武蔵野線
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この項目では、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線について説明しています。その他の用法については「武蔵野線 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

武蔵野線

武蔵野線内を走行するE231系電車
(2019年11月26日 府中本町駅 - 北府中駅間)
基本情報
日本
所在地神奈川県東京都埼玉県千葉県
種類普通鉄道在来線幹線
起点鶴見駅(貨物線)
府中本町駅(旅客営業区間)
終点西船橋駅
駅数29駅(西船橋駅含み、支線の駅および鶴見駅を除く)
電報略号ムサセ[1]
路線記号JM
開業1973年4月1日
全通1978年10月2日
所有者東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者東日本旅客鉄道(JR東日本)
日本貨物鉄道(JR貨物)
車両基地京葉車両センター
東所沢電車区
使用車両車両を参照
路線諸元
路線距離100.6 km(鶴見 - 西船橋間)
軌間1,067 mm
線路数複線(国立支線は単線
電化区間全線
電化方式直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式複線自動閉塞式
保安装置ATS-P(府中本町駅 - 西船橋駅間[2]
ATS-SN(鶴見駅 - 府中本町駅間[2]
最高速度95 km/h

路線図


↑旅客営業区間のみを表す
赤線が武蔵野線、青線が京葉線直通区間
↑武蔵野線および接続する鉄道路線

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武蔵野線(むさしのせん)は、神奈川県横浜市鶴見区鶴見駅から東京都府中市府中本町駅埼玉県さいたま市南区南浦和駅を経由し、千葉県船橋市西船橋駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。他に、新小平駅 - 国立駅間、新秋津駅 - (西武鉄道所沢駅間、西浦和駅武蔵浦和駅 - (別所信号場) - 与野駅間、南流山駅 - 北小金駅馬橋駅間に支線が存在する(詳細は後述[3]。全線でJR東日本が第一種鉄道事業者日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となっている。

鶴見駅(実質は新鶴見信号場)- 府中本町駅間の通称武蔵野南線は貨物列車旅客列車は特急「鎌倉」などの臨時列車のみ[注 1])が、府中本町駅 - 西船橋駅間は旅客列車と貨物列車の併用で運行されている。また、支線を活用して大宮駅発着の「むさしの号」「しもうさ号」も運行されている。府中本町駅 - 西船橋駅間は駅ナンバリングが設定されており、路線記号はJMである。
概要

武蔵野線は、山手貨物線のバイパス路線として日本国有鉄道(国鉄)が建設した貨物線で、同時に旅客用にも供用された首都圏の外環状路線である。東京都多摩地区埼玉県南部、千葉県西部(東葛地域)など首都圏の郊外を結ぶ通勤・通学路線でもあり、東京都心部から放射状に延びるJRや私鉄の各路線との交点に乗換駅が設けられている。旅客営業の起点は府中本町駅であるが、府中本町駅 - 鶴見駅間は現在でも貨物専用路線として機能しており、この区間は旅客営業区間と区別して通称「武蔵野南線」と呼ばれる[4]。当路線の開業により山手貨物線の貨物列車の本数が減少し、山手貨物線を走行する埼京線湘南新宿ラインといった旅客列車の新設・増発が可能となった[5]

当路線は東海道本線方面と東北本線方面を結ぶ山手貨物線を迂回する貨物線として計画された。開業当初は主に貨物列車が運行されていたが、沿線の宅地化による人口増加に伴い旅客営業を行う府中本町駅 - 西船橋駅間では旅客列車の運行が増加した。本来的には、東北・上越方面と東海道方面を結ぶ山手貨物線の迂回路線として建設、管理されている路線のため、西浦和駅においては与野駅方面へ向かう支線が直進、武蔵浦和駅方面へ向かう本線が分岐する線形となっている。武蔵野線の名称にふさわしく、武蔵野地域・武蔵野台地を貫通して各都市を結ぶ路線であるが東京都武蔵野市は経由しない。

旅客輸送としては東京地区の電車特定区間の一路線である。ラインカラーはオレンジバーミリオン(■)で、旅客案内や運行される車両の車体色に使用されている。本路線は、直通運転を行う京葉線、府中本町駅で接続する南武線、その西側を通る横浜線とともに東京都心と郊外を結ぶ他社線との接続駅を多く持つ「東京メガループ」の一つに指定されている[報道 1]

貨物輸送としては、東海道貨物線東北貨物線を結ぶほか、短絡線を介して中央本線・東北本線・常磐線とも接続し、西船橋駅から京葉線を介して千葉貨物駅とも直結し、首都圏鉄道貨物輸送の大動脈となっている。線内に梶ヶ谷貨物ターミナル駅新座貨物ターミナル駅越谷貨物ターミナル駅の3つの貨物駅が設置されている。
歴史

武蔵野線は、山手貨物線を代替する「東京外環貨物線」として計画され、1927年鉄道敷設法に取り入れられていたが、第二次世界大戦などの影響で計画は凍結された。戦後になり山手貨物線の貨物列車本数が増加したことから、1952年に首都外郭環状線の一環として所沢 - 浦和 - 流山 - 我孫子間の路線が埼玉県より申請され、1957年に鉄道建設審議会で玉葉線(ぎょくようせん)[注 2]として建設が決定[6]され、1964年にD線[注 3]と通称される大都市交通線として日本鉄道建設公団によって着工した。建設当時、新松戸駅 - 西船橋駅は小金線(こがねせん)という名称だった[7]。そのため、武蔵野線および小金線の鉄道施設はかつて日本鉄道建設公団およびその業務を承継した鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が保有しており、国鉄およびJR東日本は貸付料を支払っていた[注 4]が、2018年までに貸付料の支払いが終了し、鉄道施設はJR東日本に有償で譲渡された[8][9][10]

1973年4月1日に府中本町駅 - 新松戸駅間[11]・与野駅 - 西浦和駅間などが開業し、旅客線および貨物線の営業を開始した。開業当初は貨物列車の合間の住民への見返り運転であり、昼間は40分間隔[12]、ラッシュ時でも15 - 20分間隔での運転だった[12]1970年代後半になると、貨物列車は拠点間集中輸送へ重点が移り列車本数が削減されてダイヤに余裕が生じ、沿線の開発に伴い人口も増加し、旅客列車も増発された。1976年に鶴見駅 - 新鶴見操車場 - 府中本町駅間が貨物営業のみで開業した。

駅務設備の近代化促進のため、開業時に全17駅中12駅に自動改札機、10駅に自動精算機、他路線と接続する4駅に定期券発行機がそれぞれ設置され、関東の鉄道では開業当初から自動改札機を全面的に導入した初の路線となった。これは東京近郊で開業した新線としては沿線人口が比較的少なく、機器の故障時に発生する改札処理の遅延などの問題が発生しても影響が最小限に抑えられるため試験的導入に最適と当時の国鉄当局が判断したことによる。しかし、開業後は沿線人口に比例して利用客が増加し、これによる機器故障時の改札遅延に加えて自動改札機非対応の他社線からの乗換客が非磁気券を投入して改札で抑止される事案が多発したことから、国鉄や関東の大手私鉄各社が自動改札の導入に対して慎重になった一因ともされる。

1978年に新松戸駅 - 西船橋駅が延伸開業、1988年12月に京葉線第2期区間である西船橋駅 - 市川塩浜駅間および南船橋駅 - 新木場駅間が開業し、一部列車が京葉線と直通運転するようになった。

2018年10月、全線開業から40周年を迎え、2018年11月23日から2019年3月31日まで、千葉支社京葉車両センター配置のE231系電車1編成に全線開業40周年を記念するヘッドマークを掲出して、武蔵野線全線(京葉線直通列車、および「むさしの号」「しもうさ号」運転区間を含む)で運行された[報道 2]
年表

1952年昭和27年)5月27日:首都外郭環状線の一環として、埼玉県が所沢 - 浦和 - 流山 - 我孫子間の路線を申請[6]

1955年(昭和30年)9月2日:首都外郭環状鉄道建設県期成同盟が結成される。この時、仮線名を「玉葉線」とする[6]

1957年(昭和32年)4月3日:鉄道建設審議会で玉葉線の建設が決定[6]

1964年(昭和39年)4月:武蔵野線の基本計画が提示され、運輸大臣が日本鉄道建設公団に建設を指示[6]

1965年(昭和40年)12月17日南浦和駅で起工式を挙行[6]

1966年(昭和41年)9月1日:西船橋 - 北馬橋〈当時〉間 14.62kmの区間(小金線〈当時〉)について、日本鉄道建設公団が運輸大臣から工事施行認可を受ける[13]

1973年(昭和48年)4月1日:武蔵野線 府中本町駅 - 新松戸駅間 57.5km、貨物支線 新小平駅 - 国立駅間 5.0km、新秋津駅 - 日本国有鉄道線・西武鉄道株式会社線分界点間 1.6km、西浦和駅 - 与野駅間 4.9km、南流山駅 - 北小金駅間 2.9km、南流山駅 - 馬橋駅間 3.7kmが開業。中央本線貨物支線(下河原線)北府中駅 - 下河原駅間 3.8km が編入される。

府中本町駅 - 新松戸駅間のうち貨物営業は北府中駅 - 南流山駅間 53.7km のみ。

西国分寺駅新小平駅新秋津駅東所沢駅新座貨物ターミナル駅新座駅北朝霞駅西浦和駅東浦和駅東川口駅南越谷駅越谷貨物ターミナル駅吉川駅三郷駅南流山駅新松戸駅が開業。田島信号場・別所信号場が開設。北府中駅・下河原駅の所属線区を中央本線から武蔵野線に変更。


1974年(昭和49年)10月1日武蔵野操車場が開設。


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