残響のテロル
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残響のテロル


ジャンルアクションクライム・サスペンス
アニメ
原案渡辺信一郎
監督渡辺信一郎
脚本矢野焦点、瀬古浩司熊谷純猪原健太
キャラクターデザイン中澤一登
音楽菅野よう子
アニメーション制作MAPPA
製作残響のテロル製作委員会
放送局#放送局を参照
放送期間2014年7月 - 9月
話数全11話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『残響のテロル』(ざんきょうのテロル)は、MAPPA制作による日本オリジナルテレビアニメ作品。2014年7月から9月まで、フジテレビノイタミナ」枠にて放送された。
概要

完全オリジナルストーリーで、監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子の『カウボーイビバップ』コンビが手掛ける[1][2][3]キャッチコピーは、「この世界に、引き金をひけ。」

渡辺監督はアイスランドの音楽から本作を発想し、劇中でも「寒い国の(北の国の)音楽」という言葉やアイスランド語のキーワードを登場させている。それに従い菅野、共同音楽プロデューサー冨永恵介らが制作したサウンドトラックも、アイスランドのスタッフとミュージシャンを交え、シガー・ロス所有のレイキャヴィークのスタジオで録音を行っている[4]

2014年12月15日には、第18回文化庁メディア芸術祭において、審査委員会推薦作品に選出された[5]

2015年4月2日には、『BLOOD-C』・本作・『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の日本製アニメ3作品が暴力賛美に当たるとして、中国政府から名指しで批判されていることが報じられた[6]。本作の場合、少年が核兵器の原料を強奪し、原子爆弾を製造する内容が問題視されたという[7]

2015年10月に舞台化が発表された[8]
ストーリー

青森の核燃料再処理施設で、ナイン、ツエルブという二人の人物によってある物体が強奪される。強奪犯の一人は、施設の床にスプレーで「VON」という謎のメッセージを書き残し、もう一人とともに施設を脱出する。後に捜査関係者に対して強奪された物体は「プルトニウム」と伝達される。

それから半年後。夏休み前の暑い日、ナインとツエルブは「九重新」「久見冬二」と名前を偽りとある高校に転入する。周りの注目に目もくれず、二人はある計画を進めようとしていた。そして、二人は転入先で他の女子生徒からいじめられていた三島リサを気にかける。リサは二人が幼少期に脱出した施設に残してきた幼馴染に似ていた。

数日後、元警視庁捜査一課刑事で、現在は文書課で無為な日々を送っている柴崎健次郎は前日に見たスピンクス1号・2号と名乗る二人の若者が犯行声明を出していた動画が気に掛かっていた。動画の予告通り、東京で大規模停電が発生し、ナインとツエルブが仕掛けた爆弾テロにより、都庁で大爆発が起こる。ツエルブがリサに目撃されたことから、ナインはリサに「ここで死ぬか、共犯者となるか」を選択させ、リサは共犯者となることを選ぶ。

そして、スピンクス1号・2号は、次の爆破場所をなぞなぞで伝える新たな動画を公開する。捜査一課はこのなぞなぞの解明に失敗し、第二の爆破を許してしまう。捜査一課課長の倉橋は、第二の爆破事件直前になぞなぞの真の解を自分に伝えた柴崎に、捜査一課への復帰を促す。

捜査一課に復帰した柴崎の活躍は目覚ましく、スピンクス1号・2号の第三の爆破予告の謎を解き、爆破の阻止に成功する。さらに警視庁は都内に残された監視カメラの映像からスピンクス1号・2号のアジトを特定する。一方、スピンクス1号・2号は第四の爆破予告を公開する。柴崎は彼らが動画で伝えたなぞなぞを正々堂々と解こうとするが、捜査一課の羽村ら刑事たちはなぞなぞの解明より容疑者逮捕が優先と、アジトの強制捜査を実行したため、スピンクス1号・2号は「柴崎以外の警察官がズルをした」として、もぬけの殻のアジトに踏み込む警察官の姿を生中継した上に、ネット上に警視庁からクラッキングした捜査情報を流出させ、警視庁の威信は地に落ちる。

警視庁が混乱に陥っている頃、アメリカはナイン、ツエルブが幼少期に脱出した施設にかつて収容されていたハイヴを日本に派遣する。スピンクス1号・2号は第五の爆破予告を発表し、柴崎に爆破予告のなぞなぞを解かせることで、自分たちのテロリズムの意図を理解させようとするが、ハイヴは警察上層部に圧力をかけて柴崎らの動きを封じ、更にはスピンクス1号・2号のパソコンをクラッキングし、彼らが爆弾を仕掛けた地下鉄の動きを追えないようにしてしまう。柴崎らが一向に動かないうえに爆弾を仕掛けた地下鉄の動きすら分からなくなったスピンクス1号・2号は自ら爆弾の回収に動く事態になる。これがスピンクス1号・2号とハイヴの戦いの始まりだった。ハイヴはスピンクス1号・2号との知的ゲームを楽しみながら、彼らが青森で強奪した物体を手に入れようとする。一方、柴崎は独自に捜査を進め、かつて一部のエリートたちによっておこなわれていたアテネ計画と呼ばれる壮大な人体実験が一連の事件の背景にあることを突き止める。
登場人物
主要人物
ナイン / 九重 新(ここのえ あらた)
声 -
石川界人[9]本作の主人公。頭脳明晰で常に冷静沈着な男子高校生。17歳。濃紺色のセルフレーム眼鏡を掛けている。青森の核燃料再処理施設にてツエルブと共謀し、日本政府が密かに開発していた小型原子爆弾を強奪する。その半年後、高校生として東京で暮らし始める。幼少期にアテネ計画のために優秀な孤児を集めた施設に収容されていたが、8年前にそこからツエルブとともに脱出、現在に至る。新進平和塾のメンバーに関係する建物に爆弾を仕掛けていくが、地下鉄に爆弾を仕掛けた後ハイヴの介入により自ら回収することになる。その後ハイヴの用意した偽のスピンクスからの犯行予告を阻止するため、ツエルブ、リサと共に羽田空港に行く。(リサはナイン、ツエルブとは別で羽田に向かった。)羽田空港でナインはツエルブと別行動で爆弾の場所を探すためにハイヴとの空港を使ったチェス勝負をすることになる。ハイヴに捕まったリサを助けに行くと言うツエルブに「行かないでくれ」と言うが、ツエルブに裏切られ一人で最後の爆弾を学校に取りに行く。後に自ら警視庁に出頭し、記者会見の開催を要求する。しかし、記者会見はハイヴの妨害によって実施できず、代わりに事前に録画していた映像を流し、奪取した小型原子爆弾が2時間後に爆発することを日本国民に通告する。尚、映像の最後に面を取り素顔をさらしている。その爆弾は気球に吊されていて、そのまま成層圏まで上昇して最後爆発し、強大な電磁パルス及びオーロラを発生させた。真の目的は、テロを引き起こし、事態を大事にさせる事によって、誰にも握り潰す事が出来ない状況を作り出すことであり、もう一つの目的として、その事を突き止めて、捕まえに来る人間を必要としていた。その役割を担う人間として、柴崎を想定していた。そのため、自分を逮捕しに来た柴崎に対して「あんた自身がオイディプスだったんだ」と言っている。リサに「いつも何の歌を聴いているの?」と尋ねられたとき、「寒い国(アイスランド)の歌だよ」と答えた。米軍がやってきた際に、「原発に仕掛けた起爆装置を作動させ爆発させる」と脅すが、その直後にツエルブが射殺された為激昂して起爆スイッチを押そうとする。柴崎に止められ、その起爆装置は起動はさせずにそのまま柴崎へと託し、最後に「俺たちを、覚えていてくれ、俺たちが生きていた事を」と柴崎に言い残すと、耳鳴りを覚えてその場に倒れ、死亡した。
ツエルブ / 久見 冬二(ひさみ とうじ)
声 - 斉藤壮馬[9]本作のもう1人の主人公。ナインと同じ高校に転入した少年。17歳。明るく純粋な性格。ナインを兄の様に慕っており、常に彼と行動を共にしている。他のクラスの生徒まで顔とフルネームを暗記するなど記憶力が良く、オートバイスノーモービルの操縦が上手い。声や音を色として捉える共感覚を持つ。ナインと同様の施設に居たが、8年前に彼とともに脱出した。ハイヴに拉致されたリサを救出するため、単独でリサの元に向かうが、リサの命を救うためにナインを裏切り、自分たちが青森で奪取した小型原子爆弾の在り処をハイヴに話してしまう。 その後、リサと共に解放されるが、リサからナインが記者会見を実施することを聞き、ナインの援助に向かう。その際、手榴弾を投げた影響か、バイクから転倒し怪我をしており、東京でリサと再会した際に倒れ込んでしまう。容体が回復した後、誰からも必要とされず2人だけで生きてきた自分たちに寄り添ってくれたリサに感謝の言葉を述べる。小型原子爆弾の爆発後、リサと共にかつて自分たちが収容されていた施設を訪れ、そこでナインと再会し、和解した。真の目的はナインと同様であり、柴崎には、「あともう一つ、その事を突き止めて捕まえに来る人間が必要だった」と伝えている。その直後、スピンクス事件に介入した事実が公表されることを恐れたアメリカ政府の命により、口封じのため、ヘリコプターでやってきた米軍に射殺された。“冬(とう)”の字を“十(とお)”に置き換えると十二(12=Twelve)となる。
三島 リサ(みしま リサ)
声 - 種ア敦美[9]本作のヒロイン。ナインとツエルブが転入した高校に通っている少女。クラスの中でいじめられており、家庭でもノイローゼ気味の母親に過剰に干渉されて悩んでいる。都庁での爆破テロの際、ナインに「このままそこで死ぬか、それとも共犯者になるか、お前が選べ」と選択を迫られ、共犯者になる道を選ぶ[注 1]。その後、ナインとツエルブと出会ったことで現在の閉塞した状況から逃れられると期待し、家出。ツエルブに保護され、暫くナイン達の元で暮らす。やがて、自身の存在がナインたちの行動の足を引っ張っていると悟り、彼らの元を去るが、ハイヴの元に連れ去られてしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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