水滸伝_(1973年のテレビドラマ)
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水滸伝
ジャンル
テレビドラマ
原作施耐庵
原案横山光輝
企画中沢啓作
榎本栄太郎
脚本宮川一郎
池上金男
舛田利雄
高岩肇
中川信夫
村野鐵太郎
菊島隆三
山田信夫
監督舛田利雄
出演者中村敦夫
佐藤慶
ナレーター芥川隆行
テーマ曲作者佐藤勝
音楽佐藤勝
オープニング「夜明けを呼ぶもの」ピートマック・ジュニア
言語日本語
製作
プロデューサー石野憲助
加藤教夫
森川一雄
制作プロデューサー西島孝恒
制作国際放映

放送
放送チャンネル日本テレビ放送網
音声形式モノラル
放送国・地域 日本
放送期間1973年10月2日 - 1974年3月26日[1]
放送時間火曜 21:00 - 21:55
放送枠日本テレビ火曜9時枠連続ドラマ
放送分55分
回数26
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『水滸伝』(すいこでん)は、1973年から1974年にかけて日本テレビ系列で、日本テレビ開局20周年記念番組として中村敦夫主演で放映されたテレビドラマである。全26話。放送時間は毎週火曜21:00 - 21:55。この枠は長きに渡って前後半体制で、1時間枠になったのは1967年から1968年に放送された『ローンウルフ 一匹狼』以来5年振り。
概要

大まかなストーリーの流れは中国の古典文学、施耐庵作の水滸伝にのっとってはいたが、林冲(りんちゅう・劇中では「林中」と表記)を主役としており、一丈青扈三娘(演じたのは土田早苗)がヒロインとして最初から登場するなど、独自のストーリー展開の部分も相当多い。また、末尾で高求が林中たち梁山泊軍に斬られるという原作とは全く異なるストーリーになっている。[2]

水滸伝を題材にした横山光輝の漫画作品を原案としており、オープニングで原案:横山光輝とクレジットされている。ドラマの題字は横山光輝作品と共通である。

海外では1977年、フランスやオランダ、イギリスBBCで初放映された他、香港でも放映された。また、オリジナル版主題歌「夜明けを呼ぶもの」を英語詞にした、ゴダイゴが担当した英語版の主題歌「水滸伝のテーマ」がヒットしている[3]

脚本が出版され、更に2008年、DVD-BOXが発売されている。
スタッフ

原作:
施耐庵

原案:横山光輝

企画:榎本栄太郎、中沢啓作

プロデューサー:加藤教夫、石野憲助

構成:菊島隆三山田信夫

音楽:佐藤勝

特技監督:有川貞昌

ナレーター:芥川隆行

製作:日本テレビ国際放映

主題歌
国内版


「夜明けを呼ぶもの」
[注 1]

前期版作詞:関沢新一
後期版作詞:水木かおる
作曲:佐藤勝
編曲:馬飼野康二
歌:ピートマック・ジュニア


国外版


水滸伝のテーマ

作詞:奈良橋陽子
作曲:佐藤勝
編曲:ミッキー吉野
歌:ゴダイゴ[注 2]


放映リスト

放送日各回サブタイトル脚本監督
1973年10月2日第1回大宋国の流星
高岩肇舛田利雄舛田利雄
10月9日第2回蒼州の熱風高岩肇・宮川一郎・舛田利雄舛田利雄
10月16日第3回熱砂の決闘宮川一郎高橋繁男
10月23日第4回九紋竜の激怒宮川一郎高橋繁男
10月30日第5回野盗の叫び池上金男・舛田利雄舛田利雄
11月6日第6回梁山泊の夜明け池上金男・舛田利雄舛田利雄
11月13日第7回小旋風と黒旋風宮川一郎・中川信夫中川信夫
11月20日第8回青州の妖精宮川一郎・中川信夫中川信夫
11月27日第9回宋江、危機一髪池上金男小澤啓一
12月4日第10回梁山泊軍、江州に躍る池上金男小澤啓一
12月11日第11回さすらいの勇者宮川一郎西河克己
12月18日第12回二竜山の対決宮川一郎西河克己
12月25日第13回荒野の三兄弟池上金男降旗康男
1974年1月1日第14回決戦!祝家荘池上金男降旗康男
1月8日第15回二人の魯達宮川一郎富本壮吉
1月15日第16回必殺の矢宮川一郎富本壮吉
1月22日第17回林中・宿敵に挑む池上金男降旗康男
1月29日第18回風雲・高唐州!池上金男降旗康男
2月5日第19回帰らざる将軍宮川一郎・村野鐵太郎村野鐵太郎
2月12日第20回親子砲の最後宮川一郎・村野鐵太郎村野鐵太郎
2月19日第21回巨星、荒野に墜つ舛田利雄小澤啓一
2月26日第22回壮絶!救出大作戦舛田利雄小澤啓一
3月5日第23回策略に散る歌姫の恋宮川一郎西河克己
3月12日第24回北京の麒麟児宮川一郎小俣堯
3月19日第25回山東に立つ最後の猛将池上金男山崎大助
3月26日最終回野望、砂漠に果つ池上金男山崎大助

原作・原案との違い

以下、小説の水滸伝を原作、漫画(横山光輝)を原案と表記する。
林中
全篇を通じて主人公として活躍するため、原作では他の人物が登場する場面へもかなり顔を出している。キャスト紹介では「林中」と表記されるが、書状や人相書きなどでは本来の「林冲」表記も時折見られる。武勇は名高く、高求から宿敵視され、無実の罪で流刑となる。残された妻の小蘭が高求の奸計によって汚され、さらに林中を慕って旅した後に命を落とすなど、悲運の連続で哀愁を帯びたヒーローとなる。多士済々の梁山泊の事実上の頭領と見なされており(ただし名目上の頭領は晁蓋や宋江、盧俊義に譲っている)、「梁山泊の背骨」と称された。なお、登場人物が多く、しばしば出演する人数が制限されるこのドラマにおいて、全26話すべてに登場するのは林中・扈三娘・高求のみである。
高求
本来は高?。原案・原作での洪信の役割も兼ね、竜虎山の伏魔殿から百八星を野に放つのは彼である。原作よりも野心高い人物として設定されており、近衛軍総司令の座に飽きたらず、宰相の蔡京をも殺してその地位を奪い、最終的には徽宗皇帝すら倒して自ら王朝を築こうとするほどの野心家である。チンピラあがりの卑しい側面はあまり描かれず、演ずる佐藤のキャラクターもあってかなり重厚な悪役となっている。[4]林中を宿敵としてつけ狙う。原案・原作での梁山泊軍の目的は朝廷へ帰順して四方の賊を平定することだが、本作では高求を打倒し大宋国の平和を民衆の手に取り戻すことこそが目標となっている。
扈三娘
原作では梁山泊軍による祝家荘攻めまで登場しないが、本作では第1回に扈家荘から高求への生きた献上品として登場して以来、様々な場面で活躍する。妻があることを知りながら林中にあこがれに似た恋心を抱き、小蘭亡き後の林冲の心の支えとなろうとした。また本作では扈三娘の妹として燕麗(えんれい)というオリジナルキャラクターが登場する(戴宋をかばって死亡)。
史進
流刑になって護送中の林中が泊まった家の若殿として第2話で登場。林中から武術を伝授される。[5]その後、原案には登場しない(原作ではやや後期にあたる)華州での女と勅使にまつわるエピソードが換骨奪胎されて初期(第4話)に登場し、かなり早くから梁山泊に入り、林中・扈三娘に次ぐ長い活躍を見せる。
晁蓋
原作では梁山泊軍の首領であり、好漢をまとめる立場であるが、本作では林中が主人公となるため、ほとんど顔を見せず、梁中書の十万貫強奪から梁山泊入りに至る登場の回と、戦死する回のみしか登場しない。作中では「梁山泊の脳」と称されるが、「梁山泊の背骨」と称される林中こそが中心のようである。なお原案・原作で晁蓋を射殺した史文恭は本作には登場せず、晁蓋の故郷・東渓村を占拠した豪族・曽家の三男・曽索が殺したことになっている。
宋江
原作では晁蓋なき後の梁山泊軍の首領であり、数々の好漢をまとめる立場であるが、本作では林中が主人公となるため、原作以上に影が薄い(とはいえ、晁蓋よりははるかに出番が多く、原案と同様、数々の好漢に慕われている)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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