水の子どもたち
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ジェシー・ウィルコックス・スミスの挿絵(1910年)

『水の子どもたち』(みずのこどもたち、The Water-Babies, A Fairy Tale for a Land Baby、原題の直訳は「水の赤ちゃんたち。陸の赤ちゃんのためのおとぎ話」)はイギリスの牧師 チャールズ・キングスレーによる子ども向けのおとぎ話ファンタジー小説。19世紀の児童文学で最も知られている作品の一つである[1]

1862年から1863年に『マクミラン』誌に連載され、1863年に出版された。著者の友人のチャールズ・ダーウィンの『種の起源』を擁護するための笑い話の側面を持つ。イギリスで非常に人気があり、何十年もの間、英国児童文学の主力だった。が、アイルランド人、ユダヤ人、アメリカ人、貧乏人に対する偏見(当時は普通だった)をふくむため、流行らなくなった。目次

1 あらまし

2 解釈

3 メディア展開

4 アニメーション作品

5 大衆文化への影響

6 日本語訳

7 参照

8 参考

9 外部リンク

あらまし

主人公は煤だらけの若い煙突掃除夫トム。エリーという名前の上流階級の美しい少女に遭遇し、彼女の家から追い払われ、川に落ちる。そこで彼は溺れ、「水の赤ちゃん」に変身する。そして、トビケラが彼の道徳教育を始める。物語のテーマはキリスト教の「償還」、貧乏人へのイギリス国家の仕打ち、児童労働など。

トムは冒険し、自分自身が道徳的な生き物であることを証明し、他の水の赤ちゃんのコミュニティーで楽しむ。

彼の新しい世界の主要な精神的指導者は、妖精ドゥアズユードビダンバイ(Doasyouwouldbedoneby、されたいようになさい)さん、夫人ビダンバイアズユディド(Bedonebyasyoudid、あんたがやったようにされろ)さん、そしてマザー・ケアリー(英語版)(Mother Carey)である。

トムは、溺れなかったエリーとのデートを週に一度許可される。

トムの主人グライムズ親方も密漁の最中に溺れる。

最後の冒険でトムは、悪行のために処罰されている人を助けるために、世界の果てまで旅をする。

トムはグライムズ親方を悔い改めさせようとし、グライムズ親方は、最終的な苦行をうまくやれたら2度目のチャンスが与えられることになった。

億劫でも正しいことならやる意思を示したことでトムは人間の姿に戻り、鉄道・蒸気エンジン・電気電信・ライフル銃を設計する科学者になる。

彼はエリーと再会する。もっとも、(本によると)彼らは結婚はしないそうだが。
解釈

ヴィクトリア朝時代の小説のスタイルを持ち、教訓的な道徳寓話である。背景には、冷水が不潔でみすぼらしい子供を洗い鍛え、模範的な市民に変えるというヴィクトリア朝時代の信念がある[1]。主人公のトムは、死んで水の子として生まれ変わり、初めて「苦難という冷たい水」を受け入れることのできる人間に再生する[1]。作者であるキングスレーは牧師であり、公衆衛生の改革に熱心に取り組んでいた[1]

キングスレーは、当時の一般的な偏見の多くをこの作品で表現しており、アメリカ人、ユダヤ人、黒人、カトリック教徒、特にアイリッシュに否定的・侮辱的な言葉が含まれる[2][3][4][5][6][7]


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