、ターボチャージャー併用)
最大出力: 105kW(145PS)/3000rpm
最大トルク: 350Nm/2000rpm
航続距離: 約200km
フラットフィールド「フラットフィールド」を参照
BMWハイドロジェン7(英語版)