機甲猟兵メロウリンク
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機甲猟兵メロウリンク
ジャンル
ロボットアニメ
OVA
原作高橋良輔
監督神田武幸
シリーズ構成高橋良輔
アニメーション制作サンライズ
製作バップ、サンライズ
発売日各話リスト参照
話数全12話
小説
著者高橋良輔
イラスト谷口守泰
出版社朝日ソノラマ
レーベルソノラマ文庫
発売日1989年3月31日
巻数全1巻
その他第1巻として刊行されたが以降の続刊なし
漫画:装甲騎兵ボトムズ外伝 無防備都市
原作・原案など山口宏
作画柴田文明
出版社バンダイ
掲載誌サイバーコミックス
発売日1993年2月20日
巻数全1巻
その他キーク・キャラダインを主人公とした番外編
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『機甲猟兵メロウリンク』(きこうりょうへいメロウリンク)は、1988年から1989年にかけてバップから発売されたOVA。全12話。テレビアニメ装甲騎兵ボトムズ』の外伝に当たる作品であり、世界観を共有している。
作品解説

『機甲猟兵メロウリンク』は、主人公が主役ロボットのパイロットであることが多いリアルロボットアニメでありながら主人公がロボットを操縦しない異色の作品である。これはベースとなった『装甲騎兵ボトムズ』の作品世界に登場する人型二足歩行兵器ロボットアーマードトルーパー(以下ATと略する)の全高が4メートル前後と非常にコンパクトであり、生身の人間がATと1対1で接近戦を行うことが可能で違和感がないことが大きい[1]

主人公メロウリンクは、AT対人間という圧倒的なハンディキャップを、ある時は地の利を活かし、またある時は周到に罠を仕掛けることによって、この戦力差を埋め勝利を得る。

いわゆる「主役メカ」こそ存在しないものの、本作品には敵役の登場人物達が駆る機体として、多彩なカスタムATが登場。『ボトムズ』本編中に登場したドッグ系ATなど各機種をベースに、個性的なバリエーション機がいくつかデザインされ、モデラーなどへガンダムシリーズにおける『MSV』的な楽しみを提供した。

全12話のストーリーのうち、前半6話は1話完結、後半6話は連続物として展開する。

基本的には『装甲騎兵ボトムズ』本編の世界観に準拠して脚本が書かれているが、キリコ・キュービィーの物語で描かれたようなすさみきった世の雰囲気はかなり薄められている。また、純SF的な未来世界、異世界風の建物や乗り物も登場せず、第二次世界大戦ばりのハーフトラック装甲列車が登場したり、モブキャラクターの服装も現実の19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパの民間人のようなものになっている。また、ヂヂリウムは天然鉱物として扱われており、ポリマーリンゲル液にはガソリンのような高揮発・高発火性物質であるという描写がなされた[2]
あらすじ

ギルガメスバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、惑星ミヨイテの最前線で、オスカー・フォン・ヘルメシオン准将指揮下のプランバンドール機甲大隊内の一部隊であるシュエップス小隊は、バララントとの激戦地の中で大隊を撤収させる為の囮の犠牲となる命令を受ける。隊長シュエップスの抗議も空しく、シュエップス小隊は軍上層部からの圧力で結局残された上に、戦う手段である装甲騎兵を取り上げられ、上層部に逆らった懲罰として旧式の対ATライフルを押し付けられて生身で戦わされる機甲猟兵へ格下げされてしまう。

奮戦空しくシュエップス小隊はメロウリンク・アリティ一人を残して全滅。しかし、命からがら逃げ延びてギルガメスに帰還したメロウリンクを待っていたのは、小隊が軍需物資を強奪したという疑いをでっち上げられた軍法会議だった。濡れ衣を着せられた形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた事を知ったメロウリンクは終戦後、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。
登場人物
メロウリンク・アリティ
声 -
松本保典17歳。元第18メルキア方面軍プランバンドール機甲大隊シュエップス小隊所属の装甲騎兵(のち機甲猟兵)で、階級は伍長。愛称は「メロウ」。友軍の撤退陽動作戦におけるただ一人の生存者。小隊の最期を軍の記録に残すという一念で帰還を果たすも、略式軍事法廷にかけられ、後に「プランバンドール・スキャンダル」と呼ばれる、敵前逃亡と物資強奪事件に関わる無実の罪を着せられたことに逆上し脱走。死んでいった仲間たちの名誉を守るため、小隊の装備であった旧式の対ATライフル1丁を武器に、偽証した元機甲大隊の将校たちを捜索し復讐する旅を続けている。復讐のターゲットに対しては、脱走時に奪った仲間の認識票[3]を事前に何らかの方法で提示し、相手に「復讐の対象である」ことを知らしめる。また、とどめを刺す際にはしばしば己の血(もしくはそれに類するもの)で横縞のフェイスペイントを施す[4]。過酷な戦場においても決して弱音を吐かない精神的な強さと、重さ30キロ以上の対ATライフルを片手で楽々と取りまわす強靭な肉体を持っている。性格はどちらかといえばおとなしいが無口というわけではない。小隊長のシュエップスにはその真面目な人間性から普段から可愛がられていたようで、メロウリンクもまた部下の人望厚いシュエップスを慕っていた。作中、プランバンドール・スキャンダル以前は、仲間を生かすために自分が犠牲になることを納得できずとも潔く受け入れていた表現があり、軍務には忠実であったことがうかがえるが、それはキークから言わせれば「軍隊という共食いし合う事によって成り立つ組織の中では生きられなかった」という事。地の利と想像力を生かしたゲリラ戦術が得意だが、それだけではなく、そういった戦術が通用しなかった場合でのあらゆる状況やアクシデントに対しても、臨機応変に対応出来る即断力も持ち合わせている。標的の1人・ドックマンを狙ってザキ基地に潜入した際にルルシーやキークと出会い、ルルシーの機転で助けられたことで縁が出来る。その後旅先でルルシーとたびたび顔を合わせるうちに徐々に心を通わせるようになるが、男っ気ばかりの中で長いこと過ごしていたこともあり女性の相手はあまり得意ではない。旅路の果てにルルシーが思いもよらず自分の復讐行に間接的に関わりある人物であることが判明し、以後行動を共にする。
ルルシー・ラモン
声 - 玉川紗己子年齢不詳(企画書によれば18歳から20歳。『装甲騎兵ボトムズ・パーフェクト3Dブック』145ページでは20歳とある[5])。自称流れ者のカードディーラー。第6話では手品も披露している。ザキ基地においてドックマン、キークとカードゲームに興じていたところ、基地に潜入したメロウリンクと出会う。当初はメロウリンクのことを「坊や」と呼び「ちょっと気になる年下の男の子」程度の感情しかなかったが、その後旅先でたびたび会ううちにメロウリンク本来の人柄と背負った運命を理解し復讐に協力するようになり、その過程で徐々に心の中で1人の男性として惹かれ始める。本名はフルレル・C・ヘルメシオンといい、メルキアのカビア貴族出身の令嬢。しかし父は銃の暴発による事故死、母も後を追うように自殺し、以来天涯孤独の身。元プランバンドール機甲大隊のヘルメシオン准将(後述)は叔父に当たり、私欲のために父を陥れ財産や家名まで取り上げた叔父を首謀者とにらみ毛嫌いし、また幸せな家庭を奪った野心家の叔父が軍人だったことも影響し、「出世の為に平気で味方を殺せる」として、キークをはじめとした軍人達にも嫌悪感を抱いている。
キーク・キャラダイン
声 - 大塚明夫25歳(ホビージャパン『装甲騎兵ボトムズ・パーフェクト3Dブック』145ページでは27歳)。メルキア方面軍の情報将校で階級は中尉。ギルガメス軍上層部の特命を受けプランバンドール・スキャンダルにまつわる謎を追っている。たびたびメロウリンクの前に現れては協力しているような素振りを見せているが、実はバッテンタイン中将(『ボトムズ』の登場人物)直属の暗殺者で「死神」と呼ばれている。メロウリンクを利用してスキャンダルの証拠である関係者達を処分し、さらに真実を話そうとしたヘルメシオンを殺害する。ヘビースモーカーで、作中ではよく煙草を吹かしている。最終話での言葉から、プランバンドール・スキャンダル関係者を全員抹殺した手柄で出世しようと思っていた模様。7215年7月のコーザ基地で、ギルガメスバララントとの戦争が再開された中、用済みになったメロウリンクを挑発して対決し、バララントの爆雷攻撃によって基地が崩壊する中で優位に戦いを進めるものの、最終的に敗北する。自身の正体があらわになるまでは物語のナレーションも務め、メロウリンクの目的を視聴者に示唆する狂言回しのような役割を担っている。メロウリンクの復讐と信念に対し、「自己満足」、「軍隊からあぶれた雑魚」と侮蔑していたが、その焙れた雑魚を追い詰めながら、逆に返り討ちにされる最期を遂げる。
メロウリンクが仇として追う人物たち
ドックマン
声 -
永井一郎第1話に登場[6]。元プランバンドール機甲大隊所属大尉で、惑星ミヨイテの辺境にあるザキ基地の司令官。最前線の基地を任されている割に昼間からカードゲームに興ずるなど勤務態度は悪く、人間的にも短慮で横暴と言う絵に描いたような無能。戦況もろくに見ず無茶な命令を下すことが多かったことから元々部下からの人望は薄く、基地に乗り込んだメロウリンクの告発が基地の館内放送に流れると最後の信頼も無くしてしまう(同士討ちの可能性も考えず発砲し部下を射殺したことや、メロウリンクへの周りの被害を全く顧みない攻撃などといった暴挙も一因である)。メロウリンクの挑発に乗せられた結果、基地に居たキークの釘刺しによって自らスコープドッグ(スコープドッグドックマン機)で出撃する羽目に陥る。メロウリンクの地の利を生かした作戦に翻弄された揚句、パイルバンカーの一撃で即死する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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