機甲創世記モスピーダ
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機甲創世記モスピーダ
ジャンルロボットアニメ
アニメ
シリーズディレクター
山田勝久
シリーズ構成富田祐弘
脚本寺田憲史富田祐弘、並木敏、康村諒
キャラクターデザイン天野嘉孝
メカニックデザイン荒牧伸志柿沼秀樹
音楽久石譲小笠原寛
アニメーション制作タツノコプロ
製作フジテレビ、タツノコプロ、アニメフレンド
放送局フジテレビ系列
放送期間1983年10月2日 - 1984年3月25日
話数全25話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『機甲創世記モスピーダ』(きこうそうせいきモスピーダ、Genesis Climber MOSPEADA )は、1983年10月2日から1984年3月25日まで、フジテレビ系列で放送されたタツノコプロアニメフレンド制作のテレビアニメ。全25話。
作品概要

タツノコプロがアートミックと共同で、企画・制作した作品。個性的なキャラクターたちと、目的地をめざしての道中で出会う様々な人々や出来事を描くロードムービー的なストーリー、異星生物による地球占領という最悪のファーストコンタクトなど独自色の高い一作だった。

柿沼秀樹によると、当初は機械化歩兵の話だったという。しかし本作のスポンサーに今井科学が決まったことで、今井が当時ヒットさせていた『超時空要塞マクロス』のバルキリーと同様の、可変戦闘機を出すことを要求された。そのため、三段変形する可変戦闘攻撃機 レギオスが主役級メカニックとして登場することとなった。さらに、それ以外の新しい変形メカも要求された。柿沼によると「別企画の『テクノポリス21C』みたいな未来警察物の変形オートバイアートミックの鈴木敏充が本作のプレゼンテーションに持っていったと思う」とのこと。これがオートバイが変形して強化服になる、ライドアーマー[1] となった。

柿沼秀樹や荒牧伸志窪田正義らは「ハリウッド娯楽戦争映画の世代」であり、本作は「ノルマンディ上陸作戦のSF版」をやりたかったそうである。ところが柿沼いわく、鈴木敏充と富田祐弘岩田弘は「ハリウッド西部劇世代」だった。「戦争映画世代」の柿沼たちは「占領下のフランスの村々を侵略者から解放して敵の本陣まで進撃していく歩兵中隊の話」を提案したが、脚本は基本的構造は踏襲しているものの『拳銃無宿』のようなホースオペラになっていた、と柿沼は語っている。富田以外の脚本家が脚本を担当した回は、比較的柿沼らが提案した傾向の物語になっている。柿沼は本作を「要素がバラバラ」としている。また「『モスピーダ』をリメイクしたら、絶対に面白いですよ」とも述べている[2]。なお、柿沼は後に本作のリメイクとも言うべき作品『ジャンクフォース』を執筆している。

主題歌は、OP・EDともタケカワユキヒデが作曲した。オープニングの作画を担当した金田伊功は、本編には第1話の導入部や、バンクとして使われたオープニングのカットといったわずかな部分のみに参加している。

各話のタイトルに、音楽用語が使われている。また番組のタイトルは、学研が発売した小冊子によれば、後述のレイたちが用いるライドアーマーの機体名に由来すると説明されている。なお、この制式名称は後述の従軍記者H・カキヌマのレポートにも掲載されている。

劇中で「HBT」という燃料が登場し、設定上ではHBTとは「複合水素燃料」とされている。HBTは「GAS」を1文字ずつずらした単語である。実際に似た名前の水素燃料を開発していた大学の研究室から、放送を見て何の略かという問い合わせがあり、真相を教えられて「ブッとんだ」[3] というエピソードがある。なお、アイキャッチ[4] は、Aパート用がモスピーダが画面方向に向かって前進してくる所から右にハンドルを切り背面を向いて右のビーム銃を上に構える所でダークブルーの陰影二値のモノクロへと変わり、英語の作品題名がその右に現れるものである。これの2秒短い中抜き短縮版がBパート用で、ジングルはOP曲のイントロの編曲で、AB各パート用に各々用意されている。

日本国外では『超時空要塞マクロス』、『機甲創世記モスピーダ』と共に ハーモニーゴールド USA 社(Harmony Gold USA)がタツノコプロと契約し、各作品が同じ作品世界の違う時代を扱った1つの大河シリーズ翻案作品『ロボテック』(ROBOTECH)の第3世代(新世代)編 The New Generationとして再編集・放映され、日本における本放送時点以上の人気を獲得した。この作品では、『マクロス』の時代の20年ほど後の同じ時系列上の世界であり、レギオスもVF-1 バルキリーの後継機という設定となっている。また、2007年には新作『ロボテック:シャドウ・クロニクル』(Robotech: The Shadow Chronicles)のDVDが発売された。これは、Robotech:The New Generation(モスピーダ)の最終回部分をリメイクしその後の展開も描いた作品で、CGによるレギオスやインビット、新作画のライドアーマーや、一部の旧作の登場人物達がデザインをリファインされて登場する。
あらすじ

2050年、突如として地球に侵攻してきた正体不明の異星生命体「インビット」のため、地球人の半数が火星に避難する。30年後の2080年、地球奪還と同胞の救出のために地球降下作戦が開始された。第1次降下作戦は失敗に終わったが、3年後の第2次降下作戦では、過去の教訓から新型の可変戦闘機 AFC-01 レギオスおよび、AB-01 トレッド。そして、これらに搭載され搭乗員の生存率を高めるための変型バイク兼パワードスーツ VR-052 モスピーダが配備されていた。

火星生まれで、火星育ちのマルスベース軍の若き士官 スティックは第2次降下部隊に所属し、作戦成功後に恋人のマリーンと結婚する約束をしていた。だが、大気圏突入中にインビットの迎撃を受けたうえ、大気はインビットにより特殊加工[5]されており、降下中の機体の多くは撃墜され、あるいは大気圏突入に耐えられず作戦は失敗する。マリーンの乗る降下艇ホリゾントも、特殊加工された大気圏の影響を受け制御不能となり、スティックの目の前でインビットに撃沈される。スティックは混戦の中、機体を損傷して本隊から離れ、南アメリカに不時着したが、艇長が遺した「地球へ不時着したら、インビットの本拠地、北米のレフレックス・ポイントを目指せ」という言葉に従い、哀しみを振り切るように地球を駈ける。

一方、地球生まれで地球育ちのレイは、旅の途中で第2次降下作戦の宇宙船の残骸の中からモスピーダを見つけ出し、インビットとの戦いに巻き込まれる。その際、スティックと出会い、行動を共にすることとなる。さらにスティックとレイはフーケ、ミント、第1次降下作戦の生き残りであるイエロー、ジムと出会い、インビットが行う「軍人狩り」から逃れて戦うことを放棄していた彼らも、スティックらと共にレフレックス・ポイントに向かう。途中、一行は廃墟の村で記憶喪失の少女を発見。言葉も感情も失った彼女を「アイシャ」と名付けて保護する。旅を続ける中、やがてスティックとアイシャは互いに心惹かれてゆく。

幾多の戦いと、出会いと別れを繰り返し、遂に一行はレフレックス・ポイントに達し、第3次降下作戦がはじまった中、インビットの正体を知る。
地球降下作戦

「インビット」支配によって火星や月に逃れた地球人は、インビットの武力に対抗するためにコンドルなどの新兵器を配備し、第1次降下作戦を開始した。しかし、インビットへの分析や情報不足などから部隊の大半を失い、作戦は失敗に終わった。そして、その当時から、インビットは地球人が自分達に対する恐怖と憎悪から生み出す兵器類と、それを操る軍人達に脅威を感じ、占領した地域の自分達に従順な地球人に対して「軍人狩り」を強要するようになっていった。

スティック達が参加した第2次地球降下作戦は、順調に行われていれば、レギオス、ホリゾントなどで大気圏突入し、レフレックス・ポイントに直接侵攻するものだった。目標に達せず不時着した場合、搭乗員はモスピーダや支援車両などでレフレックス・ポイントを目指し、合流することになっていたが、本編では途中の集合地点で壊滅させられたり、軍人狩りにより殺されたりした者も多く、生き残ってたどり着いた者達も、第3次降下作戦開始のタイミングに合わせなければならないほど減退していた。

やがて実行される第3次降下作戦では、HBT放出をコントロールして、インビットに探知されない「ダーク・モスピーダ」、強大なシンクロトロン砲を装備する「ダーク・レギオス」「トレッド」他、旗艦「イズモ」以下のダークタイプ各艦艇も投入され、戦局は人類有利に大きく傾くと思われたが、互いの戦力をすり減らすだけとなって膠着化する。ついに奪還軍総司令は地球ごとインビットを滅ぼすのも止むを得ないと、最終兵器「荷電粒子ミサイル」の発射を決意する。
登場人物
主人公と旅の仲間たち
レイ
[6]
声 - 大山尚雄地球生まれの人類側の主人公。インビットに占領された地球で生まれ育った少年。17歳。両親の生死すらわからない孤児だが、バイク好きが高じて、手製のバイクで走り回っていたところ、偶然見つけた第2次降下部隊の輸送機の残骸からモスピーダを入手する。インビットとの戦いに巻き込まれたところをスティックに助けられ、行動を共にする。飄々とした性格で、インビットに追い立てられてさえ危機感が希薄であり、ある意味図太い神経の持ち主といえる。スティックとは良き喧嘩友達であり、二人が共にいることでそれぞれの暴走が抑えられているようである。スティックから称賛されるほどのライディングテクニックを持ち、モスピーダとライドアーマーの戦闘および、レギオスやトレッドの操縦も短期間で習熟する。アウトドアやサバイバルに関する知識も豊富で、これらによって、インビットがHBTのエネルギー反応を敏感に察知することを最初に感づいたり[7]、それらを活かして、軍人のスティックやイエローらには思い付かないような作戦を立てることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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