歓喜の歌
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この項目では、ベートーヴェンの交響曲第9番の中の歌について説明しています。立川志の輔新作落語及びそれを原作とした映画・テレビドラマについては「歓喜の歌 (落語)」を、モーツァルトの歌曲については「歓喜に寄す (モーツァルト)」をご覧ください。

『歓喜の歌』(かんきのうた、喜びの歌、歓びの歌とも。: An die Freude / アン・ディー・フロイデ、: Ode to Joy)は、ベートーヴェン交響曲第9番の第4楽章で歌われ、演奏される第一主題のこと。
歌詞.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}歓喜の歌(アメリカ海軍バンド)この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

音楽・音声外部リンク
YouTube
Live in Madrid: Simon Rattle conducts Beethoven's 9th Symphony - ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団公式チャンネル。交響曲第9番第4楽章から Alla marcia Allegro assai vivace - Andante maestoso。サイモン・ラトル指揮。

フランス革命の直後、シラーの詩作品「自由賛歌」(独: Ode An die Freiheit[1]、仏: Hymne a la liberte[2] 1785年)がラ・マルセイエーズのメロディーでドイツの学生に歌われていた[2]。その後に書き直された「歓喜に寄せて」(An die Freude 1785年初稿、1803年一部改稿)[1]をベートーヴェンが歌詞として1822年 - 1824年に引用、書き直したもの。ベートーヴェンは1792年にこの詩の初稿に出会い感動して曲を付けようとしているが、実際に第9交響曲として1824年に完成した時には1803年改稿版の詩を用いている。

ベートーヴェンは生涯にわたってシラーの詩集を愛読したが、実際に交響曲第9番ニ短調『合唱付』作品125の第4楽章の歌詞に織り込むにあたって、3分の1ほどの長さに翻案している。冒頭にバリトン歌手が独唱で歌う“おお友よ、このような音ではなく…”は、ベートーヴェンが自分で考えたものであり、シラーの原詩にはない。
歌詞(ドイツ語原詞・日本語訳)

An die Freude

O Freunde, nicht diese Tone!
Sondern last uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.
(以上3行はベートーヴェン作詞)

Freude, schoner Gotterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

Deine Zauber binden wieder,
(以下2行は1803年改稿)
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Bruder,
(1785年初稿:
Was der Mode Schwert geteilt;
Bettler werden Furstenbruder,)
Wo dein sanfter Flugel weilt.

Wem der grose Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

Freude trinken alle Wesen
An den Brusten der Natur;
Alle Guten, alle Bosen
Folgen ihrer Rosenspur.

Kusse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, gepruft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.

Froh, wie seine Sonnen fliegen
Durch des Himmels pracht'gen Plan,
Laufet, Bruder, eure Bahn,
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kus der ganzen Welt!
Bruder, uber'm Sternenzelt
Mus ein lieber Vater wohnen.

Ihr sturzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schopfer, Welt?
Such' ihn uber'm Sternenzelt!
Uber Sternen mus er wohnen.

「歓喜に寄せて」

おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか
もっと喜びに満ち溢れるものを
(以上3行はベートーヴェン作詞)

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高なる者(歓喜)よ、汝の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
(以下2行は1803年改稿)
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
(1785年初稿:
時流の刀が切り離したものを
物乞いらは君主らの兄弟となる)
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
自身の歓喜の声を合わせよ

そうだ、地球上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての存在は
自然の乳房から歓喜を飲み
すべての善人もすべての悪人も
自然がつけた薔薇の路をたどる

自然は口づけと葡萄の木と
死の試練を受けた友を与えてくれた
快楽は虫けらのような者にも与えられ
智天使ケルビムは神の前に立つ

天の壮麗な配置の中を[3]
星々が駆け巡るように楽しげに
兄弟よ、自らの道を進め
英雄が勝利を目指すように喜ばしく

抱き合おう、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
聖なる父が住みたもうはず

ひざまずくか、諸人よ?
創造主を感じるか、世界中の者どもよ
星空の上に神を求めよ
星の彼方に必ず神は住みたもう
訳詞

日本語の訳詞で歌われることもあり、外部リンクにあるような独自の歌詞が付けられることもある。日本語訳で特に有名なものとしては、尾崎喜八が翻訳したものや、岩佐東一郎が作詞したものが挙げられる。1980年代に入った頃から、アマチュア合唱団が年末にベートーヴェンの第9を歌う“第9ブーム”が日本で定着したが、それに伴って「歓喜の歌」のドイツ語原詩を覚えるためのいろいろなアイデアが考案されている。有名なものとしては、1990年2月15日朝日新聞に載った、《向島芸者達が練習に使った「歓喜の歌」のとらの巻》があるが、「風呂出で 詩え寝る」など、本来のドイツ語の発音からはかけ離れた面もあり、現在では用いられていない。

作詞家の、なかにし礼は、1987年に日本語の「歓喜の歌・日本語版」を出版し、同年8月に桑名市民会館で初演されたが、その楽譜は現在も音楽雑誌ショパン社から出されており、各地で演奏されて好評を博している。2005年愛・地球博でも演奏された。

1985年欧州連合が欧州連合賛歌(欧州の歌)として採用したことに伴い、ラテン語の歌詞が付けられている。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}シラー作『歡喜に寄する』讃歌(譯詞)尾崎喜八[4].mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}歡喜(よろこび)、聖なる神の焔(ほのお)よ、
耀く面もて我等は進む。
裂かれし者等を合はす汝(な)が手に
諸人(もろびと)結びて同胞(はらから)となる。心の友垣(ともがき)、操(みさお)の妻(つま)を
かち得し者等は集ひて歌(うた)へ。
己を憑(たの)みて驕れる者に、
此の世の眞(まこと)の歡喜有(あ)らじ。萬(よろづ)の物皆、自然を生きて、
並べての人皆、光に浴(よ)みす。
友等(ともら)と、力と、愛とを降す
御神(みかみ)の姿の在らぬ隈(くま)なし。あゝ、造物主(つくりぬし)、日の神の
遙けき御空(みそら)を天駈(あまか)けるごと、
行(ゆ)け、汝(な)が道を、勝利の道を、
勇みて、兵(つはもの)の行くがごとく、
行け、我が友よ、いざ行け、友。捧げよ、諸人、人の誠を
父こそ、ゐませ、星空の上に。
仰げよ、同胞、けだかき父を。
ひとりの父を、星空の上に。序句 (但しシラーの作にあらず)おゝ、友、
それならぬ、
樂しく、深く、
歡喜(よろこび)に滿てる歌を
ベルリンの壁崩壊と東欧革命

ベルリンの壁が崩壊した後、チェコスロバキアビロード革命が起き、1989年12月14日、首都のプラハ革命を祝うための演奏会がヴァーツラフ・ノイマン指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によって行われ、ここで歌われた歓喜の歌が東欧革命のテーマ曲となった。


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