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『歎異抄』(たんにしょう)は、鎌倉時代後期に書かれた日本の仏教書である。作者は、親鸞に師事した河和田の唯円とされる。書名は、親鸞滅後に浄土真宗の教団内に湧き上がった親鸞の真信に違う異義・異端を嘆いたものである。『歎異鈔』とも。 作者については、現在では唯円とするのが一般的だが、他説として如信説・覚如説がある。また、近年では、覚如以後の本願寺関係者が作者であるとする説もある[1]。 如信説については、香月院深励が提唱。論拠は、覚如がまとめたとされる『口伝抄』などの書物に、親鸞より如信に口伝が行われ、更に覚如がそれを授けられたとあることによる。 唯円説については、主に妙音院了祥
作者について
本願寺関係者説については、口伝鈔、改邪鈔、歎異抄の三書を比較し書承関係を考察した場合、歎異抄を元に口伝鈔や改邪鈔が成立したと考えると、それぞれの文脈も考慮した上で、複雑かつ不自然な経路を考えざるを得ないこと、翻って歎異抄が前二書を素材として最も後に撰述されたと考えると、自然な経路が想定できることによる[3]。 親鸞の死後も、法然から親鸞へと伝えられた真宗の教え(専修念仏)は、多様に解釈され、さまざまな「異義」とされるものが生じた。作者は、それらの異義は親鸞の教えを無視したものであると嘆き、文をしたためたと述べている。 編集された時期は、作者を唯円とする説では、親鸞が死してより30年の後(鎌倉時代後期、西暦1300年前後)と考えられている。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
沿革
成立の背景
再発見
出典検索?: "歎異抄"
本書は、作者を唯円とした場合、成立から約200年の間ほとんど知られることがなかった。そして室町時代に蓮如が書写し広まった。(今日、蓮如本が最古の写本である[4]。) この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
記録に出るのは、蓮如の実子である実悟の『聖教目録聞書』に「歎異抄一巻」とあるのが初出である[5]。江戸時代初期に東本願寺の学僧、圓智が『歎異抄私記』を著し、その後、香月院深励や妙音院了祥などの学僧によって研究が進められ、深励の『歎異鈔講林記』・了祥の『歎異鈔聞記』などの注釈書が書かれた。近世以前に、確認できる写本が16本あり、その他の諸文献に記載されているものを合わせると28本あったとされる。また、江戸時代には、板本5種が刊行された。その後、明治時代になり、清澤満之らによって再度、評価され、近代の宗教学研究の手法で研究され、世間に周知されるようになった。
構成
出典検索?: "歎異抄"
この短い書は以下のような構成からなる。
真名序
第一条から第十条まで - 親鸞の言葉
別序 - 第十一条以降の序文
第十一条から第十八条まで - 作者の異義批判
後序
流罪にまつわる記録
十条において、親鸞の言葉は作者による歎異の論拠へと進化している。