正義の味方
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正義の味方(せいぎのみかた)は、勧善懲悪的に行動する人物を指す語で[1]、主に創作物のヒーローを指す[1]。用例は19世紀から存在する[注 1]
用例「我等は正義の味方也」というモットーを掲げる東京毎日新聞の広告、1922年

川内康範が『月光仮面』の主題歌(1958年)で用いて広まったとされ[1][19]、川内の造語だとする説もあるが[20][21][22]、19世紀から多数の用例が存在する[注 1]。中でも徳富蘇峰の『国民之友』誌の記事[注 2]内村鑑三の著作[注 3]では、「正義の味方」という表現がたびたび用いられている[注 2][注 3]

群馬県の廃娼運動団体が明治時代に発行していた機関誌『上毛之青年』にも、社告や寄稿などに「正義の味方」という言葉が見受けられる[注 4]。『東京毎日新聞[注 5]は大正時代中頃から昭和時代初期にかけて「我等は正義の味方也」というスローガンを広告や日々の紙面で標榜していた[注 6][25][28]

大隈重信芥川龍之介なども[注 7]、『月光仮面』以前に「正義の味方」という語を用いている。

創作物のヒーローを指す意味としては、『月光仮面』以前から永松健夫加太こうじらが『黄金バット』で「正義の味方」という語をたびたび用いている[注 8]
由来に関する考察

佐藤誠三郎は、日本文化会議のセミナーで「日本における正義」と題した講演を行い、その中で(創作物における)「正義の味方」についても言及している[82]。佐藤によれば、「正義の味方」とはイエやムラのような共同体から外れた孤高の存在で、見返りを求めることなく共同体を部外者として手助けする[82]。こうした「正義の味方」の概念は明治維新以降に生まれたもので[82]義士義民といった江戸時代から存在する類似概念との違いは、義士や義民が自らの属する共同体のために行動するのに対して、正義の味方はその共同体の構成員ではない点にある[82]。佐藤はそのような「正義の味方」の系譜として、鞍馬天狗月光仮面、およびウルトラマンを挙げている[82]

黄金バット』の作者の1人でもある加太こうじによれば、「正義の味方」をキャッチフレーズに用いたヒーローの元祖が『黄金バット』であるという[76]
対義語

馬場恒吾、芥川龍之介、やなせたかしは、「正義の味方」の対義語として「正義の敵」[45][58][83][22]という表現を用いている。

アニメ『鉄人28号』(1963年)の主題歌を作詞作曲した三木鶏郎は、歌詞の中で「正義の味方」の対義語として「悪魔のてさき」[84](悪魔の手先)という表現を用いている。
「正義の味方」を題名とする創作物

以下のようなものがある。

正義の味方 (ゲームソフト) - 2001年に発売されたプレイステーション2用ゲームソフト。

正義の味方 (漫画) - 聖千秋による少女漫画


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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