正規社員の解雇規制緩和論
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この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2014年8月)

この項目は解雇規制に関し、特に正規雇用者の整理解雇に関する緩和論についての記述内容をまとめた項目です。

OECD一般労働者の個別解雇に対する法規制の厳しさの指数(2019年)[1]解雇手続の規制解雇予告期間と解雇手当の規制不当解雇に対する規制の枠組み不当解雇に対する規制実施OECD雇用保護規制指標
アメリカ合衆国0.70.00.14.41.3
カナダ0.70.81.23.81.6
オーストラリア1.31.01.82.51.7
イギリス1.31.31.13.31.7
 デンマーク1.22.11.92.31.8
アイルランド1.31.21.93.52.0
日本0.80.92.83.92.1
ドイツ1.71.33.12.92.2
韓国2.21.03.03.32.4
メキシコ1.81.73.72.52.4
スペイン1.82.12.03.82.4
フランス1.52.42.63.32.4
 スウェーデン2.31.72.53.42.5
ギリシャ1.21.23.84.02.5
イタリア1.82.03.04.02.7
オランダ4.22.32.52.42.8
ポルトガル2.31.74.23.32.9

A 解雇手続の規制
1. 通知手続き
2. 通知が可能になるまでの期間
B 解雇予告期間と解雇手当の規制
3. 予告期間の長さ
4. 解雇手当の額
C 不当解雇に対する規制の枠組み
5. 不当解雇の定義
6. 試用期間の長さ
7. 不当解雇後の労働者に対する補償
8. 不当解雇後の復職の可能性
D 不当解雇に対する規制実施
9. 不当解雇の主張を行うための最長期間
10. 労働者が不当解雇の訴えを起こす際の立証責任
11. 外部機関による解雇の事前検証
12. 雇用終了前に失業手当支給をする解決メカニズム
E OECD雇用保護規制指標

正規社員の解雇規制緩和論(せいきしゃいんのかいこきせいかんわろん)とは、正社員の解雇規制が非正規雇用に比べて強いことが、日本の労働市場において正規と非正規の二重構造を作り出し歪ませているため、これを緩和するべき[2]という規制緩和論の一つ。

これまでの日本では労働力の調整に非正規雇用者を利用することが社会的に容認されていて、企業が正規雇用者を整理解雇する前に非正規雇用者の解雇派遣切り雇い止め)をすることは整理解雇の四要件を満たすために必要であったが、2008年の世界金融危機 (2007年-)が発端となった世界的不況による経営の悪化が引き起こした大量の派遣切りは社会問題となった。この時の派遣切りに非難が集まり非正規雇用者の雇用に対する規制を強化することが議論されたが、規制強化はより規制の弱い雇用形態への変更や機械による代替、コストの安い海外への移転が起こり雇用量が減少してしまうと考えられている[2]

労働者を雇用している企業は経営状態が悪化した時に整理解雇を行う場合があるが、正規雇用者の解雇は整理解雇の四要件が判断の基準となっており、要件の一つの解雇回避努力義務には、非正規雇用者の削減と新規採用の停止をすることが求められている。

また、職務遂行能力欠如を理由とする普通解雇は、判例では「改善意欲が完全に欠如している社員であり、会社が様々な対策を取っても全く改善されず、雇用維持が困難と社会通念上相当と認められる場合」に限っており、ほとんどの通常の社員にとって「職務を遂行する能力が欠如している」といった、客観性の乏しい理由で普通解雇とすることは無縁である。

このように非正規雇用者整理解雇の時には真っ先に解雇される不安定な立場に置かれているが、正規雇用者解雇規制で保護されて比較的に安定しており、雇用の二極化という格差を作り出している[2]

日本では非正規雇用者の割合が増加しつづけているが、これにより低所得者層が増えて中間層が空洞化し、社会の不安定化と閉塞感の原因となっている。企業の労働力の調整に伴う不利益を非正規雇用者にすべて負わせるのではなく、正規雇用者の解雇規制緩和(非正規雇用者を解雇する場合は正規雇用者の解雇も必要とすること等)を含めたルール作りや法整備を行い、正規雇用者と非正規雇用者の雇用保障の差を小さくして中間層を増やし、社会を安定させる必要があると考えられている[2][3]
歴史と背景日本の失業(男女別、年齢別)。15-24歳の細線が若年失業にあたる[4]。「労働ビッグバン」も参照

第二次世界大戦終戦後、労働基準法が制定されると、多くの労働争議を背景として解雇の要件をどう定めるか議論がなされた。判例の蓄積により昭和50年代には解雇権濫用の法理が確立されていった[注 1]

高度経済成長期には、企業は慢性的な人手不足により常に労働力を必要としていたため、雇用に関して大きな問題は生じていなかった。

しかし、バブル崩壊を契機とした日本の「失われた10年」の期間には、この強い解雇規制が上記のような様々な問題を生み出しているとして、経済学者法学者によって解雇規制の緩和が論じられるようになった[5]

2001年、小泉純一郎首相(当時)は「雇用の流動化が進む中で、解雇基準やルールの明確化は必要だ」と述べ、解雇法制への取り組みを表明した。

2003年には、労働基準法第18条の2を追加する法改正が行われた。政府原案では「解雇は原則自由―ただし濫用は無効」となっていたが、民主党等の反対を容れ、修正により解雇権濫用法理が前面に出されることになった。雇用の流動化を促し、成長企業への人材供給を後押しする当初の狙いからは後退した[6]。その後、当該条項は新たに制定された労働契約法第16条に引き継がれている。

2007年の第1次安倍内閣において、経済財政諮問会議規制改革会議再チャレンジワーキンググループは解雇規制の緩和、および正規・非正規の均衡処遇を提言したが、実現には至らなかった[7]

2008年12月頃に、リーマン・ショックによる不景気で一般派遣の派遣切りが発生して以来、活発に論じられるようになった。


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