欠陥住宅
[Wikipedia|▼Menu]

この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2016年1月)

欠陥住宅(けっかんじゅうたく)とは、法令等の基準を満たしていない住宅設計図(意匠図・構造図・設備図・工事仕様書・特記仕様書など)のとおりに施工されていない住宅、安全性・快適性・使用性などの観点から居住等に支障を来たす住宅のこと。

このうち、建築した当時は建築関連の法令を満たしていたが、法改正などにより現在は満たさなくなったものは既存不適格と呼び、欠陥住宅には含めない。また、経年変化による自然劣化(木材の乾燥収縮による狂い・ひび割れや、コンクリートモルタル仕上げの乾燥収縮によるひび割れなどで軽微なものなど)も、欠陥住宅には含めない。目次

1 木造の場合の典型的な欠陥住宅

1.1 基礎の根入れ深さの不足

1.2 ホールダウン金物の不足又は省略

1.3 釘の種類の誤り

1.4 外壁下地・床下地の省略

1.5 断熱材の省略、施工不良

1.6 防水工事の不良


2 鉄筋コンクリート構造の場合の典型的な欠陥住宅

2.1 鉄筋の不足

2.2 コンクリート強度の不足(シャブコン使用)

2.3 フローリング等の防音性能の不足


3 鉄骨構造の場合の典型的な欠陥住宅

3.1 鋼材の品質の誤り

3.2 溶接部の不良


4 欠陥住宅のトラブル防止と瑕疵保証

4.1 日本

4.2 イギリス

4.3 フランス


5 出典

5.1 参考文献・資料

5.2 脚注


6 関連項目

木造の場合の典型的な欠陥住宅 根入れを全くしていない布基礎 引き抜き力の大きな柱にホールダウン金物とホールダウンアンカーボルトを入れていない 構造用合板の打ち付けに細いロールNC50を使用 耐力壁が面材にめり込んでいる 外壁下地材を省略し、軸組みに直接透湿防水シートを取り付けている 比較的寒い地域であるにもかかわらず、複層ガラスや断熱サッシを採用しなかったために、激しく結露を起こし、床などの木材を腐らせている

この記事の内容の信頼性について検証が求められています
確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。出典を明記し、記事の信頼性を高めるためにご協力をお願いします。

基礎の根入れ深さの不足

基礎根入れ深さ(埋め込み深さ)は、ベタ基礎の場合12cm以上かつ凍結深度以上、布基礎の場合24cm以上なければならない。これは土を少なくとも12cm又は24cm以上掘らなければならないことを意味する。一般的には基礎の下に割栗石捨てコンクリートを敷くので、それ以上掘らなければならないことになる。しかし、掘削手間や土の廃棄コストを省くため、根入れ深さが浅かったり、全く土を掘らないことがある。

このような欠陥住宅は、地震時に家が移動したり転倒したりしやすい。また、土の中の水分が凍結するたびに、家が基礎ごと持ち上がったりすることを繰り返し、徐々に家は変形・破損してゆく。
ホールダウン金物の不足又は省略

ホールダウン金物は地震時や台風時に土台から抜けるのを防ぐために必要不可欠な補強金物である。ホールダウン金物は、建設省告示1460号の表、又はN値計算、又は構造計算に従って正しく選定し取り付けなければならない。しかし、ホールダウン金物が全くなかったり、建物の四隅にしかなかったり、通し柱にしかなかったり、1階の柱脚(柱の下部)にしかなかったり、2?3階がすべて省略されていたりすることが多い。詳しくはホールダウン金物のページを参照。

このような欠陥住宅は、地震時や台風時に柱が引き抜け、家がバラバラに分解してしまう。特に阪神・淡路大震災では、ホールダウン金物の不足した木造軸組工法の住宅に被害が集中した。
釘の種類の誤り

使用するの種類の誤り、例えば鉄丸くぎ(N釘)や2×4用太め鉄丸くぎ(CN釘)を使わなければならないところに、誤って細いロール釘(NC釘)や梱包用鉄釘(FN釘)を使ってしまうことがある。特に検査が厳重な場合でも、釘の種類までは検査しない場合が多いため、この手の欠陥はかなり多い。また、釘の間隔を守らなかったり、釘頭が構造用合板などの面材にめり込んでいることもある。詳しくはのページを参照。

このような欠陥住宅は、耐力壁が不足し、耐震性・耐風性が低くなる。また、家が常時揺れるなどの支障も来たしやすい。
外壁下地・床下地の省略

外壁下地には主に構造用合板構造用パネル火山性ガラス質複層板などを打ち付けるが、これを省略し、軸組みに直接透湿防水シートやサイディングを貼ってしまう。床下地には主に構造用合板を打ち付けるが、これを省略し、や根太に直接フローリング等の仕上げ材を貼ってしまう。

このような欠陥住宅は、耐力壁が不足し、耐震性・耐風性・断熱性・気密性・防音性などが低くなる。また、家が常時揺れるなどの支障も来たしやすい。
断熱材の省略、施工不良

断熱材の厚さに法的な規定は無いが、地域に応じて適切な厚さが推奨されている。また、断熱材は建物をすっぽりと覆うように取り付けなければならず、壁と床下と最上階の天井(天井に入れない場合は屋根)のすべてに隙間なく入れなければならない。しかし、最も安くて薄いグラスウール10Kの厚さ50mm品を使ったり、隙間だらけに入れたり、床下部分や天井部分を省略したりすることがある。

また取り付け方も問題がある。袋入りグラスウールの場合、室内側の防湿層を、および間柱の見付け面に、袋の耳を重ね合わせるようにして、200mm間隔で留め、壁の中に室内の湿気が入り込まないようにしなければならない。しかし、グラスウールをの中に押し込んでいるだけであったり、留め方が不十分であったりする。

このような欠陥住宅は、断熱性・気密性が低く、夏暑く冬寒い。また、冷暖房効果が悪く、光熱費がかさむばかりでなく、省エネルギー性が低く、地球環境にも厳しい。また、足元が冷えたり、トイレ浴室が極端に寒かったりするなど、高齢者健康にも悪く、心臓発作などを起こすリスクが高くなる。さらに、断熱材が薄いと、結露も起こしやすい。取り付け方が悪い場合には、壁の中に室内の湿気が入り込み、壁内結露を起こし、木材や断熱材を腐らせる。
防水工事の不良


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:27 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef