毛織物
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毛織物(けおりもの、: woolen fabric)は、動物の毛で作った糸で織られた織物である。
概要

動物の体毛は、空洞のないヘア(hair)と、空洞のある柔らかい毛のウール woolに分けられるが、毛織物は通常、羊毛などのウールを糸として織ったものをいう。

流通している量で言うと、羊毛の毛織物が圧倒的に多いが、他にもアンゴラヤギ(英語版)の「モヘヤ」、カシミアヤギ(英語版)の「カシミア」、ラクダの「キャメル」、アルパカの「アルパカ」のものもある。



分類

毛織物に使用される糸は、製法の違いで梳毛糸(そうもうし)と紡毛糸(ぼうもうし)とに大きく分類される。

梳毛糸は比較的長い毛を選別し梳いて作成し、それを織った生地は梳毛織物(そうもうおりもの。ウーステッド : worsted)と呼ばれ、薄く艶があり主に男性のスーツなどに用いられる[1][2][3]。サージ、ギャバジンなどがこれにあたる。

紡毛糸は短い毛も利用し紡いで作成し、それを織った生地は紡毛織物(ぼうもうおりもの。ウールン woolen)と呼ばれ、毛羽立ちツイードやコートなどに用いられる[1][2][3]。メルトン、フラネルツイード、サキソニーなどがこれにあたる。
主な毛織物

アンゴラ

ウールシャンタン

カルゼ(Kersey)- タテ糸に杢糸もしくは霜降り糸の2本引き揃え、ヨコ糸に単糸(もしくは2本引き揃え)を使用した2/2綾織物。名称はイギリスのサッフォード州の毛織物の産地カージーに由来する。

ギャバジン - 背広や外套に使われる。

サージ(Serge:セル地) - 背広や外套に使われる。アイロンを掛けるとテカリが出やすい。

サキソニー (Yarn)(サクソニー)

ジャージー

シャークスキン (Sharkskin) - 外套背広に用いられる。真夏に使われる。

ツイード : スコットランドアイルランド産の太い羊毛を用いた毛織物。

ドスキン (Doeskin) : 羽毛しゅす織りにしたもの。

トロピカル

フランネル、本ネル : 羊毛を平織り綾織りにし、縮圧して起毛したもの。

ブロード(ポプリン)

ベロア

ホームスパン (Donegal tweed) : 手紡ぎの太い毛糸を用いた手織りの布地又は、手織りの布地に似た目の粗い生地。(ホーム スパン運動(英語版)以来作られるようになった)

ポーラ (又はフレスコ) - 夏用の織物。

マットウース (Worsted) - 英語で梳毛糸の事。

ラシャ - 外套に使われる。Pコートなど。

メルトン (Melton) - 外套に使われる。

モヘヤ

モスリン




毛布

歴史
前段階

まだ毛織物が誕生していない段階から説明しておくと、太古の昔、人類がまだ羊の毛を刈ってそれを使うという方法を思いついていなかった段階では、(羊を殺して、その)毛皮を衣服として身にまとっていた。[4]

歴史学者は、古代メソポタミアの人々が羊の毛を刈ってそれから服を作ることができると発見した、と考えている[4]。これは偉大な発見であった。というのは、この方法なら羊を殺さずに服を手にいれることができ、おまけに同一の羊が毎年新たに羊毛をもたらしてくれる可能性があるのだから[4]。だがメソポタミアの人々は、最初はウールを紡いだり織ったりしなかった。もしかするとそういうことを考えもしなかったのかも知れない[4]。彼らは最初、ウールをフェルトの形で使った[4]


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