民族統一主義(みんぞくとういつしゅぎ、英語: Irredentism)とは、同一民族の居住地域であるにもかかわらず、歴史的経緯から複数国家の領域となっている地域を自国に編入しようとする運動のことである。「同一民族統一(併合)主義」とも呼ぶ。目次 本来、この用語は19世紀のイタリア統一後に、イタリア人が住む土地でありながらオーストリア=ハンガリー帝国の領土となっている南チロルやトリエステ(未回収のイタリア)をイタリアに編入しようとする思想や運動のことを指していた。それが転じて他の地域の同様な思想についても用いられるようになった。 したがって、原語の「イレデンティズム」 (Irredentism) はイタリア語の「未回収のイタリア」 (Italia irredenta, イターリャ・イッレデンタ) に由来する。 この思想は当該地域の領有国家間において深刻な対立を招くことがあり、しばしば民族紛争に発展することがある。
1 概要
2 憲法に定められた民族統一主義
3 民族単位での統一主義
3.1 アジア
3.2 アフリカ
3.3 ヨーロッパ
3.3.1 バルカン半島
3.4 アメリカ
4 大陸単位での統一主義
5 関連項目
概要
憲法に定められた民族統一主義
アフガニスタン:パキスタンとの国境は1893年に定められたデュアランド線である。この線によってパシュトゥン人の居住地が分割された。20世紀のアフガニスタン政府はパシュトゥン人地域を同国の下で統一する事を宣言していた。
アルゼンチン:憲法第1章でマルビナス諸島(フォークランド諸島)、サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島の領有を定めている。これらにアルゼンチン領南極とティエラ・デル・フエゴ東部を合わせてティエラ・デル・フエゴ州としている。
インド:統一インドは、インドとパキスタン、バングラデシュを統合する概念。
コモロ:憲法第1条にグランドコモロ島、アンジュアン島、モヘリ島、マヨット島(現フランス領)によって構成されると定めている。
中華人民共和国:憲法前文に台湾の領有を定めている。これに対して中華民国は台湾のみならず中国大陸の全域に対する領有権を主張し、外モンゴル地域(モンゴル国・トゥヴァ共和国領土)も含まれている。中華圏、九段線。
ボリビア:2009年憲法で、「太平洋への通路の権利は放棄出来ない」と定めている。これは1879年?1884年の太平洋戦争でチリに奪われたタラパカ州を指している。この敗戦によってボリビアは内陸国になった。
民族単位での統一主義
アジア
アゼルバイジャン:全アゼルバイジャン