歯茎はじき音
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「歯茎たたき音」と「歯茎はじき音」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「無声子音」、「無声歯茎たたき音およびはじき音」をご覧ください。

有声歯茎たたき音または.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}弾(はじ)き音(ゆうせいしけいたたきおん・はじきおん、: voiced alveolar tap/flap)は、一部の音声言語で使用される子音の一種である。歯茎、または後部歯茎たたき音またははじき音を表わす国際音声記号は [?]。
概要

「たたき音(tap)」と「はじき音(flap)」という用語はしばしば区別しないで使用される。音声学の名著『A Course in Phonetics』を執筆したイギリスの音声学者であるPeter Ladefogedは、たたき音とはじき音について、以下のような区別を提案した。

たたき音は非常に短い閉鎖音として直接接触点を打つ

はじき音は接線的に接触点を打つ

はじき音は、最も典型的には、舌尖を歯槽堤の後ろに後退させ、それが通過中に歯槽堤に当たるように前方に移動させることによって作られる[1]。歯茎たたき音とはじき音との間の区別はIPAでたたき音 [?] とはじき音 [?] を使って書くことができる。「そり舌」記号が、舌先が歯槽堤の後ろに丸まっているところから始まる後者のために使われている。この区別は、一部のアメリカ英語話者の発話では、potty /p?ti/⇒[p??i](たたき音の [?]) と party /p?rti/⇒[p??i](はじき音 [?] )という単語の違いを際立たせる際に顕著である。

この区別を行う言語学者は、舌頂たたき音(スペイン語のpero)を [?] と転写し、はじき音(アメリカ英語のladder)を [?] と転写する。後者は、IPAによって承認されていない。そうでなければ、歯茎音および歯音は通常「たたき音」と呼ばれ、その他の調音が「はじき音」と呼ばれる。同じ調音部位のたたき音とはじき音が対立する言語はない。

この音は英語を母語としない人によってしばしば分析され、多くの外国語における「R音」と解釈されている。分節音が存在するが音素性がない言語では、この分節音は歯茎閉鎖音([t]、[d]、またはその両方)またはR音歯茎ふるえ音歯茎接近音など)のいずれかの異音であることが多い。

この歯茎たたき音がその言語における唯一のR音であるとすると、厳密に言えばふるえ音を表わすものの /r/ と転写されるかもしれない。
弾音化

英語では、とある条件下において、無声歯茎閉鎖音/t/の発音が、有声歯茎たたき音およびはじき音[?](日本語のラ行の音)に変化することがある。この現象は、調音の際の舌の動かし方によって「フラッピング(: flapping)」又は「タッピング(: tapping)」といわれ、両者を合わせて一般的には「弾音化」と呼ばれている。詳細は「フラッピング」を参照
有声歯茎たたき音およびはじき音

有声歯茎たたき音またははじき音
?
IPA番号124
エンコーディング
エンティティ (decimal)ɾ
Unicode (hex)U+027E
X-SAMPA4
点字

画像


音声サンプル
noiconファイル · ヘルプ

特徴

有声歯茎たたき音またははじき音の特徴:

調音方法たたきまたははじきであり、これは舌が非常に短時間接触するように筋肉の一回の収縮を使って生み出されることを意味する。

調音部位または歯茎で、これは上前歯の後ろまたは歯槽堤の位置で調音されることを意味する。ほとんどの場合舌尖音であり、これは舌の先端を使って発音されることを意味する。

発声は有声であり、これは調音の間に声帯が振動することを意味する。

口音であり、これは空気が口だけから抜けることができることを意味する。

中線音であり、これは舌の側面ではなく、中央に沿って気流を導くことによって生み出されることを意味する。

気流機構肺臓的であり、これは、ほとんどの音と同様に、横隔膜だけで空気を押すことによって調音されることを意味する。

存在

日本語 - そら [so?a]。日本語ではラ行の子音が母音に挟まれたときに現れる。話者によってはそり舌はじき音を用いる。

アイヌ語 - ror [?o?] (上座)

スペイン語 - pero [pe?o] (しかし)

朝鮮語 - ?? [na?a] (国)

言語単語IPA意味注記
アラビア語エジプト[2]???[?e?l]'脚'強勢形と対立。
レバノン???[?????]'賃金'
モロッコ
アルメニア語東アルメニア語[3]???? [?op?][ヘルプ/ファイル]'分'全ての位置で /r/ と対立。
バスク語begiratu[be??i?a?tu]'見る'/r/ と対立。
ベンガル語????[aba?]'再び'他言語における [r ~ ?] に相当し、単語の内側および末で [r] に対して生じるかもしれない。
カタルーニャ語[4]mira[?mi??]'見る'/r/ 対立。
デンマーク語[5][6]nordisk[?no???isk]'スカンジナビアの'母音の間の /d/ の可能性のある現実態[5][6]
英語コックニー[7]better[?be???]'より良い'/t/ の母音間異音。[[?] ~ [t?] ~ [t?]] と自由変異する。フラッピングを見よ。
オーストラリア[8][?be??]/t/ の母音間異音。一部のオーストラリア人では /d/ でも。ニュージーランドよりもオーストラリアでよく見られる。
ニュージーランド[9][?be??]
ダブリン [?b???][ヘルプ/ファイル]/t/ および /d/ の母音間異音。多くの方言に存在する。地域(ローカル)ダブリン英語では代わりに、新ダブリン英語および主流ダブリン英語とは異なり、[?] の可能性がある。
北米[10]
アルスター
イングランド西部地方
アイルランドthree[θ?i?]'3'保守的な訛り。他方言における [? ~ ? ~ ?] に相当する。
スコットランド[11]ほとんどの話者。その他は [? ~ r] を使用する。


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