殺人狂時代_(1947年の映画)
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殺人狂時代
Monsieur Verdoux

監督チャールズ・チャップリン
脚本チャールズ・チャップリン
原案オーソン・ウェルズ(アイデアのみ)
製作チャールズ・チャップリン(クレジットなし)
出演者チャールズ・チャップリン
音楽チャールズ・チャップリン
撮影ローランド・トザロー(英語版)
クルト・クーラン(英語版)(クレジットなし)
編集ウィラード・ニコ
製作会社ユナイテッド・アーティスツ
配給 ユナイテッド・アーティスツ
松竹洋画部
公開 1947年4月11日
1952年9月2日
上映時間124分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$2,000,000[1]
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『殺人狂時代』(さつじんきょうじだい、Monsieur Verdoux)は、1947年アメリカ合衆国ブラック・コメディ映画。製作・監督・脚本・主演チャールズ・チャップリン。原案にオーソン・ウェルズがクレジットされている(詳細は後述「#制作の経緯と公開」を参照)。
概要

金の為に殺人を続ける男アンリ・ヴェルドゥが、真相が発覚し死刑台に送られるまでの顛末を描く。

長年親しまれた「チャーリー」のスタイルを捨て、チャップリンの映画にしては珍しく喜劇色が少なく、シリアスな展開であると評価されている。生前、チャップリン自身がこの映画を最高傑作と評価していた[2]。それに加えて、主人公が処刑に向かう前の以下のセリフが、チャップリンの代表作に押し上げた原因とされている。 @media(min-width:720px){.mw-parser-output .columns-start{width:100%}.mw-parser-output .columns-start div.column{float:left}.mw-parser-output .columns-2 div.column{width:50%;min-width:30em}.mw-parser-output .columns-3 div.column{width:33.3%;min-width:20em}.mw-parser-output .columns-4 div.column{width:25%;min-width:20em}.mw-parser-output .columns-5 div.column{width:20%;min-width:20em}}

英語(原語)

Wars, conflict - it's all business. One murder makes a villain; millions a hero. Numbers sanctify.[注 1]

日本語訳

戦争や紛争、これは全てビジネス。1人の殺害は犯罪者を生み、100万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する。

一方で、この作品がきっかけとなり、赤狩りによるチャップリン排斥の動きがますます加速。1952年のアメリカ追放へとつながった。
ストーリー

物語は生前を回顧するアンリ・ヴェルドゥの独白から始まる。

北フランスの商家・クーヴェ家の婦人セルマが、多額の預金を引き出した直後に行方不明になる。すでにフランス国内で同じような状況の行方不明が連続して起こっており、事態を重く見た警察が動き出す。犯人はアンリ・ヴェルドゥといい、30年勤めた銀行をリストラされた元銀行員である。彼は「取り付け騒ぎが起こる」などと言って裕福な中高年女性をそそのかし、預金を解約させたのちに殺害して、その奪った金を株に投資して生活費に充てていたのだ。彼はリディアをいつもの手口で殺害したのち、グロネイ夫人を口説いて結婚に持ち込もうとする。その一方で、キャプテン・ボヌールを名乗り、すでに関係をもっていたアナベラを殺害しようと画策する。

そんなヴェルドゥの家庭は、車椅子生活の妻と幼い子供一人。家族や友人には投資で稼いでいると説明しながら、多忙な二重生活を送っていた。

ある雨の晩、ヴェルドゥは刑務所から保釈されたばかりの身寄りのない若い女性に出会う。一度は新しい毒薬のテストのために殺害しようとするヴェルドゥだったが、彼女の話を聞くうちに殺害を思いとどまる。セルマの件でヴェルドゥを追ってきたモロー刑事を心不全に見せかけて毒殺するが、アナベラ殺害はアナベラの悪運の強さに阻まれ果たせない。仕方なくグロネイ夫人との結婚を一刻も早く進めようとするヴェルドゥだが、結婚式の場でアナベラと鉢合わせしてしまい、その場から逃げ出す。やがて世界恐慌の波がヴェルドゥに押し寄せ、ヴェルドゥは財産も妻子も失う。

数年後、かつて雨の夜に出会った女性と再会するが、彼女は成金軍需会社の社長の妻になっていた。彼女と話をするうちにヴェルドゥは運命に身をゆだねる決心をし、自らすすんで逮捕される。そして、裁判の場やメディアとのインタビューで「(戦争と軍需産業に比べて)大量殺人者としては、私などアマチュアだ」「殺人はビジネス、小さい規模ではうまくいかない」などの言葉を残し、ヴェルドゥは死刑場へと連行されていく。
キャスト

アンリ・ヴェルドゥ:
チャールズ・チャップリン

アナベラ・ボヌール:マーサ・レイ

グロネイ夫人:イソベル・エルソム

若い未亡人(後に軍需会社社長の愛人):マリリン・ナッシュ(英語版)

モーリス(ヴェルドゥの友人):ロバート・ルイス

モナ(ヴェルドゥの妻):メイディ・コレル(英語版)

ピーター(ヴェルドゥの息子):アリソン・ロダン

アネット(アナベラのメイド):エイダ・メイ(英語版)

グロネイ夫人のメイド:マージョリー・ベネット

リディア・フローレイ:マーガレット・ホフマン

モロー刑事:チャールズ・エヴァンズ

マーサ(モーリスの妻):オードリー・ベッツ

花屋の女:バーバラ・スレイター(英語版)

ヴェルドゥの弁護士:リチャード・アボット

刑吏:ジュリアス・クレイマー

検察官:レスター・マシューズ

医者:フランク・レイカー(英語版)

日本語吹替

俳優日本語吹替
TBSBD
チャールズ・チャップリン宝田明千葉繁
マーサ・レイ桜京美浅野まゆみ
イソベル・エルソム馬淵晴子仲村かおり
マリリン・ナッシュ(英語版)中山麻里森なな子
ロバート・ルイス西谷修一
メイディ・コレル(英語版)大井麻利衣
アリソン・ロダン森千晃
チャールズ・エヴァンズ人見明


TBS版吹き替え - 初回放送1977年5月16日 21:02 - 23:25『月曜ロードショー

BD版吹き替え - 2016年発売の『チャップリン Blu-ray BOX』に収録

メインスタッフ

製作・監督・脚本・作曲:チャールズ・チャップリン

撮影:クルト・クーラン、ローランド・トザロー

カメラ:ウォーレス・チューニング

助監督:ロバート・フローリー、ウィーラー・ドライデン、レックス・ベイリー

音楽監督:ルドルフ・シュレーガー

編集:ウィラード・ニコ

美術監督:ジョン・ベックマン

ヘアメイク:ヘドヴィッグ・ジョンド

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出典検索?: "殺人狂時代" 1947年の映画 ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2023年6月)

第二次世界大戦真っ只中の1942年秋、1920年代のフランスに実在したアンリ・デジレ・ランドリュー(1869年 - 1922年)という殺人鬼をモデルにした映画の脚本を書くので、その映画の主演をしてもらいたいという話をオーソン・ウェルズがチャップリンに持ち込んだ。


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