気候正義
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気候正義(きこうせいぎ、英語: Climate Justice)とは、気候変動の影響や、負担、利益を公平・公正に共有し、弱者の権利を保護するという人権的な視点をいう。[1][2]気候変動は人為的に引き起こされた国際的な人権問題であり、この不公正な事態を正して地球温暖化を防止しなければならないという考え方である。[2]
概要

具体的には、化石燃料の大量消費によって気候変動を引き起こした先進国やこれまでの世代が、自らの責任として地球温暖化対策に取り組むことで、化石燃料をあまり使ってこなかった発展途上国や将来世代が気候変動によって受ける被害を食い止めることを求めている。[1][2]途上国では、農業漁業といった第一次産業の比重が大きく、気候変動による環境の変化の影響を被りやすい。地球の気温が2℃上昇すると、アフリカ人口の半分以上が栄養不良のリスクに晒される。[1]また、ガバナンスインフラ整備の遅れている地域では、海面上昇による海岸線の消失、洪水山火事といった災害が直撃しやすいという。[1]

科学論文によると、すでに産業革命前(1850?1900)の水準をおよそ1℃上回っており、このまま気温が上昇し続けると、2030年から2052年に1.5°Cに達する可能性があるとされる。[1]同様に、「環境公害による健康被害といったしわ寄せが、貧困層やマイノリティ等の社会弱者にいくことは公平ではない」という主張は、環境正義という。気候正義は、それに地球規模での気候変動という視点が入ったものである。[1]
世界で行われる気候正義の運動

パリ協定に従い、政府はもっとCO2排出量を削減すべきだと訴えるスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏の行動を皮切りに、いまでは世界中の若者が「気候正義(Climate justice now)」をかけ声に「グローバル気候マーチ」や「アース・ストライキ」といった運動を展開している。今では世界史上最大規模の気候ストライキとなっている。[1]トゥーンベリ氏は、パリ協定の一環で地球温暖化を1.5°Cに制限する戦略が不十分で、2030年までにCO2排出量を40%削減するEUの目標の2倍80%削減を主張している。[1]弱冠17歳の彼女は、将来的に気候変動の影響を大きく受ける当事者であるからこそ、地球の行く末を憂えている。[1]

他にも、気候変動の貧困を訴えるデモも行われている。気候変動とは、まさにグローバルな現象であり、気候正義運動では、地球規模で各国が協力し、改善していくことが求められている。[1]










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